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不動産投資会社にカモられないために知っておきたいワンルーム投資の闇

    

不動産投資というと、アパートやマンションを所有して家賃収入や、売却益を狙うビジネスモデルです。一時期はかなり流行したこともあって「サラリーマン大家」という言葉まで誕生しました。
しかし最近、不動産投資の話をあまり聞かくなりました。そこには不動産投資業界の最新事情と、「闇」と思える部分が深く関わっているので、今回は注意喚起も含めて解説したいと思います。

不動産投資の中でもワンルーム投資がオワコン化

不動産投資がちょっとしたブームになっていた頃と比べると、2026年になってからずいぶんそのトーンが低くなっているように感じます。その中でもとりわけブームの終焉を感じるのが、ワンルームマンション投資(以下:ワンルーム投資)です。
ネット上ではオワコン化(終わったコンテンツ=ブーム終了で需要がない)と言われて久しく、いよいよそれが現実になってきています。
ワンルーム投資は広くサラリーマンなど標準的な所得クラスの人たちにも拡散し、それを助長するようなネット記事なども溢れていました。実際、ワンルーム投資が注目され始めた頃は確かに有効性もあったのですが、その有効性が剥落した今、オワコン化しているのは間違いありません。
最初に結論を述べておくと、何か特段のアドバンテージがない限り、全く資産や貯金がない人がワンルーム投資に進出するのはおすすめしません。特に東京や大阪などワンルームマンションの需要が高い地域でのワンルーム投資を今から始めるのは、自殺行為です。

ワンルーム投資がオワコン化している理由

冒頭から「自殺行為」とまで言い切ったワンルーム投資ですが、なぜここまでオワコン化してしまったのでしょうか。その理由は、主に5つあります。
これまで不動産投資の最前線で活動し、ワンルーム投資に関するネット記事などにも関わってきた筆者が、リアルな目線で解説します。

理由① マンション価格が高すぎる

ワンルーム投資がオワコン化した最大にしてあまりにも大きすぎる理由は、マンション価格の高騰です。ファミリータイプのマンションと比べると小型物件なのでワンルームマンションは安く仕入れられることが強みでした。
しかし、今は違います。東京23区の新築マンション価格が平均で1億円を超えるなど常軌を逸した高騰を続ける中、ワンルームマンションでも1億円に迫るような物件が珍しくなくなりました。中古物件でも5千万円を超えることはザラで、ここまで高くなると初期投資額があまりにも大きすぎて大口の不動産投資家や富裕層しか参入できない状況です。
以前であれば年収500万円くらいの人であっても3千万円程度のワンルームマンションを購入して運用することもできましたが、それはもう「あの頃は良かった」というレベルの昔話です。

理由② 物件価格の上昇に家賃相場が付いていけない

マンション価格が高騰しているのであれば、家賃もそれに合わせて高騰するのが普通なのですが、不動産市場では物件価格が上昇しても家賃相場が上昇するのは後になってからで、現状ではついていけていない状況です。
物件価格が上昇している一方で家賃をあまり上げられないとなると、利回りは低下します。投資家によっては家賃収入をローン返済に充てている人も多いですが、物件価格が高すぎると返済額も大きくなるため、家賃収入だけではローンを返済できず「持ち出し」になるケースが続出しています。
これは2020年よりも前から起きていた現象ですが、不動産投資会社は「最初は持ち出しになっても手元に資産が残る」というセールストークを展開していました。しかし、その持ち出しに耐えられず途中で手放してしまう人が続出し、その頃から無謀な投資計画が問題視されていました。
今では物件価格が高くなりすぎたために、こうしたセールストークも通用しないでしょう。

理由③ 不動産投資ローンの審査が厳しくなった

富裕層などキャッシュでマンション物件を購入できる人以外は、ローンを利用することになります。かつてはブームが後押ししていたこともあって不動産投資向けのローン審査に通りやすかったのですが、物件価格の高騰や破綻する人が続出したことを受けて、以前と比べて審査はかなり厳しくなっています。
この傾向を決定づけたのが、2018年に大問題を起こした「かぼちゃの馬車」事件です。女性向けシェアハウスである「かぼちゃの馬車」への投資を持ちかけた会社が、投資家の審査を通りやすくするために金融機関を動かし、スルガ銀行における大規模な不正融資にも発展しました。
不動産投資会社と金融機関がグルになると、こんなことが出来てしまうという悪しき実例となり、以後不動産投資に関連するローンの審査が厳格化されました。
一部では住宅ローンを投資用物件に悪用していた事例も発覚し、こうした不祥事が起きるたびに融資を引きづらくなっています。

理由④ 金利上昇で資金調達コストが上昇

日本は長らく超低金利で、ローンを組んで不動産を購入する人には追い風が吹いていました。その風向きが変わり始めたのが、2024年3月です。それまでのマイナス金利を解除し、17年ぶりに利上げをしました。以後は少しずつ利上げする流れが続いており、徐々にローン金利にも反映しています。
お金を運用する人にとっては追い風ですが、お金を借りる人にとっては逆風です。「銀行に預けているよりも不動産に投資したほうがトク」というセールストークの有効性も、やがて昔のものとなっていくでしょう。
金利が上昇すると、その分だけ投資家の手残りが少なくなります。物件価格の高騰と金利の上昇はダブルパンチとなるため、ワンルーム投資のオワコン化を加速させています。

理由⑤ 不動産投資会社のセールストークがバレ始めた

筆者が長らく問題視してきたのが、不動産投資会社のセールストークです。不動産投資がブームになっていた当時から簡単に論破できるようなセールストークがまかり通り、老後や将来に不透明感や不安を抱えている人たちを不動産投資に駆り立てました。
当時からある、ありがちなセールストークと、真実を比較してみましょう。

  • 給料が上がらないのであれば家賃収入で手取りを増やしましょう ⇒ 高い物件を掴まされると逆に持ち出しになる
  • 今は持ち出しになっても将来ローン負担のない不動産が手元に残る ⇒ ローンを払い終えた頃には築30年超えのボロ物件が残るだけ
  • 減価償却で節税になる ⇒ 標準的な年収では節税効果よりも投資に関連する負担のほうが大きい
  • 家賃収入が赤字でも数年後に売却したら利益が出る ⇒ 東京であっても2030年からは人口が減少、買い手探しに困るリスクが残る。また、5年以内の譲渡で利益が出ると税金が高い
  • 毎月〇万円の不労所得が得られる ⇒ 満室を想定しており、空室になった場合を想定していないことが多い
  • 将来の年金代わりになる ⇒ その頃には築年数が古く入居者が付くか微妙、付いたとしても家賃下落は避けられず維持費の分だけ赤字に可能性も

これらを知ってから不動産投資会社のセールストークを聞くと、すべてが嘘に聞こえてくるかもしれませんが、彼らは嘘をついているわけではありません。あくまでも最も理想通りになったパターンの説明をしているだけで、その通りになればめでたし、めでたし、です。
しかし実際にはそうはならず、不動産投資の現実を突きつけられる時がきます。その時には不動産投資会社との縁もなくなっているので、誰に文句を言えるわけでもなく自分で後始末を考えなければならないわけです。

それでも不動産投資を勧める論調があるのはなぜか

筆者はすでにオワコン化していると考えるワンルーム投資ですが、依然としてネット上にはワンルーム投資を勧める広告やネット記事はたくさんありますし、医師など富裕層と思われている人たちのもとには営業の電話や広告がひっきりなしに届きます。これは、なぜでしょうか。
この理由は、とても簡単です。富裕層の人たちにとっては、ワンルーム投資をするメリットが健在だからです。特に年収が高い人はワンルーム投資による節税や、相続時の相続対策として有効です。
数ある不動産投資の中でも、ワンルーム投資は細かく資産を分割できるため、相続させたい相続人の人数だけワンルームマンションを購入する人もいます。
筆者が懇意にしている、ある医師(東京都内の開業医)のもとには、頻繁に不動産投資をしませんか?という勧誘の広告が届いています。その広告が謳っていることをまとめると、以下のようになります。

  • 年収が高い人の節税にいかがですか
  • 相続対策、相続税対策としていかがですか
  • 収入源を多様化しませんか
  • 良い条件の融資をサポートします

数えきれないほど届く広告の言いたいことをまとめると、おおむねこれらに集約されます。一般のサラリーマンなどを勧誘する時とは、ずいぶん方向性が違うことにお気づきでしょうか?
そうです、これが不動産投資の闇なんです。
上記のメリットは、不動産投資がブームになる前からあったものです。そして、これからも有効です。金持ちにとって不動産投資は昔も今も有効であり、そもそも不動産投資はこうしたアドバンテージがある人たちのものでした。
それと同じことを標準的な収入クラスの人がやっても、やはり無理があるんです。ワンルーム投資は区分マンションといってマンションの中の物件を1戸単位で所有するビジネスモデルですが、本来であればマンションを一棟丸ごと所有したほうがコストパフォーマンスがいいですし、利回りも高くなります。
こうしたスケールメリットをいかせない一般の人が参入しても不利になることが多く、昨今のオワコン化は不動産投資会社がつくり上げたイメージが剥落して本来の姿が可視化されるようになっただけです。
先祖から相続した土地や不動産がある、有利な条件で融資を引けるコネクションがある、不動産に関する専門的な知識があるといったように、何らかのアドバンテージがある人であれば別ですが、何も知らない初心者が不動産投資会社の言うがままに物件を購入しても、いつか破綻するのは自明の理です。

個人が不動産投資に近い投資をするならこの3選

個人が全く知識のない状態で不動産投資を始めることはおすすめしません。それでも不動産投資の有効性は変わらずあるわけで、「それに似た投資をしたい」と考える人は多いと思います。
そこで、カチケンが不動産投資に近い投資を3つ厳選しました。

おすすめ① 太陽光発電投資

遊休地や耕作放棄地など、他の用途が見いだせない土地に太陽光パネルを設置し、発電事業をするのが太陽光発電投資です。他の用途がないため土地の仕入れ費用が安く、高騰が止まらない大都市圏の不動産投資よりも参入のハードルが低いメリットがあります。
また、入居者という「顧客」を必要とせず、電力会社に売電をして収益を上げるモデルなので、管理の手間は不動産投資よりも少ないでしょう。
その一方で太陽光パネルの清掃や敷地内の維持管理が必要になりますが、太陽光発電所の管理についてはすでにスキームが確立しており、発電量の監視を含めて管理を委託できるO&Mサービスがあります。不動産投資でいうところの管理会社のような存在で、不動産管理よりも低コストです。

おすすめ② 系統用蓄電池投資

上記の太陽光発電からさらに発展した投資モデルとして注目を集めているのが、系統用蓄電池投資です。太陽光発電は日中の太陽光が十分にある時しか発電をせず、夜間や悪天候の日には使えないデメリットがあります。その一方で十分な太陽光がある時間帯は有り余るほどの発電量になるため、これを均一化する技術が求められていました。
家庭内で太陽光発電の自家消費をするために蓄電池の普及が進んでいますが、それを大型化したものが系統用蓄電池です。系統用と名付けられているのは、系統つまり電力網に接続して使用するからです。
電気代が安くなる深夜帯に充電をして昼間に放電をすることで電気代の価格差を利益にしたり、太陽光発電と組み合わせることによって供給の安定化を図ったりといったように、利用方法もさまざまです。
投資家からの人気が高く「投資したくても参入できない」という声も聞かれる系統用蓄電池ですが、参入することができれば不動産投資よりも安定的かつ高い収益性が期待できます。

おすすめ③ J-REIT投資

3つ目に紹介するのは、不動産の投資信託、J-REITです。REITとは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金を不動産で運用する銘柄のことです。その中でもJ-REITは東京証券取引所に上場しているREITで、厳しい上場基準をクリアしていることから運用の安定性や透明性が魅力です。
住居型やオフィスビル型、ヘルスケア型といったように、投資する不動産のジャンルによってさまざまな種類があります。また、複数のジャンルにまたがって運用する複合型や総合型もあります。
自分で不動産を所有・運用する必要がなく、買って保有するだけで不動産収入を得ることができるため、間接的な不動産投資として人気があります。安い銘柄であれば数万円からでも買えるため、個人投資家も手軽に参入できます。

まとめ

不動産投資、その中でもワンルームマンションへの投資がオワコン化していることについて、その最新事情と理由を解説しました。ブームになっている当時から闇を感じる世界だったこともあって、批判的な内容も多く含まれていたと思います。
いつの時代であっても、本当に儲かるビジネスをわざわざ他人に教えることはありません。「儲かりますよ」と持ち掛けてくるものには必ず何かあると認識した上で、自分の頭で考えて判断するようにしましょう。
話を持ち掛けてきた人の話を鵜呑みにするのは最も危険なので、ワンルーム投資に限らず今後も出てくる眉唾な投資話にはくれぐれもご注意ください。