オトクに生きて勝ち組を目指す研究所

トルコリラが史上最安値レベル、ここから積立スワップ投資を始めてみた

    

トルコリラといえば、高金利通貨の一角としてFX投資家以外にも広く知られています。外貨預金にもトルコリラ建ての高金利商品がありますし、投資信託などにも新興国型の商品にはトルコリラ建てものがあります。
トルコの政策金利は、なんと45%(!!)この金利通りの銀行に預金していたら、お金が1年後に1.5倍近くになるのですから、驚きです。
それならトルコリラで預金したほうが断然オトクかというと、そこには大きな落とし穴があります。今回は筆者がそのことを含めて改めて今始めるトルコリラ投資を提案したいと思います。もちろん筆者もすでに実践し始めているので、今からでも同条件で実践可能です。
驚異的な高金利でありながら爆弾を抱えるトルコリラを、うまく飼いならして資産を増やしてみようではありませんか。

1.トルコリラが史上最安値圏

2024年2月時点で、トルコリラは史上最安値圏にあります。この最安値圏にあることが大きなポイントで、ここからであればトルコリラ投資にも一定の安心感があります。
それでは、まずはトルコリラの現状から見てみましょう。

1-1.遂に5円を割り込んだトルコリラ円

2024年2月時点で、トルコリラ円は4.80円近辺で推移しています。そもそもこのトルコリラ円、もともとは100円近くの値が付いていた時期もありました。それが右肩下がりの下落を続けて、遂に5円を割り込みました。
これまでの値動きを、週足チャートで見てみましょう。

見事なまでの下落っぷりです。こんな通貨買っても大丈夫?と心配になってしまいます。事実、筆者は40円前後の時に一度、20円前後の時に一度、トルコリラ円の買いポジションを持ったことがあります。その結果は、どちらも損切り&ロスカット。
恨みしかない通貨ペアというのが、正直なところです。

1-2.それでも一応高金利通貨

冒頭で述べたように、トルコの政策金利は45%です。他にも高金利国はありますが、その中でもかなり高いレベルです。トルコの指導者は、エルドアン大統領。この人がなかなかの曲者で、インフレが続いているトルコ経済を尻目に利下げを強く要求しています。本来であればインフレ局面では利上げをして沈静化をしないといけないのですが、その真逆を行ったわけです。しかも、利下げに反対する当局の大物を解任までして、自分の政治思想を貫きました。
これにより、トルコリラは政策金利が20%台まで下がったことで通貨も暴落。高金利であること以外に価値がない通貨だったのに、それがなくなったわけです。
そこから紆余曲折を経て、今は利上げ基調になっています。通貨は暴落済みで、再び高金利。これが狙い目だといえる1つの理由です。

1-3.これ以上の下落は難しい?

絶望的な下落を続けてきたトルコリラですが、ここにきて下げ止まりの様相を見せています。日足チャートを見ると、その傾向が鮮明です。

4.7円近辺で下げ止まり、ヨコヨコとなっています。40円の時、20円の時には、まだ「下」がありました。しかし5円を割り込んでからはもう、「下」はほとんどありません
これ以上の下落をするのは逆に難しそうだということで、それならここから買ってやろうと考えました。
もちろんリスクヘッジも必要なので、それについては後述します。
現段階でお伝えしたいのは、以下の2点です。

  • トルコリラは腐っても高金利通貨
  • さすがにここからはもう下がりにくいだろう

これを踏まえて、投資戦略の解説に進みましょう。

2.トルコリラ円のスワップ投資チャンスが到来

トルコリラは高金利通貨なので、ほぼ無金利の日本円との通貨ペアでは毎日スワップ金利が発生します。スワップ狙いでトルコリラ投資をしているFX投資家は多いと思いますが、ここからであればリスクを抑えつつスワップ投資ができそうです。

2-1.1万通貨で30円少々のスワップ

2024年2月時点で、トルコリラ円の買いポジションに対して1万通貨あたり30円少々のスワップポイントがつきます。それでは、トルコリラ円を取り扱っている3つ程度のFX会社について2月のスワップポイントを見てみましょう。
まずは、外為どっとコム。

次に、トレイダーズ証券「みんなのFX」。

最後に、GMOクリック証券。

おおむねどのFX会社も30円台前半で推移しているのが分かります。以前は100円近くあったのですが、相次ぐ利下げによって30円台になりました。それでも再び利上げしたことによって30円程度から30円台前半になったというところです。
トルコリラ円の1万通貨を保有するために必要な証拠金は、レバレッジ25倍でおおむね2,000円程度です。2,000円投資して毎日30円少々くれるのですから、悪くない投資です。これはFXのスワップ投資全体に言えることですが、これだけで利回りを計算するととんでもないことになります。
仮に毎日のスワップポイントが32円だとすると、年間で11,680円。2,000円が11,680円になるのですから、利回り584%!!そんなアホな!!
まずは、トルコリラ円を1万通貨分1年間保有すると、1万円少々になるだけの実力があることを押さえておいてください。

2-2.スワップ投資の天敵、ロスカットをいかに防ぐか

年利584%の投資なんて、普通に考えたら詐欺案件でしかありません。しかしそれが現実になるところがFXの25倍レバレッジのすごいところでしょう。しかし、レバレッジ25倍のままポジションを保有するのは自殺行為です。
そうです、円高リラ安によるロスカットのリスクがあるからです。いかにロスカットを防ぐかは、スワップ投資の基本中の基本です。筆者も過去にスワップ狙いでいろいろな高金利通貨に投資してきて、損切やロスカットを何度したことか。
トルコリラ円が5円を割り込んだ今、さすがにここからは下がる余地が5円未満(500pips未満)しかないので安心と言いたいところですが、一時的だとしても1円程度の値下がりは見越しておく必要があると見ています。筆者がこの投資を始めたのは4.85円近辺なので、3.85円までは耐えられるようにしておく必要があるわけです。
それでは、ロスカットシミュレーションをしてみましょう。筆者は外為どっとコムで積立投資をしているので、同社のツールを使います。必要証拠金が2,000円なので、その倍の4,000円で試算してみます。

4.65円でロスカットになるので、これだと大いにあり得ます。長期投資をするにはリスクが高すぎます。そこで筆者は、1万通貨あたり2万円を入金する戦略をとりました
その条件で、再び試算。

これだと、3.05円まで耐えられます。これくらいの余裕をもっておけば、少々の下落があっても感情が動くことはないでしょう。
もちろん、今後のスワップ蓄積によって資金が増えていくので、このロスカット発動レートはどんどん下がっていきます。つまり、ロスカットになりにくくなっていきます。

3.毎月2万円、1万通貨ずつの積立投資戦略

ここまで解説でお分かりかと思いますが、筆者が作ったトルコリラ円の積立投資戦略は、以下のとおりです。

毎月2万円ずつ積み立てて1万通貨ずつ買いポジションを建てる

これだけです。これをやっていけば3.05円を下回らない限りはロスカットにはならず、あとはひたすらスワップポイントを貯めていくのみです。
これにどれだけの威力があるか、検証していきましょう。

3-1.2万円で1万通貨を投資すると期待利回りは58%前後

外為どっとコムのトルコリラ円スワップは32円(2024年2月時点)なので、これが続くと仮定して利回りを計算してみましょう。
まず、1万通貨あたりの年間スワップ額を計算します。

32円 × 365日 = 11,680円

これを2万円で割ると、年間リターンが分かります。

11,680円 ÷ 20,000円 = 58.4%

ロスカットを避けるためにかなり余裕を持たせても、利回りは58%!!
これを続けていくとどうなるのか、その驚異的な「捕らぬ狸の皮算用」は後でお見せします。

3-2.毎月2万円を入金、トルコリラ円1万通貨を買い増し中

毎月2万円を入金して、トルコリラ円を1万通貨買い増すという投資を、筆者は2024年1月から始めています。以下が、その画面です。

1月23日1万通貨、2月1日に1万通貨を買っています。現在、スワップは合計で1,000円程度。
すでに3月に買う分の2万円は入金済みで、次は3月1日に買う予定です。

3-3.突飛安を狙って直近安値にも指値を入れておく

この投資戦略では、1つ重要なポイントがあります。それはトルコリラ円の突飛安対策です。トルコリラ円のチャートを見ると、突飛安がチョイチョイ発生しています。

この丸印を入れたところはいずれも下髭をつけてすぐに値が戻っています。この突飛安は朝一番に起きることが多く、多くはまだ寝ている時間帯です。この突飛安をうまく拾うと買付平均額を下げられるので、ぜひこれを拾いたいと思っています。
そこで、こうした突飛安に備えて安いところに指値を入れるようにしています。今のところ直近の最安値である4.7円に買い指値を入れていますが、これについては状況を見てもっとヒットしやすいところに変えてもいいかなと思っています。また変更があれば、お知らせします。

ちなみに、この画面にあるように今後全ポジションに対して5.21円の決済注文を入れるようにしています。もう5円を超えることはないかもしれませんが、もし超えて突飛高があるとしたらこのレベルなので、「ワンチャン狙い」です。
もしこのレートで決済してノーポジションになったら、また5円より下からの積立を再開します。

3-4.この投資の3年後、5年後をシミュレーション

お待たせしました、それではこの投資戦略の「捕らぬ狸の皮算用」をやってみましょう。同じルールで積立投資を続け、スワップも今の水準が続くことを想定してシミュレーションをしてみました。
シミュレーションには、こういう計算にとても役立つ野村證券の「みらい電卓」を使いました。

1つ目は、3年後です。
想定利回り58.4%で、2万円ずつ積み立てると、3年後には152万2,436円になります。このうち元本は72万円、運用収益は80万2,436円です。すでに倍以上に増えるわけですが、やはり58%という圧倒的な利回りが効いています。
これが5年後になると、459万2,297円です。いよいよ本格的な資産運用の規模になってきます。たった5年でここまで到達できるのですから、レバレッジの力は偉大です。ちなみに459万円のうち運用収益は約340万円なので、元本の3倍近くをスワップで稼ぎ出すことになります。
さすがに10年間も同じスワップやレート水準が続くとは考えにくいですが、参考までに試算してみると、なんと5,038万円となり、夢の5,000万円超えです。ここまでくるとFIRE上等の規模ですが、これは可能性が低いと思ったほうがよいでしょう。もし10年間今の水準が続いて積み立てを続けられたとしたら、人生勝ち確ですね。

3-5.目標金額に到達するまで積み立てを続ける

次に検討するべきことは、出口戦略です。先ほど、10年続けることにはあまり現実味がないと述べました。そのことは、冒頭で紹介したチャートを見ても分かると思います。ただ、トルコリラ円はすでに5円を割り込んでいるので、下げるといっても余地は少なくなっています。
このことを考えると、10年頑張って5,000万円の財産を築くこともまんざら夢物語ではないかな?という気もします。
ただ、やはり夢は夢なので、どこかでこの積立投資を終了して、以後はキャッシュマシーンにする時がやってきます。最初に目標金額を決めて、そこに到達したらあとはスワップを受け取るだけのフェイズに入るわけです。
仮に5年で終了した場合、元本は120万円になっています。これを58.4%で運用すると70万800円です。毎月だと5万8,400円。もっと欲しいと思うのであれば、この元本をどこまで大きくするかを考える必要があります。単純に倍の金額になれば10万円を超えるので、スワップだけでかなりの収入になります。

4.トルコリラ円積立投資の注意点

年利58.4%の投資は夢のような話ですが、そこに現実味がしっかりとあることがお分かりいただけたと思います。しかし、投資にリスクは付き物です。この投資戦略にも死角はあるので、始めてみようという方は以下の注意点もしっかり理解した上で始めるようにしてください。

4-1.トルコリラが高金利であり続けることが前提になっている

トルコリラは高金利ですが、かつては毎日のスワップポイントが100円程度ありました。それが30円少々になっているので、3分の1になってしまっています。今後これがさらに下がる可能性は否定できません。
一般的に新興国でインフレが進行している国は高金利になるので、トルコが今の経済構造から脱することがない限り低金利国になる可能性は低いですが、5年後、10年後になると分かりません。
今はレートが極限まで安くなっているので少々利下げをしても高金利であり続けると見ていますが、それも100%ではありません。極端な金利の引き下げがあると、この積立戦略自体が続けられなくなる可能性があります。

4-2.インカム狙いだがキャピタルにもシビアになるべき

この積立戦略はあくまでもスワップポイントというインカムゲイン狙いですが、FXは本来レート差による為替差益(キャピタルゲイン)を狙う投資です。FXではレバレッジが大きい分だけ少しのレート変動で損益が大きく動くので、ポジションを建てるレートにはシビアであるべきです。
少しでも平均購入額を下げる努力をするべきで、そのために突飛安対策の指値を入れています。買い入れるレートが安いほど為替差損が出にくくなってロスカットのリスクを下げられるわけですが、平均レートを低くすることで相対的に利回りを高くすることにもなります。
「今月は高い」と思う月があるのであれば、その月は買わずに安くなったところで2万通貨分買うというやり方も大いにアリだと思います。

4-3.自動積立よりも高い精度を狙おう

FX会社の中には、積立投資のために便利な機能を提供しているところがあります。私が現在積み立てをしている外為どっとコムには「らくつむ」という自動積立サービスがあります。
こうしたサービスは便利で、最初に数年分の資金を入れておいてあとは自動的に積み立て、といったこともできます。あまりFXのことを考える時間がないという方はこうした機能を利用して放置するのもアリですが、私はあくまでも精度を高めるために手動で行っています。
いかに安くポジションを建てるかにこだわっているので、毎月同じ日に無条件で買うといった自動化をしてしまうと、高値掴みをしてしまう恐れがあります。定期的にFXの管理画面をチェックすることに抵抗がないのであれば、私と同じように手動で精度を高めていきましょう。

4-4.さらなる下落はチャンスと捉える

これまでの推移を見ている限り、トルコリラが今後大きく値を上げる可能性は低いでしょう。むしろ下がる可能性のほうがあります
下がった時に、どうするか?私はさらなるチャンスと捉えて買い下がるつもりです。平均購入額を下げていけばロスカットラインも下がっていくので、おそらく3円を割り込んでも買い下がると思います。
ただ、今すぐ急落して3円を割り込むイメージはあまりないので、下がるとしてもそのころにはスワップがかなり貯まっていることでしょう。レートが下がって評価損が出てもスワップがそれを上回っている状態であれば、同じペースで買い下がっても問題ありません。むしろ、それはチャンスです。

4-5.証拠金維持率のチェックを怠らず

FXでは本来、ポジションをあまり長期間持たないのが普通です。スキャルピングやデイトレードで小刻みに利益を取っていく投資スタイルが主体なので、この積立戦略のように年単位でポジションを持つことには、ロスカットのリスクが常に付きまといます。
そこで重要なのが、証拠金維持率のチェックです。FXに慣れている方であれば300%や200%を下回ると危険水域であることをイメージしやすいと思いますが、初心者は「100%さえ上回っていれば安心」と思ってしまいがちです。100%はFX会社によってはマージンコールやロスカットになるレベルなので、危険です。
含み益になっている時は、1000%以上で推移します。この水準であれば全く問題なしで、500%を下回るようなことがなければまぁOKとします。
そのための2万円入金なので、この資金管理で続けていけばトルコリラ円が4円を割り込むまでは高みの見物でいいと思います。

4-6.トルコの金利低下は「逃げ」のサイン

この積立戦略では、トルコリラが高金利通貨であり続けることが前提です。この前提が崩れたら、躊躇せず逃げます。2013年以降のトルコの政策金利は、以下のように推移しています。

2014年には4.5%にまで下げていますし、その後も決して高くない時期があります。20%を超えている時期は逆にそれほど多くないので、今後も金利が下がる(スワップが少なくなる)ことは大いにあり得ます。
この判断基準は人によってさまざまだと思いますが、私はスワップが10円より少なくなったら撤退を検討すると思います。それまでにスワップが十分貯まっているかどうか、時間との戦いでもあります。

5.まとめ

年利58.4%という驚異的な積立投資として、筆者も実践中のトルコリラ投資について紹介しました。面白そう!と思った方は、ぜひ始めてみてください。ただし、ここまで練った戦略であっても崩壊のリスクは常にあるので、あくまでも自己責任でお願いします。毎月2万円を積み立てて、それが全部なくなっても感情が動かない方以外はしないほうが賢明です。
トルコリラが今のまま動かず時間だけが経てば勝ち、何かネガティブな変化があれば負け、という程度の感覚で臨むのがちょうどいいと思います。
今後も運用状況の報告をしていきますので、お楽しみに!