【FXスワップ投資】トルコリラのスワップ運用で苦しい思いをしている人へ
カチケンではこれまで、FXのスワップポイントを活用した運用術を解説してきました。
特にトルコリラ円(TRY/JPY)は日本国内のほとんどのFX会社が取り扱っており、またキャンペーンなどを頻繁に実施しているため、日本人投資家に人気の高金利通貨ペアです。
しかし、高金利=高スワップだからといって、ただ持っているだけでお金が増えるほど投資は甘くありません。
この記事の制作時点(2026年9月)は、前月から続く為替介入や円高誘導の要人発言、利上げ観測などが重なって円高が進み、そのあおりを受ける形でトルコリラ円も続落。スワップ狙いで買いポジションを保有している人にとっては厳しい展開が続いています。こうした展開を想像していなかった人にとっては、どうしたらいいのか分からなくなってしまうことでしょう。
そこで、FXスワップ投資を長年続けてきた現役投資家が、こうした局面で知っておくべきことをまとめました。
この記事の目次
トルコリラ円が下がり続けている理由
トルコリラ円がずっと下がり続けていることは、過去にさまざまな記事でお伝えしてきました。チャートを見ると、こんなにも絶望的な通貨があるのかと思えるレベルです。

特にこの2か月間の下落が凄まじいですね。
スワップポイントのことを全く考慮しないのであれば、間違いなく売った方がいい通貨ペアです。
これだけ順調(?)に下がり続ける理由はトルコリラ側にあるわけですが、それはドルリラ(USD/TRY)の動きを見ると一目瞭然です。
世界の通貨は米ドルを基軸として流通しているので、トルコリラの価値も対米ドルで決まります。そのドルリラがこの有様なので、対円でも上がるわけはありません。

それでもトルコリラ円が時々上がったり、下げ止まったりしているのは、円安が進行していたからです。その無秩序な円安が終わりを迎えたかに見える昨今、トルコリラが本来の値動きになっただけとみるべきでしょう。
筆者は2つの口座でトルコリラ円のスワップ運用をしていますが、こうも絶望的な通貨ペアを持ち続けるのは、1万通貨あたり数十円のスワップが毎日入るから、それだけです。
今後の動きを予想してみる
それでは、今後のトルコリラ円はどうなるのでしょうか。未来のことは誰にも分りませんが、「下はあっても上はない」ということだけは言えます。それがあるとしたら、トルコのエルドアン大統領が政権交代したり、トルコ経済に明るいニュースが流れた時くらいでしょう。つまり、今後もトルコリラ円はドルリラ相場と円相場次第だということです。
円安が一服して今後は円高に向かっていくと仮定すると、トルコリラ円も下がり続け、3円を割れるような展開もあり得るでしょう。
すでに9月上旬の時点で3.2円を割り込んで3.1円台になっているので、さほど遠くない時期かもしれません。
現在、トルコリラ円のスワップ運用で含み損を抱えている人は、今後どうするのかを決める時期が来ています。
含み損が拡大し続けると起きること
さらにトルコリラ円が下落し続けて、買いポジションの含み損が拡大すると何が起きるのでしょうか。「良くないこと」が起きるのは想像されていると思いますが、具体的に起きることを整理しました。
証拠金維持率が低下してアラートが発生
FXはレバレッジをきかせた取引ができるため、運用資金=取引資金ではありません。取引資金の一部を証拠金として預け、それをもとに大きな規模の取引ができます。日本国内では最大25倍までのレバレッジをきかせられるため、100万円の資金が口座にある場合、最大で2,500万円分のポジションを保有できます。
このレバレッジ取引の資金状況を示すのが証拠金維持率で、高ければ高いほど資金に余裕がある、つまり安全な状態です。そして証拠金維持率が低くなると、資金が枯渇してきている、つまり危険であることを示します。
FX会社の口座画面には、必ずこの証拠金維持率の表示があります。とても重要な指標だけに、分かりやすいところに表示されています。一部、外為どっとコムのように証拠金維持率を「有効比率」と表記しているFX会社もありますが、意味は同じです。
FX会社によって違いはありますが、だいたいどのFX会社も証拠金維持率が200%を下回るとアラート(警告)を発します。
警告が出たからといって、今すぐ何かが起きるわけではありません。ただし、このまま証拠金維持率が下がり続けると次項で解説する強制ロスカットが発動してしまいます。「そうなる前に何とかしたほうがいいですよ」というのがアラートなので、アラートが出た時点で何らかの対策を考えるのが賢明です。
証拠金維持率が基準値を下回ると強制ロスカットが発動
証拠金維持率が下がり続けて、FX会社が定めている基準を下回ると、強制ロスカットとなります。投資家の意図とは関係なく、反対売買をしてポジションが決済されます。
おおむね証拠金維持率が100%を下回った時点でロスカットとなるFX会社が大半ですが、一部それを自分で設定できるところもあります。例えば、外為どっとコムは最小で50%まで下げることができます。
ロスカットは一時的に証拠金維持率が100%を下回った時にも発動するので、一瞬だけ大きく下げた時にロスカットになるのを防ぐために、スワップ運用のメイン口座には外為どっとコムを利用しています。
ロスカットが発動すると、口座の残高は半分以下になります。大損が確定するので、すべての投資家はこのロスカットをいかに回避するかを考えるのが必須です。
含み損が拡大、証拠金維持率が下がった時の選択肢5つ
2026年8月頃から始まったトルコリラ円の暴落にも近い下落を受けて、含み損が拡大して証拠金維持率が低下している投資家は少なくないでしょう。SNSやYoutubeなどでも阿鼻叫喚の投稿を多数見かけるので、何も発信していない人の中にも困っている人は多いのではないかと察します。
そこで、現在の困った状況をどうするかを決めるために5つの選択肢を用意しました。
一部ポジションを手仕舞いする
証拠金維持率が低下しているのであれば、証拠金に余裕を持たせて維持率を引き上げる考え方の1つ目です。
スワップ運用をしている人の多くは、買い下がる形でたくさんのポジションを保有していることと思います。こちらは筆者のトルコリラ円運用口座です。見事に上から買い下がってきたのが分かりますね。1つだけフランリラ(CHF/TRY)のポジションもありますが、これは別の目的で運用しているポジションなので、今回は触れません。

この並び方だと、下にあるポジションほど買値が高いため、含み損が大きくなります。
スワップもある程度貯まっていますが、含み損の拡大に追い付いていません。こうしたポジションのうち、一部を損切り決済すると、それぞれのポジションを維持するための証拠金が解放されるため、証拠金維持率は引き上げられます。
実際、筆者も2026年8月から9月にかけて一部のポジションを損切りしました。それにより、証拠金維持率を回復させました。
筆者は含み損が大きい糞ポジションから順に損切りをしますが、これについては好みの問題なので、含み損が小さいポジションから手仕舞いをしても良いと思います。
ただ、トルコリラ円が今後高くなる日は来ないという前提で運用しているので、やはり買値が高いポジションを整理して、買値が低いポジションを残すのが予防的措置といえるでしょう。
資金を補給する
証拠金維持率を引き上げるもう1つの方法が、資金の補給です。ポジションの手仕舞いをせずに口座の安全性を高めたいのであれば、最も手っ取り早い方法です。補給する金額が大きいほど、証拠金維持率は高くなります。
投資は入金力、という半ば常識のようにいわれているセオリーがあるので、口座の安全性を高めるために入金をして運用を継続していくのは、決して間違った方法ではありません。資金を定期的に補給しながらポジションを維持していけば、今後もトルコリラ円の高スワップの恩恵は続きます。
筆者も2026年8月と9月に資金の補給をしました。ポジションの一部手仕舞いと並行することによって証拠金維持率を高める効果は高くなるので、それを実践しています。ただし、筆者はトルコリラ円のスワップ運用だけをしているわけではなく、むしろ脇役です。そのため、スワップの蓄積やレートの回復によって証拠金維持率が200%を優に超えるようなことがあれば、補給分を出金する予定です。
ロスカットレートを変更する
FX会社によっては、ロスカットレートを自分で設定できることがあります。外為どっとコムは50%から設定可能で、100%しか設定できないFX会社と比べると柔軟に運用できる口座といえます。
海外のFX業者ではレバレッジの規制がないため数百倍、1,000倍といった天文学的なレバレッジをきかせられ、証拠金維持率0%までロスカットにならない口座もあります。スワップ運用には使いやすいかもしれませんが、そもそも違法であり、出金できないトラブルや、経営破綻によってお金が戻ってこないなどの問題が頻発しています。FXの投資結果以前の問題でお金を失うリスクがあるので、カチケン的には海外FX業者は論外とします。
日本国内のFX会社でロスカットレートを100%よりも低く設定できる業者であれば、これを100%より下に設定して当面のロスカット発動を防ぐのは有効です。
ただし、その後さらに含み損が拡大して設定変更後のロスカットレートに近づくこともあり得るので、その場合は他の方法を参考にしてください。
そのまま放置する
アラートが出たからといって、今すぐロスカットになるわけではありません。一時的に大きく下げたレートが回復する可能性はありますし、そのままヨコヨコで推移した場合はスワップの蓄積によって危機を脱する可能性もあります。
こうした可能性に期待して、敢えて何もしないという選択肢もあります。投資家としてはあまりおすすめしたくはないのですが、意外にも放置した人のほうが危機を脱してお金を増やしているケースは多いんです。
ポジションを減らしたり資金の補給をするというのは、何らかの負担を伴います。何もせずに放置するのは負担もないですし、成行に任せていれば案外そのまま運用できた、という展開は多いように思います。
筆者が相談を受けている人の中で、特に投資初心者は何が起きているかよく分からないのでそのまま放置していたというケースは多く、それが実は正解だったということは意外に多くあります。
たからといって何もせず放置していてそのままロスカットになるのも看過できません。おすすめはしませんが、そんな選択肢もあるという程度で参考にしてください。
全ポジションを決済して運用を終了する
もうこんな運用はウンザリなので、全ポジションを決済して運用を終了するというのも重要な選択肢です。何せ下がることはあっても上がることはないと明言している通貨ペアを買って持ち続けるのですから、今後も同様のストレスがあってもおかしくはありません。
それならいっそのこと縁切り、というのも悪くないでしょう。筆者もかつて、トルコリラ円が40円台だった頃に一度、全ポジションを決済して運用を終えたことがあります。
スワップを貯めて回復を待つ際の注意点
トルコリラ円が下落して含み損が拡大しているものの、やはり高スワップ運用は捨てがたい。そこで証拠金維持率に注意しながら運用を継続する場合は、いくつか注意点があります。
筆者の実体験に基づくものばかりなので、ぜひこちらも参考にしてください。
一時的に資金を補給しておく
トルコリラ円の下落要因は、トルコ側の事情とドル円の推移です。どちらもトルコリラ円のレートを急落させるリスクがあるので、一時的な証拠金維持率の低下によって強制ロスカットになってしまう恐れがあります。
特に証拠金維持率が200%を下回った状態で運用をしている人は、突発的な下落による「ゲーム終了」を避けるために、自力で証拠金維持率を200%以上にできるまでは資金を補給しておくことをおすすめします。
スワップが貯まったポジションの手仕舞いなど柔軟に対応する
トルコリラ円は高スワップなので、頑張って保有し続けていると速いスピードでスワップが貯まっていきます。相場がヨコヨコになると時間が味方になるため、ポジションによっては含み損をスワップが上回るものが出てきます。
スワップが含み損を上回っているポジションを決済しても、資金は減りません。負担なく糞ポジションを手仕舞いして証拠金維持率を高めておくか、もしくはその時点でのレートで低く買い直すのも有効です。
長期的にポジションを保有する運用の場合、こうした定期的なメンテナンスは意外に重要です。筆者もこれまでに4円より上で買ったポジションを、この方法で何度も手仕舞いして買い直しています。
方針を決めたらあまり口座画面を見ない
上記の解説と若干矛盾するのですが、一度方針を決めたら定期メンテナンス以外は口座画面をあまり見ないようにしましょう。含み損があると赤い数字が並んで気分が良くありませんし、「まだこんなに含み損がある」という状況を毎日見ても楽しくないでしょう。
スワップは1日に1回貯まるもので、特にトレードをする予定がないのであれば、放置していてもスワップが貯まり続けます。定期的なメンテナンスや、急激なレート変動が起きた時以外は、口座画面を見ずに「気絶」しておくのが最も賢い向き合い方だと思います。
筆者は以前、スワップ運用をしている口座の存在を忘れていたことがありました。数年間放置していたため、ものすごい金額のスワップが貯まっていたことがありました。さすがに忘れるのはどうかと思いますが、実は頻繁に口座を開かないほうが良いこともあるということですね。
まとめ
2026年8月、9月に相次いで起きているトルコリラ円の続落。この局面でカチケンと同様にスワップ運用をしている人は含み損の拡大や証拠金維持率の低下に困っていると思い、今後考えられる展開や取りうる選択肢を解説しました。
含み損の拡大は不安になるものですが、だからといってFXのスワップ運用の有効性がなくなったわけではありません。うまく防御もこなしつつ、カチケンは今後もFXのスワップ運用の可能性を追求していきたいと思います。

メニュー
閉じる
