オトクに生きて勝ち組を目指す研究所

FX自動売買の定番、グリッドトレードの基本と筆者の運用成績を公開

    

FXには数多くのトレード手法がありますが、その中でも長期的な資産運用として人気を集めているのがグリッドトレードです。
日本ではマネースクエアの「トラリピ」が有名ですが、近年は各社から同様のサービスが提供されており、初心者でも取り組みやすい自動売買として注目されています。
ただし、「放置するだけで利益が出る」「負けない投資」といったイメージだけで始めると、大きな損失を抱えてしまうこともあります。
今回は、グリッドトレードの基本的な仕組みから利益が出る理由、リスク、おすすめの戦略まで詳しく解説します。
それに加えて筆者が実際に運用している成績も公開しますので、興味がある人はぜひ最後までお付き合いください。

グリッドトレードとは

グリッドトレードとは、あらかじめ一定間隔で注文を並べておき、価格が上下するたびに売買を繰り返すトレード手法です。
「グリッド(Grid)」とは格子状という意味で、チャート上に格子を描くように注文を配置することから、この名前が付けられました。

例えば米ドル円が150円で推移している場合、

149円
148円
147円
146円

に買い注文を並べておき、それぞれ1円上に利益確定をセットにしたIFD注文を置いておきます。
149円まで下落すると買い注文が成立し、その後150円へ戻れば利益確定。
さらに148円まで下落すると新たな買い注文が成立し、149円へ戻れば再び利益確定となります。
このように、相場の上下動そのものを利益に変えるのがグリッドトレードです。

日本国内のグリッドトレード最大手「トラリピ」

マネースクエア社の「トラリピ」も、グリッドトレードの一種です。トラリピとは「Trap Repeat If Done」の略称で、注文が成立⇒利益確定⇒同じ価格へ再び注文という動作を自動的に繰り返します。IFD注文をリピートするからトラリピ、というわけです。
一般的なグリッドEAと呼ばれる自動売買プログラムもも同じ仕組みですが、トラリピはレンジと注文本数、利益幅などを簡単に設定できるよう設計されているので初心者向きです。

自動売買で利益が出る仕組み

普通のFXトレードは「安く買って高く売る」もしくは「高く売って安く買い戻す」だけです。一方のグリッドトレードでは何度も利益確定することが利益の源になります。

例えば・・・

150円
149円
148円
147円

に買い注文を置いたとします。

149円で約定し、150円で決済:利益1000円

続いて、

148円で約定、149円で決済:利益1000円

さらに

147円で約定、148円で決済:利益1000円

というように、

相場が行ったり来たりするだけで利益が積み上がります。

つまり、レンジ相場ほど利益が出やすいのがグリッドトレードです。

FXとの相性がいいと言われる理由

FX取引を行う為替市場では、約7〜8割はレンジ相場と言われています。
もちろん相場によって異なりますが、実際には一直線に上昇し続けたり、一直線に下落し続けたりする期間は意外と短く、多くは上下を繰り返しています。
グリッドトレードはその細かな値動きを何度も利益へ変えるため、レンジ相場との相性が非常に良いのです。

逆にトレンド相場は苦手

上記とは逆に、グリッドトレードが苦手なのは強いトレンドです。

例えば・・・

150円
149円
148円
147円
146円
145円

と下落が止まらない相場だと、買いポジションが増え続けます。
しかも、含み損も拡大します。
これがグリッドトレード最大の弱点です。

グリッドトレードで破産する人がいる理由

「トラリピで破産した」という話を聞いたことがあるかもしれません。ネット検索すると、「トラリピ」という言葉に続いて「破産」「ロスカット」「やめとけ」といったネガティブな言葉が続々とサジェストされます。
本当にトラリピなどのグリッドトレードはそんなに危険なんでしょうか。
これについては、グリッドトレード自体が危険なのではなく、設定が危険だったケースがほとんどです。
例えば、50万円しかないのに100本注文(10万通貨)のような設定では、相場が少し大きく動いただけで証拠金不足になります。このため、グリッドトレードでは資金管理が何より重要です。資金管理とは、証拠金維持率を健全に保ってロスカットのリスクを遠ざけるためのロット数調整のことです。

利益幅の決め方

グリッドトレードでは、1回あたりの利益幅をどう設定するのかが利益額に大きな影響をもたらします。
狭い利幅設定だと利益確定回数が多くなりますが、1回あたりの利益額は少なくなります。これをトータルで見ると、総利益額が少なくなる可能性もあります。
一方、利益幅を大きくすると1回あたりの利益額は大きくなりますが、約定回数は少なくなります。
結局、どっちにするべき?というのは投資家それぞれの考え方によるところが大きいですが、自動売買を仕掛ける対象の通貨ペアのボラティリティ(変動幅)に合わせるのが一番です。

「買い」と「売り」

グリッドトレードの設定には、「買い」と「売り」があります。相場が中長期的に上昇していくと見るのであれば「買い」のほうが利益確定のチャンスが多くなりますし、下落を見越しているのであれば「売り」が有効です。
強いトレンド相場はグリッド向きではありませんが、どんな相場にも中長期的なトレンドはあります。
例えば、昨今のドル円相場は中長期的にドル高円安のトレンドが続いています。しかし、その中にあっても円高が起きたり、為替介入で急落することもあります。こうした動きはグリッドトレードに適しているため、中長期的なトレンドが確認できるのであれば、その報告に沿って「買い」「売り」を選択するのが良いと思います。

ハーフ&ハーフ戦略

先ほどは「買い」「売り」の設定について解説しましたが、これらはどちらかの方向性を決めることになるため、その逆になると成果につながりません。
そこでグリッド系投資家から人気なのが、「ハーフ&ハーフ戦略」です。名前の通り買いと売りをハーフ(半分)ずつ設定する戦略で、これだと一定のレンジ内で相場が推移している限り、利益のチャンスはとても多くなります。

例えば・・・

ドル円で150円を中心に

上では売りグリッド
下では買いグリッド

を配置するとします。図にすると、こんな感じです。

この設定だと、140円から160円で推移している限り、上昇でも利益、下落でも利益を狙えます。
しかし、このハーフ&ハーフ戦略には重大な問題もあります。それは、急激な一方向トレンド相場です。こうした相場ではどちらか一方のレンジを抜けてしまい、含み損が偏って膨らみ続けます。
構築した戦略によってはハーフ&ハーフ戦略のレンジ外に損切りを設定することもありますが、その場合は大きな損切り額になることが避けられません。
つまり、グリッドトレードは、レンジ相場になりやすい通貨ペアで運用しないと一方的なトレンドに巻き込まれてしまう恐れがあるということです。
レンジになりやすい通貨ペアとして、筆者が実際に運用しているのは、以下のとおりです。

  • ユーロポンド(EUR/GBP)
  • 豪ドルNZドル(AUD/NZD)
  • ドルカナダ(USD/CAD)
  • 豪ドルカナダドル(AUD/CAD)

これらの通貨ペアには、ある共通の特徴があります。
それは、地理的もしくは性質的に似ている通貨同士ということです。
ユーロポンドや豪ドルNZドル、ドルカナダはいずれも近隣国通貨のペアですし、豪ドルカナダドルはどちらも資源国通貨です。
このように似た通貨同士のペアはレンジ相場になりやすく、グリッドトレード向きです。

グリッドトレードのメリットとデメリット

それでは、グリッドトレードのメリットとデメリットを整理しておきましょう。
投資を検討している人は、特にデメリットに注目してリスクを理解するようにしてください。

まずは、メリットから。

  • 24時間自動売買できる
  • 感情に左右されない
  • レンジ相場で強い
  • コツコツ利益を積み上げられる
  • 初心者でも始めやすい
  • 仕事中でも運用できる

次に、しっかり留意しておくべきデメリットはこちら。

  • 強いトレンドに弱い
  • 含み損が大きくなる
  • 資金効率は高くない
  • ロスカットされる可能性がある
  • 利益が積み上がる一方で、評価損益はマイナスという期間も長い

グリッドトレードのおすすめ戦略

FXのグリッドトレードを始める際に、おすすめの戦略を紹介します。
自動売買初心者は、これらの条件を満たした運用から始めるのが良いでしょう。

①広めのレンジ設定

相場は想像以上に大きく動きます。「さすがにここまでは来ないだろう」ではなく、リーマンショックやコロナショック級まで想定したレンジ設定が望ましいでしょう。
特定の狭いレンジの中だけで自動売買を仕掛けると、そのレンジを抜けてしまった時に利益を狙うチャンスがなくなります。
可能な限り広めのレンジ設定をして、チャンスを逃さないようにしましょう。

②レバレッジを抑える

グリッドトレード成功者の多くは、低レバレッジで運用しています。理由は簡単、証拠金維持率が下がりすぎることによるロスカットを避けるためです。
利益率(利回り)よりも、生き残ることを優先する考え方が望ましいでしょう。

③資金に余裕を持つ

余裕資金があれば、暴落でも耐えられます。
グリッドトレードは設定さえ間違っていなければ、生き残るだけで資金が増えます。
生き残るためには、資金管理とても重要というわけです。資金管理が運用成績を直接左右します。

④相場環境を定期的に見直す

完全放置ではなく、政策金利の変更や金融政策、地政学リスクなどにより相場のレンジが変化していないかを定期的に確認しましょう。レンジ相場を前提とした設定が、強いトレンド相場では通用しなくなることがあります。
自動売買なので完全放置に魅力を感じる人は多いと思いますが、少なくとも毎月1回程度のチェックと見直しは必要です。筆者はこまめに設定を修正しており、それが結果に直結していることを実感しています。
とはいえ、設定そのものをなくしたり大幅に変える必要はありません。あくまでも「今の設定でいいのか」を常に考える必要があり、半年に1回程度は設定を一部修正する必要があるかもしれない、というレベルです。

⑤複数の通貨ペアに分散する

一つの通貨ペアだけに集中するよりも、値動きの異なる複数の通貨ペアへ分散することで、リスクを抑えやすくなります。ただし、同じ方向に動きやすい通貨ばかりでは分散効果が薄れるため、相関関係も考慮することが大切です。
具体的には、ドル円とユーロ円、ポンド円、豪ドル円といったように対円の通貨ペアばかりを並べたとしても、それはリスクを分散したことにはなりません。日本側の事情で円高や円安が起きた場合、これらの通貨ペアで一斉に同じ動きが起きるからです。

筆者の直近運用成績

最後に、筆者のグリッドトレード運用(トラリピ)についての成績を公開したいと思います。トラリピ口座には成立カレンダーといって利益確定の履歴を確認できるカレンダー機能があります。この成立カレンダーは直近3ヶ月まで表示できるため、2026年5月、6月、そしてまだ運用途中の7月について見ていただこうと思います。
まずは、2026年5月です。+71,403円でした。王冠のマークが付いている日が、その月で最も利益確定額が大きかった日を示しています。5月は5871円がトップでしたが、これは比較的低い数値です。特定の日が突出することがあることを考えると、5月は平坦な月だったと考えられます。

次は、2026年6月です。+88,802円でした。前月と比べると1万円ほど多くなっています。6月11日に1万円を超えていますが、この日を筆頭に総じて利益確定額が大きくなりました。

それではまだ月半ばですが、2026年7月もご覧ください。注目していただきたいのは、7月9日の時点ですでに前月、前々月の利益額に匹敵する金額になっていることです。1日と2日、8日が高額になっており、これらの成績が大きく寄与しています。最終的には10万円を超える見通しです。

筆者はトラリピ口座に450万円を入金して運用しています。
グリッドトレードは月利1%が合格ラインとされているため、この口座残高だと毎月45,000円をクリアすれば合格ということになります。
そのことを考えると毎月45,000円を優に超えていることから、平均値以上の運用ができていると考えていいと思います。
グリッドトレードには、それだけの能力があることがお分かりいただけたと思います。

まとめ

グリッドトレードは、相場の上下動を利用して利益を積み重ねる、非常に合理的な自動売買手法です。トラリピをはじめとする多くのサービスで採用されており、感情に左右されず継続的に運用できることが大きな魅力です。
一方で、「放置していれば必ず利益が出る」というものではありません。強いトレンド相場では含み損が膨らみやすく、資金管理やレンジ設定を誤れば、大きな損失につながる可能性があります。
成功の鍵は、「利益を増やすこと」よりも「長く生き残ること」を重視した運用です。十分な証拠金を用意し、相場環境に合わせて設定を見直しながら運用することで、グリッドトレードは長期的な資産運用の有力な選択肢となるでしょう。特に、レンジ相場が続きやすい通貨ペアを選び、低レバレッジでコツコツ利益を積み重ねることが、安定した運用につながります。