クルマ買取業者のカラクリを知ると利用してはいけないことが分かる
「クルマ高く買い取ります」という広告を目にしたことはないでしょうか。
一度でもクルマの売却に関する情報を検索すると、特にこの手の広告が頻繁に表示されるようになります。しかも、どんどん広告の見せ方が巧妙になってきており、これまで関心がなかった人も問い合わせをしてみようかな、と思ってしまうこともあります。
しかし、カチケンは断言します。
クルマ買取業者で売却すると、ほぼ確実に損をします。
なぜそう断言するのか、そこには中古車流通の仕組みや買取業者のカラクリがあります。それを紐解いて、オトクに生きる方法を伝授しましょう。
この記事の目次
クルマ買取業者が利益を出せる仕組み
クルマ買取業者の数はとても多く、その数は数千社。こんなにたくさんの買取業者が存在しているのは、それだけ儲けがあるからです。
クルマ買取業者の宣伝文句でよくあるのが、「その場で現金」です。今すぐ現金にしたい人にとっては、刺さる文言です。事実、クルマ買取業者のほとんどは査定をしてその場で売却が決まったら現金手渡しです。業者によっては振込みというパターンもありますが、それでも数日以内です。
それでは、クルマを買い取った業者はそのクルマをどうするのでしょうか。その答えは、中古車オークションにあります。中古車オークションとは、古物商許可証をもった中古車店で、これらの中古車店は「ポス」と呼ばれる参加権を持っていて、それをもとに中古車オークションでクルマの売買をしています。
クルマ買取業者の多くはこのポスを保有しているため、顧客から買い取ったクルマをオークションに出品して売却します。中には大手など販売網を有している買取業者もあるので、そういった業者は自社で中古車として販売しています。仮に店頭で売れなかったとしてもオークションに出品すればいくらかでは売れるため、とりっぱぐれることはありません。

このように中古車は流通ルートが確立しているので、クルマ買取業者が損をする可能性は低く、このように乱立しているのです。
中古車の流通システムを理解しよう
先ほど解説した中古車の流通システムを理解すると、クルマ買取業者がどうするのが最も儲かるのかが見えてきます。
中古車オークションがあるおかげで、中古車はある程度価格相場が確立しています。不動産のようにある程度の相場があることから、それを逸脱した価格で売買されることはありません。
このシステムで買い取った中古車を現金化するのであれば、買取業者は少しでも安く買い取ったほうが利益は大きくなります。しかも、ここからが最も重要なのですが、相場通りの価格で買い取ってしまうと、オークションで思いのほか入札が入らず、買取価格よりも低い価格で落札されてしまう可能性があります。
筆者も現場に行ったことがありますが、中古車オークションは次々とクルマが出てくるため、1台のクルマあたりのオークションはわずか数分です。その数分間で最も高い価格をつけた入社札者が落札する仕組みになっています。
中古車を仕入れに来ている業者にとっては大切な仕入れの場ですが、狙っている出品車両の前にもっと良い出品車両があって落札、それで用を済ませてしまったような場合、入札者が減ることになります。
また、これは業界の慣習といいますか、個人レベルの中古車店はノリで商売をしている人も多く、狙っている車両があったものの「その日は寝坊した」「たまたまトイレに行っていた」など、極めて人間くさい理由で入札できなかった、ということがあります。理由はどうあれ、これも入札者を減らす理由になるため、中古車オークションは水物の側面が強いのです。
だからこそ、買取業者は実際に売れそうな価格よりもかなり低い価格で買い取っておかないとリスクヘッジにならないわけです。
クルマ買取業者を利用してはいけない5つの理由
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先ほどの解説で、すでにクルマ買取業者を利用すると損になることがお分かりいただけたと思いますが、それ以外にもクルマ買取業者にはデメリットがあるので、ここでは5つの項目で解説します。
理由その1 実勢価格より安くなってしまって損
先ほどの解説の通り、クルマ買取業者はオークションで売却できる相場価格よりもかなり低い価格で買い取らなければ利益になりません。ほとんどの業者は無料査定といって顧客のところまで訪問をして査定をするサービスを行っています。この人件費や交通費を考えると、ますます経費は積み重なります。無料査定とは言っていますが、実際には買取価格からその経費が差し引かれていると考えたほうがいいでしょう。
理由その2 誇大広告が多すぎる
クルマ買取業者は差別化が難しく、結局は広告が上手なところに顧客が集まります。そのため広告にお金をかける業者が多くなるわけですが、有名タレントを起用したり頻繁にネット広告を流しているお金の出どころは、買い取りを利用した顧客です。広告に熱心な業者ほど買取価格は安くなってしまうと考えておくべきです。
最近では「インフレの影響」「アフリカで品薄」など、もっともらしい理由を交えつつ「日本車が高く売れています」という広告が多くなりました。もちろん事実ではあると思いますが、「10万キロ走ったワゴンRが80万円で売れました」なんて広告は明らかに誇大広告です。ほとんどないレアケースを、さも日常のように見えているわけなので、何らかのペナルティがあるのではないかと思うレベルです。
実は筆者は、かつて中古車ビジネスでアフリカへの輸出を手がけたことがあります。今から10年以上前なので、今よく出てきている広告よりも10年先駆けていたといえるでしょう。その時すでに日本の中古車をアフリカに輸出するスキームが確立していて、アフリカ輸出ようにオークションで落札している業者もいました(筆者もそうでした)。
そのスキームが確立して10年以上経っているので、今になって突然アフリカの需要が高まってきたからといってクルマが高く売れることはありません。
「車検が切れて動かせない状態のクルマが〇〇円」という文言もよくありますが、車検が切れても故障していなければクルマは簡単な手続きで動かすことができます。その手間を惜しまなければ、車検が切れていない状態とそれほどそん色なく売れるはずなのですが、この「動かせない状態」という言葉のマジックで高額買取を期待してしまうのです。
理由その3 一括見積も意味がない
クルマ買取業者は無数にあるので、それらの業者に相見積もりを取れるサービスがあります。必要事項を1回入力すれば複数の買取業者に査定依頼が届いて、それぞれの業者から結果を得ることができます。
高い価格を付けた上位3社のみ表示される仕組みになっている云々という一括見積サイトもありますが、買い取ったクルマの流通システムを知っていると、たとえ最も高い価格で買い取ると言っている買取業者であっても所詮は経費とリスクヘッジを算入した結果の価格でしかありません。
後述しますが、ここで生き残るために高い価格を提示して、いざ買取の段階になったら難癖をつけて減額する業者も多く、こうなったら一括見積の意味すらなくなってしまいます。
理由その4 しつこい勧誘のリスク
クルマ買取業者のことをネットで検索すると、しつこい勧誘を懸念する声や、そのための対策を伝授する記事などがたくさん出てきます。差別化が難しい業種だけに広告や営業力に頼らざるを得ないのは仕方ないことで、電話番号を入力するとそこにあちこちの業者から電話が掛かってくるとの声が聞かれます。
「うちなら〇〇円上乗せが可能です」という営業トークが定番になっていますが、中古車の流通システムを考えると相場の上限は決まっているので、それを上回るような金額を提示してきたとしてもそこには何か裏があると思ってください。
筆者は自分のクルマを中古車オークションで買い、売却しています。それが最も合理的なのは言うまでもありませんが、その上でクルマ買取業者に見積もり依頼をしたことがあります。相場を知りたいだけだったので訪問査定は申し訳ないと思って断ったのですが、「任せてください」「信じてください」の一点張りで押しに負け、担当の査定マンがやってきました。
筆者が中古車オークションのことを熟知していることを伝え、最終的にはそこで売買するつもりだと伝えても、「うちは〇〇オークションを牛耳っているので価格を釣り上げることもできます」と言っていました。そんなことは不可能ですし、これが本当なら犯罪です(笑)。ここまでしないとクルマ買取業者の営業は務まらないのかと思ったものです。
理由その5 悪質業者の存在
どの業界にも悪質業者は存在しますが、クルマ買取業者にも悪質業者は少なからず存在します。しかも個人レベルで簡単に参入できることもあって、悪質なだけでなく未熟さゆえに結果として顧客に不利益を与えてしまっている業者もあるように思います。
悪質業者の手口として最も多いのが、高額査定で商談に持ち込んでからの減額です。実車を確認したら予想外の傷があった、経年劣化が普通よりもひどい、「やれ」がある、などなど。中古車なんて経年劣化はしていますし、使っていれば「やれ」は出てきます。そのため、難癖をつけるところはどこにでもあります。これを商談の段階になってから、買い取りの段階になってから言い出すのはアンフェアです。
この段階でキャンセルを申し出ると違約金を請求してきたり、「もうこの段階からはキャンセルできません」と言ってくる業者もあります。
中古車業界は「ヤンチャ」な人が運営していることも多くあります。そのため、商談がこじれたら言葉が荒くなったり、威圧的な態度で売却を迫るといった論外な事例もチラホラ。先ほど紹介した業者のように嘘を言って契約を取ろうとすることも含めて、悪質業者のやり口は杜撰です。
もうひとつ、商談のやり取りは普通で予定通り売却したものの、名義変更を怠っていたせいで売り主のところに税金の請求が届いてしまうことがあります。買い取りをしたら名義変更を当然のことなのですが、それをおそろかにする業者がいることも付け加えておきます。
番外編 下取りもできれば避けるべき
これは番外編ですが、ディーラーや中古車店による下取りも実質的には買い取りと変わらないので、あまりおすすめはできません。筆者は懇意にしている中古車店があるのでそこを通じて中古車オークションで買い、手放す時はオークションで売却していますので、ぼったくられる余地はないのですが、下取りの場合はいつ、いくらで売れるか分からないクルマを高値で下取りしてくれる可能性は低いと考えましょう。
ディーラーなど自社で販売するネットワークを持っている場合であっても、店頭に並べている中古車は時間が経つごとに価値が低くなっていきます。すぐに売れるかどうか分からないものに相場通りの買取価格を提示していたら赤字なので、悪意がなくても下取り価格は低くなってしまうとお考え下さい。
じゃあ、どうする?正しいクルマの売り方
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ここまでクルマ買取業者の「悪口」をさんざん並べてきたわけですが、「じゃあ、どうするのが正解なのか」となりますよね。
それでは、筆者自身がとっている行動も含めて、正しいクルマの売り方をお伝えしたいと思います。
解決策その1 オークション代行を推奨(ただし業者選びは重要)
中古車業界には厳然とした流通システムがあるのですから、そのシステムを使って売買するのが最も確実です。中古車店の中にはオークション代行といって、一定の手数料を支払ってオークションからクルマを買ったり、オークションでクルマを売る手伝いをしてくれる業者があります。
すべて実際の取引価格ベースでやり取りされるため、クルマ売る場合であっても実際に売れた価格から手数料を差し引いた金額が手元に残ります。オークションでいくらで売れたのかを開示してくれる業者であれば、全てがガラス張りになるので明瞭です。
中古車オークションには主に、以下のような運営主体や会場があります。これらのオークション会場に出入りができるポスを保有している代行業者であれば、間違いはないと思います。
- USS(業界最大手。日本全国に会場があります)
- オークネット(会場を持たずネット上で取引する最大手)
- ベイオーク(大阪南港にある西日本の代表的なオークション会場)
- JU(全国各地にある小規模会場。若干程度の悪い車両が多い)
解決策その2 自分で売却する
知人などでクルマが欲しい人がいれば、個人間で売買するのも良いでしょう。トラブル回避のための対策は必要になりますが、中間マージンがないため双方が同意すれば好きな価格で売ることができます。
他人に売る場合であれば、フリマアプリやネットオークションで売るのもひとつの方法です。クルマを売る場合は特別なスキームを用意していることが多く、高額になったとしても比較的安心して取引ができます。
筆者は一度乗り始めたクルマを長期間乗ることが多いため、手放す時はボロボロです。実勢価格が10万円を下回るようなクルマは、「ヤフオク」で売却しています。運営側に一定の手数料を取られますが、買取業者と比べてもはるかに高額ですし、名義変更を完了するまで数万円を預かり、変更が完了したら返金するといったスキームを取引を行うとスムーズです。筆者これまで何度もヤフオクで中古車を売却しましたが、トラブルになったことはありません。
解決策その3 価値の低いクルマは廃車買取
先ほど価値が10万円未満のクルマはヤフオクで売却していると述べましたが、それよりもさらに価値が低くなってしまったクルマもあります。故障していたり、走行距離がとんでもないことになっていたり。これらのクルマはネットオークションでもなかなか買い手がつきませんし、仮についたとしても2~3万円のレベルです。
このレベルになったクルマは、廃車にすることをおすすめします。廃車にするとクルマはさまざまな部品や鉄素材を活用することができるため、廃車にするだけでオンボロのクルマであっても数万円の現金になります。
筆者が廃車にした経験では、特にアルミホイールが装着されているクルマはそれが高く売れるため、廃車の価値が高くなります。
もう2~3万円でしか売れないと思ったら、廃車業者での買取を検討してみてください。ネット上にたくさんあるので、最寄りの業者はすぐに見つかると思います。
まとめ
クルマ買取業者の闇といいますか、どう考えても顧客が損になる仕組みについて解説しました。これは特定の業者を悪く言っているのではなく、業界全体の構造なので、クルマを売る際に損をしないために必要な知識としてまとめました。
どんなものにも原価があり、そこに利益を乗せた小売価格があります。クルマ買取の世界もそれと同じだということです。
カチケンでは少しでもオトクに生きてお金を残すことを目指しています。中古車に乗る人は、ぜひ参考にしてください。

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