イラン情勢が緊迫!株価が高騰と急落を繰り返す不安定なマーケットでの生き残り方
イスラエルとアメリカがイランへの攻撃を開始して以降、金融市場が荒れています。
一時は先物が6万円台をつけた日経平均株価は52,000円台にまで暴落し、その後も急騰と暴落を繰り返しています。
これから投資をしようと思っている人にとっては危なっかしいイメージしかないでしょうし、投資を始めたばかりの初心者にとっては不安の連続だと思います。
しかし、こんな相場は過去に何度もありました。そして、これからもあります。
こんな不安定な展開の時に大事なのは、「お金を大きく増やす」よりも「生き残る」ことです。
では、生き残るにはどうすればいいのか?今回は、不安定な相場で生き残る方法を、投資歴20年以上のベテランからアドバイスしたいと思います。
この記事の目次
まず考えることは防御

相場が荒れている時にまずすることは、防御です。保有している資産をいかに守るかを最優先に考えます。
こんな時に最もやってはいけないのは、レバレッジの高い集中投資です。具体的には、以下のような投資をしている人は、この局面が落ち着くまでポジションを整理することを強くおすすめします。
- 特定銘柄の信用取引に全振り
- FXで証拠金維持率が200%を下回るポジション保有
- 「安い」という理由だけでの衝動買い(売りも同様)
- 含み損が拡大しているポジションの買い増し(もしくは売り増し)
- チャンスとばかりに新しい投資に進出(原油、金、暗号資産など)
これらの行動はいずれも相場がさらに逆行した時に大変なことになります。
最悪の場合は含み損の拡大に耐えられず、一発退場もあり得ます。筆者はリーマンショックで一発退場を経験していますが、その時は上記のうち2つ目と4つ目をやってしまいました。
現在保有しているポジションで含み損が出ている場合、そのポジションを守る必要があります。防御のためにできることは・・・
- 信用取引やレバレッジ取引の場合は資金を補給して口座を守る
- 信用取引やレバレッジ取引の場合は一部損切りをして口座を守る
- 現物の保有であれば我慢して持ち続ける
- インデックス投資信託などは涼しい顔で持ち続ける(積立をしている場合はそのまま粛々と積立継続)
これらはいずれも不安定な相場を利用して大儲けを狙うものではありませんが、それでいいんです。
荒れている相場で大儲けができるのは、仮に全額を失っても気にならない人だけです。現在の保有資金を失いたくない人は、そんな人と同じような行動を取ってはいけません。
とにかく、守ること。何よりもこれを意識してください。
次に考えるのはチャンスの模索

守りを固めたら、次にようやく考えられるのが新たなチャンスの模索です。具体的な戦略は次項で紹介しますが、ここでいう「チャンスの模索」というのは、攻めではありません。あくまでも守りの延長であって、これまで株しかやっていない人が突然「円安がすごいからFXをやってみよう」とか「ビットコインが暴落したから買ってみようかな」というものではありません。
これまで自分がやってきた投資の範囲内でチャンスを探すのが基本です。
例えば、株をやっている人であれば全体的な暴落が進む中で「普段は高くて買えない銘柄」を物色するといった具合です。株をやっている人が突然FXを始めたり暗号資産を買ったりといった行動はくれぐれもご注意ください。かなり高い確率で、返り討ちに遭います。
それでは、どんなチャンスを模索できるのでしょうか。次項では、5つの戦略を提案したいと思います。
荒れ相場で考えたい戦略5選
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2026年2月から始まった荒れ相場では、とにかく守ること、そして次にちょっとだけチャンスを模索する。
これが正しい向き合い方であると述べました。
ここでは、模索できるチャンスと、それぞれのおすすめ戦略をまとめました。5つあるので、お好みのものを選んで検討してみてください。
株式インデックス投資の積み立て
筆者は現在、つみたてNISAの投資枠でインデックス投資信託の積み立てをしています。「毎日千円買うだけおじさん」と銘打って、日経平均株価とS&P500、ナスダック100指数のそれぞれと連動する投資信託を毎日1,000円ずつ買う自動積立を設定しています。
この投資を始めたのは、2024年8月です。そうです、今も語り継がれている日本株の大暴落が起きた時です。こんなに下げたのであれば、ここから積立を始めるチャンスなのでは?と思ったわけです。結果はその思惑通り株価は順調に上昇し、2026年3月に暴落をしても、私が投資を始めたレベルにまで落ちることはなく、安定的に含み益が出ています。
現在すでに株式のインデックス投資をしている人は、このまま粛々と続けるのが良いでしょう。ほとんどの人は毎月1回の積み立てをしていると思いますが、これだけ毎日のように乱高下している時は1日だけ暴落した下値を拾う意味でも、毎日積立ができることが理想です。
1日千円ずつ買ったとしても、銘柄が1つであれば月額2万円少々です。私はこれを3銘柄でやっているので6万円以上必要ですが、何もこれと同じにする必要はありません。SBI証券は自動積立で「毎日」を設定できるので、これと同じことをしたい人はSBI証券がおすすめです。
まだインデックス投資をしていない人は、これから始めるチャンスを伺うのも良いでしょう。他の投資に進出することは禁じ手だと述べてきましたが、インデックス投資に関しては安定性・安全性ともに高いので、暴落時に始めるのはオイシイかもしれません。今から始めるのであれば乱高下の幅が大きい日本株のインデックスをおすすめしたいですね。日経平均株価もしくはTOPIXと連動する投資信託がいいんじゃないでしょうか。
もちろんNISA口座を使って買うのもお忘れなく。税金分も自分のものになるのでオトクです。
個別株の安値拾い
個別株投資をしている人にとって、株価の乱高下局面では以下のチャンスが考えられます。
- すでに保有している含み益銘柄の安値買い増し
- 保有中で含み損が出ている銘柄のナンピン買い
- これまで買いたくても高くて買えなかった銘柄の安値拾い
乱高下の局面では暴落がありますが、イラン情勢のように特定の銘柄に由来しない「全面株安」のような局面では本来実力があるのに株価が暴落してしまう銘柄があります。こうした銘柄を安く買うチャンスではることは間違いないので、資金に余裕があるのであれば上記のように買い増しやナンピン、安値拾いが有効です。
コモディティ投資
コモディティとは、資源や金属、食料といった商品のことです。一般的に個人投資家が売買しているコモディティには、以下のようなものがあります。
- 金(ゴールド)
- 銀(シルバー)
- 原油
- 天然ガス
- 鉄鉱石
- 小麦
- コーン
- 大豆
- コーヒー
これらの他にも多数ありますが、いずれも私たちの生活に深く関わっているものが大半です。
イラン情勢の緊迫といった地政学リスクが高まると、これら商品の価格は上昇するのがセオリーです。事実、原油先物価格の指標となるWTIが100ドルを超えるようなことがあるなど、コモディティの世界において「戦争は買い」です。ウクライナは小麦の世界的な産出国だけに、ウクライナ戦争が勃発した際には小麦の価格が高騰したこともありました。
それでは、これらのコモディティに投資するにはどうすればいいのでしょうか。それぞれの価格と連動する投資信託を購入する方法もありますが、もっとリアルタイム価格で小刻みにトレードしたいという場合は、CFDがおすすめです。
証券会社によってはCFDを積極的に取り扱っていて、CFDの多くは平日の24時間いつでも取引が可能なので、「イラン情勢に関連して危機が遠のく発言があったので昼に買った原油CFDを、夜になって再び上昇してきたので売った」というトレードもできるようになります。
商品CFDはGMOクリック証券など会社として積極的に取り扱っている場合もありますが、取引所CFDといって「くりっく株365」を取り使っている証券会社で取引することもできます。
FXでの戦略
イラン情勢の緊迫など地政学リスクが高まると、FXの世界では3つの動きが起きやすいとされています。
- 有事のドル買い
- 有事の円買い
- 有事のスイスフラン買い
基本的に戦争の当事国や戦争が起きている場所から遠い国の通貨が買われやすいとされています。それに当てはめるとイラン情勢の当事国であるアメリカのドルは売られやすいと思われがちですが、2026年のケースではドル買いが進みました。それと同時に円買いも進み、スイスフランは意外にもあまり買われない展開でした。
当記事の執筆時点ではまだイランでの戦争がどう終わるのかが見通せないため今後どうなるかは分かりませんが、ひとまず上記の3つのうち1つないし2つは現実になったといえます。
また、それと同時に起きたのが産油国通貨の上昇です。カナダドルやノルウェークローネが大きく上昇したのは印象的ですが、イラン情勢に緩和の兆しが見られると再び売られる、といった動きを繰り返しています。先ほど戦争当事国なのに米ドルが上昇したと述べましたが、アメリカは産油国でもあるため、産油国通貨が買われるという動きも手伝ったのかもしれません。
これらの動きを総合すると・・・今後も起きるであろう中東での戦争ではドル買いが起きやすく、状況によっては円買いやスイスフラン買いが起きやすくなると考えておくべきでしょう。それに合わせて、ホルムズ海峡封鎖のように原油供給に不安が生じると産油国通貨に買いが集まる傾向も知っておくべきだと思います。
暗号資産への分散投資
イラン情勢が緊迫した際、暗号資産の価格は一旦下落しました。暗号資産は全体がリスク資産であるため、ひとまず安全資産への回帰が起きたと考えられます。ビットコインやイーサリアムといった主要銘柄であればまだしも、草コインレベルの暗号資産からは資金が相当流出した模様です。
しかし筆者は、こうした下落はチャンスであると考えています。草コインは下がったまま戻ってこない可能性も多々ありますが、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップルといった主要な暗号資産であれば、暴落時に買ってみると面白いかもしれません。
ただし、筆者は暗号資産を投資のメインストリームに据えることに懐疑的です。「通貨」といいながらいまだに買物の決済に利用されていないことや、ちょっとしたことで価格が乱高下して安定しないことを考えると、やはりエンタメレベルの代物でしかありません。
保有資産のごく一部を使って、暴落時に買って保有しておくと思わぬお小遣いになる・・・このレベルに留めておけば投資に面白みを加えられると思います。ちなみに筆者は全資産の1%を超えないことをひとつの基準にしています。
イラン情勢、今後考えられる4つのシナリオ

世界の金融市場を振り回し続けているイラン情勢、今後はどんなシナリオが考えられるのでしょうか。
筆者が想定したシナリオ別に、金融市場で起きることを予測してみました。
シナリオ① イランが無条件降伏
アメリカ(というかイスラエル)が最も望んでいる展開です。最近では中東の湾岸諸国も同じことを願っているように見えます。
連日のように革命防衛隊の幹部が殺害されていることを考えると、国内で大規模デモが起きてそのまま政権崩壊、無条件降伏というシナリオはあるかもしれません。
この場合、ホルムズ海峡の自由航行が再開されるため、原油価格は暴落、株価は大幅上昇が考えられます。
為替市場では戦勝国となるアメリカのドルが買われ、リスクオン再開で円安モード再開が想定されます。逆に産油国の通貨が買われ過ぎているのであれば、暴落警戒です。
シナリオ② トランプ大統領が「見なし勝利宣言」
アメリカとイスラエルの思うようにならず、イランの政権がボロボロになりながらも存続。しかし負けて撤退するわけにはいかず、適当な理由をつけて「勝利宣言」をして終結というパターンもあります。トランプ大統領の性格を考えると、これが最も可能性が高い気がします。
この場合、ひとまず危機は終了となるため、やはりイランの降伏と同じように原油価格の暴落と株高となるでしょう。ただし、革命防衛隊の残党や補完勢力によるテロのリスクが高まるため、シナリオ①ほどの楽観ムードにはならないと思います。
為替市場ではひとまず産油国通貨が下落し、リスクオンによる円安モード再開でしょうか。
シナリオ③ イラン徹底抗戦による泥沼化
かつてアメリカがベトナムやイラクなどで経験した泥沼の展開、これも十分考えられます。この場合はアメリカの中間選挙で共和党が惨敗、トランプ大統領の求心力も急速に低下することになります。いわゆるトランプ相場は終わり、彼が何を言っても相場があまり反応しなくなる展開が考えられます。
そうなると原油安、金(ゴールド)の復権、株高、円安でしょうか。
トランプ大統領は中国を敵視する政治スタンスなので、中国と貿易量の多い国の通貨には追い風となるでしょう。具体的にはユーロ、豪ドル、NZドルなどです。
シナリオ④ 第三次世界大戦
最も可能性は低いですが、イランに中国やロシアが加わり、アメリカ、イスラエル、中東湾岸諸国、G7諸国などが加わることで戦争が長期化すると、第三次世界大戦のリスクが高まります。イスラエルからの攻撃を受けると、イランはカタールやUAEなど湾岸諸国にミサイルで報復します。この動きにかなり苛立ちを募らせていることを考えると、サウジアラビアが先陣を切ってイランに攻撃を仕掛ける可能性があります。
もともと中東はイスラム教のスンニ派とシーア派の宗教対立が根深く、スンニ派の盟主であるサウジアラビアとシーア派の盟主であるイランは伝統的に対立しています。そんな国同士がそれほど遠くないところでにらみ合っているのですから、戦争が中東全域に拡大する可能性は意外に低くありません。
この場合、金融市場は崩壊状態になります。株の暴落はもとより、原油や金など商品価格は暴騰し、為替市場では中東依存度の低い国の通貨が買われ、戦争当事国やそれに準ずる国の通貨は売られることでしょう。永世中立国である「スイスフラン一人勝ち」という事態も考えられます。
まとめ
戦争が忌むべきものであることは、世界の誰もが思うことです。しかし、実際に戦争は起きてしまっていますし、今後も戦争は繰り返されることでしょう。
今回は2026年2月から始まったイランでの戦争をテーマに金融市場への影響や取るべき戦略について解説しました。投資家にとっては資産を守るべきフェイズであり、次のチャンスを狙うフェイズです。
変に欲張って大やけどをしてしまわないよう、今回の解説を参考にしてください。

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