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相次ぐ豪雨被害で「残クレが詰んだ」といわれる理由と残クレの問題点

    

2026年の夏は、全国各地で台風や線状降水帯による豪雨被害が相次ぎました。
まるでロシアンルーレットのように各地で被害が発生し、人的・物的な被害は甚大です。
そんな豪雨災害に際して、SNSなどで「残クレが詰んだ」という投稿が話題を集めました。
残クレとは残価設定型クレジットでクルマを買うスキームのことですが、主にアルファードなどの高級車を購入する際に利用されることで知られてます。
なぜ、豪雨災害が起きると「残クレが詰む」のでしょうか。
今回は「残クレが詰んだ」といわれる理由や背景、そして残クレによるクルマ購入のリスクや問題点を解説したいと思います。

残クレとは?

最初に、「残クレ」という言葉の意味をおさらいしておきましょう。残クレとは残価設定型クレジットのことで、主にクルマを購入する際のスキームとして用いられています。
残クレの「残」という部分がミソで、購入したクルマの全部が自分のものになっているわけではないところが特徴です。
例えば、500万円のクルマを購入する際に、3年後に残るそのクルマの価値を200万円と見積もったとします。すると差額は300万円となり、この300万円分のローンを組んで購入します。すると500万円のローンよりも毎月の返済額が少なくなるため、手が届きにくい高級車を購入しやすくなるなどのメリットがあります。

契約終了後はどうなる?

先ほどの例では、3年後にクルマの価値は200万円になります。この時点で契約終了となり、残クレでクルマを購入した人には以下の選択肢があります。

①クルマを返却して契約終了
②残価(200万円)を支払ってクルマを買い取る
③残価(200万円)のローンを再び組む

3年後に200万円の価値があるクルマである前提で交わされる契約なので、3年後の契約満了時にはそのクルマをどうするのか?によって選択肢が分かれます。
どの選択肢を取るにしても、重要なことがあります。
それは、契約終了時に「契約開始時に想定していた価値が残っている」ことが前提になっている点です。このことは「残クレが詰んだ」といわれる理由と深く関わっているので、押さえておいてください。

残クレのリスク、問題点

カチケンは、残クレによるクルマの購入については否定的なスタンスです。一時的には高級車に乗れるメリットはありますが、メリットはそれだけです。最終的には負担が大きくなる可能性が高いため、勝ち組になるどころか負担増でクルマ貧乏になってしまう恐れがあります。
それも含めて、ここでは残クレの問題点を指摘していきましょう。

クルマを安く買えるわけではない

残クレを利用すると月々の負担を抑えつつ新車に乗れるため、「安くクルマを買える」と勘違いしがちです。しかし、クルマ代金の全額をローンにしたわけではなく、残価設定をして差額を返済しているだけです。
これを言い換えると、車両価格の一部を最後まで支払わず残しているだけです。負担を先送りにしているだけなので、契約満了時に負担が発生するケースがあります。
広告表記によっては「安く買える」というニュアンスも感じられますが、事実ではないので個人的には誇大広告、虚偽広告ではないかと思ってしまいます。

「月々たった〇万円」は地雷?

これも広告の表現の問題なのですが、残クレを推す広告の中には「月々たった〇万円」といったニュアンスになっているものが多く見られます。これこそ残クレのメリットなので前面に打出したい気持ちは分かるのですが、先ほど述べたように車両価格の一部にしかローンを組んでいないので、「たった〇万円」になるのは当然です。
しかし、そのローンを支払い終えても負担が残るので、決して安いローン負担で買っているわけではありません。
高級車に乗って見栄を張りたい人ほどこの広告表記に乗っかりやすいので、注意してください。

実は金利が高い

残クレでローンを組む場合、自分が使用する分に対するローンと思っている人は多いのですが、実はそうでない場合があります。
先ほどの500万円のクルマを購入する例では、残価200万円との差額で300万円分のローンを組むため、金利も300万円分に対してかかると考えがちです。
しかし、契約内容によっては車両価格全部に対して金利がかかることがあるため、単純に300万円分のローンを組むのと比べると金利が高くなります。
「契約内容によっては」と書きましたが、残クレを推奨している業者にとってはそのほうが利益が大きくなるため、ほとんどのケースで金利が高くなると考えておいたほうが良いでしょう。
ローンを比較する際には月々の返済額だけでなく、支払総額を見ることが重要です。支払総額で比較すると残クレのほうが金額が大きくなるケースが大半です。

自分のクルマとして使えない

個人的に、筆者が残クレに対して最も問題だと思うのがこれです。残クレという形であれ、クルマを購入しているのに、自分のものとして使えない不自由さがあります。
契約時の走行距離を超えたら別途負担が発生しますし、傷やへこみ、内装の汚れなどについてもすべて追加負担の対象です。
改造やカスタムはもってのほか、該当する場合は買い取りしか選択肢がない場合もあります。その他、喫煙をしてタバコの臭いがついてしまった場合や、ペットを乗せて臭いなどがついた場合も、すべて追加負担の対象です。
つまり、契約終了時に年数が経っているだけで、それ以外の汚れやヤレ、走行距離のオーバーなどはすべて負担していただきますよ、という鬼のような契約なのです。
自分が買ったクルマに、ここまで制約を加えられると、もはやレンタカーと変わりませんよね。自分のクルマなのに自分のものとして使えない、これは筆者が残クレについて最も問題だと思う部分です。

クルマの価値が将来予測と異なる場合も追加負担

かなり残クレに対して否定的な主張を展開していますが、さらにいきましょう。これも「後出しジャンケン」のように感じる、利用者にとってかなり不利な取り決めです。
残クレでは、契約終了時の価値をあらかじめ設定します。先ほどの例では500万円のクルマに3年後は200万円の価値があることを想定したわけです。しかし、未来のことは分かりません。
3年後に200万円の価値があると思っていたクルマですが、実際に3年後になったら200万円の価値がなく、150万円が相場だった・・・となった場合はどうなるのでしょうか。
契約時に残価保証がついているのであれば、契約時の残価で処理されます。クルマを返却して契約終了とする場合、追加の負担はありません。問題は、そうではない契約になっている場合です。
もう想像がつくと思いますが、残価保証がない契約でクルマの中古車相場が下がってしまったら、その差額はなんと利用者の負担になるのです。きれいに乗って契約に抵触するようなことが何もなかったとしても、中古車価格が下がっていたら追加で50万円を請求される・・・こんなこと、許容できますか?しかしそれが実際に起こりうるのが、残クレの世界です。
残価保証は安心感がありますが、そのためにはオプション的な料金が発生します。残クレでクルマを買う人の多く少しでもコストを抑えたいと考える人たちです。そのため、中古車市場の影響をもろに受けてしまいます。
2026年8月から9月にかけて、このリスクが顕在化しています。残クレで買う人が多いトヨタのアルファードが中古車市場で値崩れを起こして、その差額を負担している人が急増しています。しかも、中古車市場でアルファードの価格が下落した理由には、「残クレで購入した人の返却が殺到した」ことが含まれています。嗚呼、少しでも負担を抑えてアルファードに乗りたいと思っていた人が増えたせいで、自らの首を絞めることになってしまいました。
こうした「犠牲者」が急増しているのは残クレを利用した人たちの責任ではあります。しかし、それだけで片付けられない気持ちでいる人は多いでしょう。

豪雨被害で「残クレが詰んだ」といわれる理由

さて、ここからが当記事の本題です。
2026年夏に頻発した全国各地の水害で、クルマの水没が相次ぎました。
X(旧ツイッター)では、残クレで購入したクルマが水没してしまい、動かせなくなった人の阿鼻叫喚が続出。すべてが事実ではないとは思いますが、相当数の残クレ購入車が水没の被害に遭ったようです。
残クレで購入したクルマは、完全に自分のものではないと述べました。半ば借り物のようなクルマが水没してしまったら、どうなるのでしょうか。
一般的に、水没車はエンジンがかからないこともあるため、全損扱いになります。3年後に200万円の価値が残っていると思っていたクルマが、1回の豪雨で無価値になってしまうわけです。
契約終了までに返済するローンがなくなるわけではない一方で、契約終了時に返却できるクルマがない状況になります。つまり、二重苦です。
もちろん、残クレでクルマを購入する際には車両保険に入るケースがほとんどです。保険で全額をカバーできるのであればローン負担はなくなりますが、契約終了時の残価まで補償されるかどうかは、契約内容によります。
SNSで話題になった投稿は、アルファードが水没したことによって動かせなくなったそうです。すでに自走できない状態になり、クルマは全損。車両保険だけでカバーできないとのことで、ローンの返済負担と契約終了時の負担だけを残して、念願のアルファードは水の中に没したのでした。

それでも残クレでクルマを買ってしまう理由

水害を契機に注目が集まったこともあって残クレでクルマを購入することに対して否定的な意見が多く上がっています。それでも残クレでアルファードのようなクルマを買う人が多くいるのは、なぜなのでしょうか。
その理由や背景を考察してみました。

SNS映え、マウント

おそらく最も多いのは、高級車に乗りたいと思っているものの先立つものがない、残クレなら月々の支払いが少なくて済むということで選択するパターン。SNSに投稿して「映え」を狙うのもあるでしょうし、ネット上、リアル世界などさまざまなところでマウントを取りたいという願望もあると思います。
確かに新車のアルファードは高いクルマですし、残クレで購入したとしてもそれがどこかに書かれているわけではありません。少なくとも見た目は普通に購入したのと変わらないため、残クレを選びやすい状況にあります。

本当に安く買えると思い込んでいる

これについては、きわめて問題だと思うのですが、広告の宣伝文句を鵜呑みにしてしまって、本当に安く買えると思い込んで残クレを利用しているケースもあります。
「月々〇万円だけでOK」などと書かれている一方で、小さな文字で残クレの説明が書かれているケースは多く、大きな文字だけを見た人が半ば騙されてしまうのは、売り方にも問題があると思います。

残クレのほうが納車が早いことがある

3つ目は、少々構造的な問題です。残クレで販売すると売り方は儲かるため、販売側には残クレを推奨するバイアスがかかっています。それが高じて、残クレのほうが納車時期が早く、待ちたくない人が残クレを選択するという事態が起きています。
アルファードの場合、新車は1年待ちといったケースも少なくありません。その一方で残クレなら数か月で納車されるケースもあるらしく、ここまでくると露骨ですよね。
納車まで待てないといのであれば、中古車市場に出回っている新古車や、残クレ勢が手放したことによって市場に出ている年式の浅い中古車を狙ってみてはどうでしょうか。

お金は無いがクルマを買いたい方へ

残クレは、クルマを購入する資金がないのに高級車が欲しいという人に刺さる仕組みです。事実、多くの人が残クレで高級車を購入しています。
しかし世の中には、高級車とは言わないまでもクルマが欲しい、必要だと思っているのに、資金の問題で購入できない人がたくさんいます。
そんな人たちはローンの審査も心もとないといこうことが多いのですが、そんな人たちほどクルマが必要であることも多いものです。
そこで最後に、お金がない、審査に自信がない、という人であってもクルマを購入できる自社ローンを紹介しておきたいと思います。

自社ローンとは

自社ローンとは、クルマの販売店が独自に設けている分割払いサービスのことです。
通常はクルマの販売店とローンの提供会社は別で、ローン会社の審査に通ったら購入代金はローン会社からクルマ販売店に支払われ、クルマが引き渡されます。
この場合、ローン会社の審査に通らなければ、クルマ販売店はクルマを売ってくれません。そこで、ローン会社とは全く別の基準で審査をしている自社ローンが有効になるわけです。
例えば、自社ローンを手がけている「ガレージW」では、「どうやったらクルマを買えるか」という視点から購入できる道筋を一緒に考えるという、ユニークな仕組みを採用しています。クルマ販売店だってクルマを売りたいわけですし、購入希望者は買いたいのですから、その落としどころを探しましょう、ということですね。
こうした業者は他にもあるので、今すぐお金を用意できない、しかもローン審査には自信がないという人は、「ガレージW」のような業者を探してみてはどうでしょうか。

自社ローンのメリット

自社ローンのメリットは、3つあります。どれも特定の人のニーズに合致しているので、該当する人にとってはとても魅力的なサービスです。
メリットの1つ目は、何と言っても審査に通りやすいことです。ローン会社の審査に落ちる理由として多いのが、過去の延滞や債務整理などです。過去に借金問題があるとほぼ審査には通りません。
しかし、自社ローンの場合はローン会社が照会をかける信用情報機関に照会をかけるわけではなく、自社の判断で「クルマを売っていいかどうか」を決めます。借金問題とは別の次元で審査をするため、ローン会社は絶対に無理という場合であっても審査に通る可能性があります。
2つ目のメリットは、金利がないことです。「え?自社ローンなので金利がつくんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、自社ローンには金利がありません。その代わり、金利相当分を車両価格に上乗せをして、それを分割で支払う仕組みです。ローン会社のローンだと金利がついて支払総額を計算する必要がありますが、自社ローンは最初にそれが決まるため、分かりやすいということもメリットといえるでしょう。
そして3つ目は、納車までが早く、手続きがシンプルであることです。自社ローンを提供しているのはクルマ販売店なので、販売店が「イエス」と判断すれば、その場でクルマを売ってくれます。審査に申し込んで1週間ほど待って・・・といったプロセスはないので、すぐにクルマが必要という人にとっては大きなメリットとなるでしょう。

まとめ

今回は、水没被害を契機に注目が集まっている残クレについて、基本的な知識と問題点などについて解説しました。結論を述べると、クルマを購入できるお金があるのであれば、残クレは利用しないほうが賢明です。手元に資金がないのであれば、ローン会社のローンを利用しましょう。もしくは、今の資金で買えるクルマを選ぶのが身の丈に合った生活です
また、過去に延滞などをしたことによってローンの審査に自信がないもののクルマが必要という人には、自社ローンという選択肢を提示しました。こちらは残クレではないので、安心して利用することができます。