【続報】トルコリラ円の積立投資計画、その後の運用報告
2024年2月にカチケンでトルコリラの積立投資についての記事を公開しました。現役FX投資家として長らくトルコリラを見てきましたが、いよいよ対円で5円を割り込んだということで「これ以上の下落は難しい(下落できる値幅が5円しかない)」ということで、積立投資を開始しました。
そのルールや運用方針については、前回の記事をご覧ください。原則としてこの投資方針で積立運用を続け、半年が経過しました。その後どうなったのか?という声にお応えして、現在の運用状況報告と、やってみて気づいたことなどを綴りたいと思います。
この記事の目次
1.トルコリラ円はその後も思惑通りのレートを推移
この積立投資には、「トルコリラ円が今後も同水準で推移する」という大前提があります。もちろん相手はトルコリラなのでこれまでのような暴落があっても全然おかしくはありません。そこで2円台までは耐えられる資金計画でスタートしましたが、やはり暴落は無いに越したことはありません。
その意味で、この半年間は思惑通りに動いてくれた半年間でした。
それでは、この半年間のトルコリラ円の動きを交えつつ、私の思惑との答え合わせをしていきたいと思います。
1-1.2024年前半のトルコリラ円相場をチェック
最初に、2024年前半のトルコリラ円について、チャートで動きを確認しておきましょう。

引用元:TradingView
3月に一度大きく下げた局面がありますが、それ以外はおおむね同水準です。トルコリラ円らしく突飛安や突飛高が頻繁に発生していますが、こうした特殊な値動きは早朝や未明などの時間に発生していることが多く、後で気づくことがほとんどでした。
1-2.4.5円台から4.9円台を推移しているのは思惑通り
先ほどのチャートを見ると、上は4.9円台で、下は4.5円台です。筆者は4円台後半で推移すると見ていたので、見事に想定レンジでした。当初の計画通り、単純に定期的な積立をするのではなく安値を積極的に拾いに行く戦略なので、下は4.6円で買えたポジションもあります。
スワップが3,000円分貯まったら振り替えをして1,000通貨単位を買い増すというのも続けており、証拠金は200円です。証拠金は200円ですが10倍の証拠金で臨む方針なので、2,000円で1,000通貨分を購入したと考えます。3,000円を振り替えしているので、余った1,000円はそのまま口座に置いて実効レバレッジを下げるために使います。
こうした方針でスワップだけで6,000通貨分の買い増しができているので、今のところは順調といって良いでしょう。
1-3.スワップポイントも予想通りの水準で推移
次に、この積立投資では極めて重要になる、トルコリラ円のスワップポイントです。筆者は外為どっとコムで積立をしているので、同社のスワップポイントがどう推移しているのかが重要です。
結果を見ると、半年間にわたってほぼ30円台でした。30円を下回ることはなく、多い時で36円程度、少ない時で32円程度の推移でした。

こちらは、外為どっとコムの2024年6月前半のスワップポイントカレンダーです。おおむね毎日35円前後で推移しているのが分かります。2月からずっとこの水準が続いているので、これについても今のところ思惑通りです。
1-4.トルコリラは下げ止まったか?
これまで何回も暴落を繰り返してきたトルコリラなので、長期的にポジションを保有すると、どうしても暴落のリスクと向き合うことになります。5円を割り込んだことで「さすがにこれ以上は下げる余地が少ない」と見ていますが、3円台、2円台に暴落していく可能性は十分あります。
この半年間、トルコリラ円を見ていて思うのは、下げ止まりの兆候です。3月には4.5円台まで下落したので、このまま下落していく可能性も考えました。それでも淡々と積み立てていくだけなので特に感情が動くことはありませんでしたが、相場は当初の予想よりもはるかに平和でした。
その後反発して4.8円台で推移している日が多くなっていますが、これまでの推移を考えると4.8円台は「高い」と思えるので、新規ポジションは買い増しせず、ロット数だけ貯め続けている状況です。このことについては、次章で解説します。
2.2024年6月時点での運用経過報告
それでは、筆者の2024年6月時点での運用経過報告をしたいと思います。
実運用データを、実物のキャプチャーを交えて紹介します。
2-1.スワップ収入による資産増は約2万円、評価益は約5,000円
現時点での口座残高は、約22万円。すでに10万円分の買いポジションを(2万円分×5)の購入を完了し、スワップポイントだけで2万円ほど増えたことになります。
それだと10万円と2万円で口座残高は12万円となるところですが、追加の10万円は今後の積立用に入れているお金です。10万円なので、5回分です。

そして、現在トルコリラ円は4.8円を超えているため、平均取得価格よりも上です。そのため含み益が出ており、それが約5,000円。スワップが1,400円ほど貯まっているので、合わせると6,500円ほどのプラス状態です。
ただし、このスワップポイントは3,000円を超えたら新たなポジション買い増しに回すので、いずれまたゼロになります。
2-2.順調にスワップ収入でポジションを買い増し
次に、ポジションの買い増し状況についても紹介しましょう。こちらは、運用開始からの取引記録です。

Lot数が10になっているのは1万通貨分で、自己資金による買い増しです。そしてLot数が1の取引はスワップポイントが3,000円貯まるごとに買い増しをしている分です。
いずれも指値で買い増しをしているので、最初を除くと4.7円や4.6円、4.8円といったようにキリのいいレートでの売買です。
ここまでは順調にポジションの買い増しができていると思います。
2-3.現在は高止まりに対応して新規ポジションは買い控え
次に、現在の注文状況も見ていただきましょう。筆者の口座の、注文一覧です。

上にある4.8円の買い注文は、貯まったスワップで買い増しをするための注文です。下の段にある4.73円の買い注文は、自己資金による買い増し分です。50ロットと少々大きな注文になっていますが、現在の相場展開を考えると4.8円を割り込むことが難しく、仮に突飛安で4.7円前半になるようなことがあれば多めに拾っておきたいということで、4.73円に50ロットの注文を入れています。
その根拠は、平均取得レートです。現在、前ポジションの平均取得レートは4.5円前後なので、それより少しだけ下で買いたいという思惑です。
スワップポイントで買うポジションについては1ロットずつなので影響は軽微ですし、少しでも早くスワップ蓄積部隊に加わってほしいので、4.8円で買うようにしています。
もちろんこれらの水準も相場展開によって適宜調整するつもりです。
2-4.5.21円になったら全決済の方針は変わらず
先ほどの注文中一覧の画面では、新規注文に赤い囲みを入れました。それ以外にもたくさんの注文を入れていますが、これらはすべて決済注文です。スワップポイントをひたすら貯める作戦なので少々のことでは決済するつもりはありませんが、もしトルコリラ円が再び5円台になり、5.21円を付けるようなことあれば全決済をして一旦作戦を終了するつもりです。
そのため、新規注文の時点でIFDを使い、ポジションが成立したら5.21円の決済で統一しています。
3.半年運用してみて気づいたこと、これから取り込みたいこと
まだ半年ですが、最低でも5年は運用しようと思っている積立投資のうち8分の1を経過したということで、この時点での総括や気づき、今後とり入れていきたいことなどを書き綴りたいと思います。
3-1.改めて、トルコリラ円積立戦略をシミュレーションし直してみる
このトルコリラ円積立投資は、高金利通貨でありながら価値が暴落したままになっているトルコリラを活用するため、利回りがとんでもないことになるのは、最初の記事でもご覧いただいた通りです。
当時は想定利回りが58.4%でした。これだけでも十分すごすぎるのですが、その後トルコのインフレ進行もあって金利が上昇しており、スワップポイントが若干増えています。これをもとに、再び捕らぬ狸の皮算用をしてみましょう。
まずは、日々のスワップ36円である日が多いので、毎日36円とします。
36円 × 365日 = 13,140円
2万円に対して1万通貨という配分を守りながら積み立てているんで、2万円に対して年間13,140円のスワップ収入になります。
これを利回りに換算すると・・・
13,140円 ÷ 2万円 × 100 = 65.7%
なんと、58.4%だったスワップ利回りが65.7%に上昇しているではありませんか。もっともこれが永久に続くはずはありませんが、少なくともこの数年間は期待できそうな水準です。
それでは、この新たな利回りをもとに5年間、10年間の複利運用をシミュレーションしてみましょう。
まずは、5年間。積立シミュレーションの結果は、約534万円です。それが10年間になると一気に跳ね上がり、7,214万円にもなります。ここまでくると捕らぬ狸の皮算用も甚だしいですが、積立投資を始めた当初よりもこの作戦の面白みは増しているといっていいでしょう。
3-2.半年間の運用で気づいたこと① 早くも複利の効果を実感
半年間の運用で最初に気づいたのは、早くも複利効果を実感できていることです。通常、新NISAなどで推奨されているインデックス投資で複利の力を実感できるのは数年後からだといわれています。
しかし、トルコリラ円の積立だとスワップの利回りがとても高いので、開始直後から「スワップでポジションの買い増し」が6回もできました。しかも7回目もできるのですが、レートが高いせいで待機状態です。
半年間でスワップだけで7回買い増しができたということは、2024年の後半はもっとそのペースが速くなります。
3-3.半年間の運用で気づいたこと② 早朝の突飛安はスプレッド拡大で拾いにくい
突飛安の対策として、当初の計画で低いところに指値を入れていますが、実際に突飛安が発生するのは日本時間の早朝が多い傾向があります。その時間帯は流動性の低さゆえにスプレッドが拡大しているため、少々の突飛安では約定しないことが分かりました。
例えば4.73円に入れている50ロットの買い注文、早朝の突飛安でこれが約定するには4.69円まで下がらないと約定しないかもしれません。というのも、外為どっとコムで早朝のトルコリラ円は4銭ほどにスプレッドが拡大するからです。
それでも指値を入れておくこと自体にコストはかからないので、今後も戦略に忠実に指値を入れ続けていきたいと思います。
3-4.半年間の運用で気づいたこと③ 実質的にドル円上昇に支えられている
2024年6月は、トルコリラ円がほとんど4.8円台を割り込むことのない推移でした。これはトルコの政治経済が強かったというより、ドル円の高止まりが主な理由です。トルコリラ円は合成通貨ペアなので、トルコリラと日本円を直接取引することはあまりありません。
ドル円とドルトルコの2つの通貨ペアのレートを計算してトルコリラ円のレートが合成されるため、ドル円が高いとトルコリラ円もつられて高くなります。
2024年前半のトルコリラ円が比較的高かったのはドル円の高止まりが主要因なので、今後円高が進行してドル円が下がると、トルコリラ円も下がることが考えられます。そんな時こそ現在の厳格な資金管理がモノを言うので、同様の運用をしている方は、くれぐれも今の厳格な資金計画を緩めることのないようにしてください。
3-5.積立のスピードを上げて早期逃げ切りが吉?
運用を始めてからの半年間は、順調に尽きる結果だと思います。筆者自身はもっとレートが低下すると見ていたので、半年経ったら買い下がったポジションがもっとあることをイメージしていましたが、ドル円高の影響もあってか4.8円台の高止まりが続いています。
これまでの推移を考えると4.8円でも「大暴落から回復せず」ということになると思いますが、トルコリラが今後10円、20円と上昇していくことはないでしょう。対円で1桁台の推移をして、円高が始まったら3円台も有り得るかなと思っています。
現状ではそういった相場が示現する可能性は低いですが、スワップが高くて暴落の可能性が低い今のうちにもっと多めのロットを仕込んで短期決戦で逃げ切るのもアリかなと思います。
それだけトルコリラは脆弱な通貨であることを忘れず、「今の状況が5年以上続けば勝ち」のスタンスは変えないものの、いつでも逃げられるようにだけはしておきたいと思います。
4.まとめ
比較的順調に進んでいる、トルコリラ円の積立投資。高金利通貨は日本人投資家からの人気が高いので、似たような運用をしている人は多いと思います。しかし、相手は新興国通貨の中でも大暴落を何度も起こしてきたトルコリラです。
今が良いからと言って欲を出しすぎず、常に逃げる準備だけは怠らず5年後の勝ちを目指していきたいものです。

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