最近流行りの「ロボアド」、テレビCMでも見かけますが・・・
AI投資を任せておけば資産が増えるという触れ込みの「ロボアドバイザー」をご存じですか?この記事をお読みになっている方の多くは、すでにロボアドバイザーをご存じで、「実際のところどうなの?」疑問をお持ちかもしれません。
最初に結論から申し上げますと、ロボアドバイザーは全く投資価値がありません。投資家にとってこれほど不利であり、宣伝文句と現実にギャップがあるものも珍しいでしょう。
冒頭から悪口になってしまっていますが、この記事の解説をお読みになればその根拠についても理解していただけると思います。
ロボアドバイザーとはどんなもので、なぜカチケンがロボアドバイザーをおすすめしないのかについて解説しますが、それでもロボアドバイザーが人気を集めている理由についても考察したいと思います。
「じゃあ、どうすればいいの?」という疑問にもしっかりお答えしますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の目次
1.ロボアドバイザーの基礎知識
最初に、ロボアドバイザーとは何かという疑問にお答えしましょう。ロボアドバイザーについて何となく持っているイメージを含めて、ここで整理しておきましょう。
1-1.ロボアドバイザーってなに?という方へ
ロボアドバイザーとは、「ロボット」として稼働しているプログラムが顧客の資産を運用もしくは運用アドバイスするサービスのことです。現在稼働しているロボアドバイザーには提案型と投資一括型があって、提案型は「こういう商品がいいですよ」とアドバイスをするのに対して、投資一括型は自動的に売買をします。
自分で買うべき商品を選べないので機械に任せたほうが安心という人や、忙しくて資産運用のことを考えていられないという人にとっては、「ロボットに任せる」ことに安心を感じるのではないでしょうか。
1-2.ロボアドバイザーを検討している方へ
ロボアドバイザーを検討している方の多くは、「ロボットなので何だかすごそう」というイメージをお持ちなのではないでしょうか。しかし、筆者はこの「何だかすごそう」の部分が最も厄介だと思っています。これについては後述しますが、そもそもロボアドバイザーといってもロボットが運用をしているわけではないことをこの段階で押さえておいてください。
1-3.ロボアドバイザーの主要サービス
ロボアドバイザーのサービス内容は、おおむねどの業者も似通っています。最初に投資家の投資傾向を知るために、ロボアドバイザーのサービスから出される質問に答えていきます。その回答から投資家の傾向を把握し、それに沿った投資方針が提案されます。
これを投資家が了承すると、以後はロボアドバイザーが運用の提案もしくは自動的に運用を開始します。
多くのロボアドバイザーが投資対象としているのは、国内外のETFと投資信託です。個別株やFXの通貨ペアなどに投資をするといったことはありません。
2020年11月現在、ロボアドバイザーの主要なサービスとしては以下のようなものがあります。
<投資一括型>
- WealthNavi
- THEO
<提案型>
- Fund Robo(SBI証券)
- FUND ME(auカブコム証券)
2.カチケンがロボアドバイザーをおすすめしない3つの理由
それでは、ここからがいよいよ当記事の本題です。なぜカチケンはロボアドバイザーを推奨しないのか、3つの理由で解説します。
2-1.手数料が高すぎる
ロボアドバイザーをおすすめしない最大の理由は、手数料が高すぎることです。最も有名なロボアドバイザーである「WealthNavi(ウェルスナビ)」は、手数料が年率で1%です。この1%という数字が持つ意味を実感していただけるように、例を挙げてみましょう。
このWealthNaviも含めてロボアドバイザーの多くは、ETFや投資信託で顧客のお金を運用します。それではETFや投資信託でどの程度の利回りが得られるのかというと、最も利回りが安定しているアメリカのETFを見ても3~4%程度です。仮に3%だったとすると、ロボアドバイザーに1%を支払うので、実質的な利回りは2%になります。
なんと、ロボアドバイザーに3分の1も持って行かれてしまうのです。それでもロボットが活躍してくれるのであれば安いと思うかもしれませんが、そんな方は次項の事実を知ってください。
2-2.実はAIでも何でもない
多くの方は、ロボアドバイザーという名称からAIを搭載した資産運用ロボットが市場を常に監視しながら最適な売買行動をしていると思っているかもしれません。残念ながら、これは大きな間違いです。その証拠に、どのロボアドバイザーを見ても「AIがアルゴリズム売買をしている」とは書かれていません。
AIという言葉自体はずいぶん昔からあるので、10年以上前のものであっても人工知能であればAIと名乗っても構いませんが、今どきのディープラーニングをしてどんどん賢くなっていくAIとは全くの別物です。
では、ロボアドバイザーのロボットは一体何者なのでしょうか。すべてがそうである確証はありませんが、ほとんどのロボアドバイザーは「有名なETFを買う」だけのプログラムです。
もっと言えば、ロボアドバイザーが買っているETFを探すのはとても簡単で、少しネットで検索すればおすすめのポートフォリオなどの記事がいくらでも出てきます。いえ、それ以前にアメリカのETFはそもそも優秀なものが多いので、有名なものであればどれを買っても「そこそこ」の結果を出すことは簡単です。
こんな自分でも簡単に出来ることに年利1%を支払うのは、やはりコストが高すぎると言わざるを得ません。
2-3.マネーリテラシーが育たない
ロボアドバイザーを利用したいと考える人の心理には、「投資は難しそうだと任せっぱなしにしたい」という考えがあるのではないでしょうか。確かにそれまでのベースがほとんどのない人にとって、お金のことを勉強するのは決して簡単なことではありません。それをロボアドバイザーはすべて代行してくれて、儲けたお金は自分のものになるというのですから、投資のことが分からない人が飛びつきたくなる気持ちは分かります。
しかし、投資の世界で「よく分からないもの」にお金を投じるのはNG中のNGです。過去のそれで多くの投資詐欺や巨額損失事件がありましたが、そういった事件の被害者になっているのはいつも、よく分かっていない人たちです。高齢者などは仕方ない面もありますが、現役世代なのに騙された人たちは、あまりにも杜撰だったと言わざるを得ません。そんなにお金のことを勉強するのが嫌なのであれば、定期預金にしておけば良いのです。
ロボアドバイザーが人気を集めると、またぞろよく分かっていない人が集まってしまい、その人たちのマネーリテラシーはいつまで経っても育たず、どこかで大やけどをするのは明らかです。
3.なぜロボアドバイザーが人気になってしまうのか
カチケンでは全く推奨していないロボアドバイザーですが、それではなぜこんなに多くのサービスが登場し、人気を集めているのでしょうか。そこには人の心の中にある「闇」も関係しています。
3-1.「AI」に弱いご時世
人はとかく、新しいものに弱い部分があります。特に日本人はその傾向が強く、「AIがすごいらしい」「これからはAIの時代」と言われると、さもこれからはAIがあらゆる分野に進出するので、それに乗り遅れてはいけない!という強迫観念に襲われます。
そんな人が「投資にもAIの波が!」「AIに任せて資産が増える!」といった宣伝を見聞きすると、折からのAIブームもあって乗り遅れてはいけない心理が働き、ロボアドバイザーがとても素晴らしいものに見えてしまいます。
しかし実際は、誰が買っても「そこそこ」の結果が出るETFを買っているのにすぎません。S&P500連動型のETFやアメリカの高配当ETFなどを買っておけば、ロボアドバイザーくらいの結果が出るのは当然でしょう。しかし、AIでもないロボアドバイザーに1%もの手数料を持って行かれるのですから、これではお金が残るはずもありません。
3-2.「放ったらかし」が大好きな人が多い
投資家だけでなく、投資を考えている人の中には「放ったらかし」であることに魅力を感じる人が多いと思います。最初に買ってしまえばあとは持っているだけでお金が入ってくるようになるので、それは立派な不労所得です。不労所得を好む人は本当に多いので、「AIに任せて放ったらかし」とされているロボアドバイザーに魅力を感じるわけです。
3-3.マネーリテラシーの問題
先ほどもマネーリテラシーの問題について触れましたが、マネーリテラシーが低いことは実はとても重大な問題です。自分で考えて判断をするのが投資の基本ですが、それを最初から放棄してしまっているのは「自分の財布を開けっ放しにして詐欺師の前に置いている」のと同然です。
マネーリテラシーが低いせいでロボアドバイザーのように「自分の代わりに考えてくれる」ことに魅力を感じるのでしょう。しかしそれがいかに危険なことであるかは、言うまでもありません。
3-4.ミスリードが多い
ロボアドバイザーに限ったことではありませんが、投資や資産運用に関する情報にはミスリードが実に多く、これもマネーリテラシーが低い人を狙い撃ちにしていることは明らかです。
例えば、2019年に多くの人を引き付けた仮想通貨バブルがありました。仮想通貨がどんなものかを理解していない人が大量に投資を始め、聞いたこともないようなコインに投資をした人が大損をした事例が続出。さらに「コインチェック」という取引所では大規模なハッキングが発生し、後から補償されたもののそこで大量の資産を失った人もいました。
筆者は仮想通貨に対して懐疑的なので自分で投資をしたことがありませんし、誰かに勧めたこともありません。2020年11月にはビットコインが再び高騰するなど相変わらず荒っぽい動きを見せていますが、またぞろマネーリテラシーの低い人たちが騙されないかと心配です。
こうしたミスリードはロボアドバイザーにも向けられており、明らかにステルスマーケティングと思われるようなテレビ番組で「これからはロボアドバイザーがアツい」といったような情報を垂れ流している状況では、まだまだ間違った認識でロボアドバイザーを始める人が増えるでしょう。
4.ロボアドバイザーで損をしないために
それではロボアドバイザーで損をしないためには、どういうマインドセットをしておけば良いのでしょうか。ロボアドバイザーだけに限らず、もっと悪質な投資詐欺に遭わないために知っておきたいことを最後に解説します。
4-1.投資は自分でやるのが基本
カチケンのあらゆる記事で口酸っぱく言っていることですが、投資はすべてが自己責任の世界です。誰かに任せっきりにしたり、誰かの責任でやるものではありません。自分で勉強して自分で判断し、そして自分のお金を投じるのが投資です。そして、当然ですがその結果は自分の責任で受け止めます。
ロボアドバイザーに期待している人を見ていると、すべてをロボアドバイザー任せにしているように見えます。もしロボアドバイザーが運用に失敗して資金の大半を失った時に、その人は自分の責任で結果を受け止めることができるのだろうか?と思います。
投資詐欺でもよく見られることですが、投資を誰かに任せたり、人の話の言いなりになるのは、どんな理由であればNGだと思ってください。
4-2.よく分からないものには投資しない
人任せにしないのと同じように重要なのが、よく分からないものに投資をしてはいけないということです。前項では仮想通貨の例を挙げましたが、あれだけ仮想通貨がブームになった時に、果たして仮想通貨のことを本質的に理解している人がどれだけいたでしょうか。
ブロックチェーンの構造やハードウォーク、半減期についての理解もないのに相場の急変についていけずに大損をした人がたくさんいました。相場が一方向に上昇し続けてきた時は、誰が買っても儲けが出ていたことでしょう。しかし、それは大いなるビギナーズラックだったのにすぎません。その人たちの中に最終的に大きな利益を残した人は、一握りしかいないと思います。
ロボアドバイザーに投資をするのであれば、ロボアドバイザーがどんな仕組みになっていて、どんなロジックで何を買っているのか、これらについて理解できていることが条件です。
4-3.他人が儲け話を持ってくることは絶対にない
これもロボアドバイザーに限ったことではありませんが、赤の他人が儲け話を持ってきてくれることは絶対にありません。「ロボアドバイザーが儲かる」と言っている人は、そんなに儲かるなら投資金を増やして利益を独り占めすれば良いのにと思いますが、それはしません。つまり、こうしてロボアドバイザーのことを持てはやしている人の真意は、ロボアドバイザーの宣伝です。ネット上の記事や動画、そしてテレビ番組など、それらの情報源すべてに同じことがいえます。
これは「FXで安定した利益を狙える」と言っている人がFX会社の宣伝をしているだけなのと同じです。
4-4.ロボアドバイザー以外にも危険な投資話はたくさんある
投資にまつわる危険な話は、これまでにも数えきれないほどありました。その中には「ポンジスキーム」と呼ばれるような最初から詐欺丸出しのものから、限りなく黒に近いグレーゾーンの投資話など、枚挙にいとまがありません。これらに共通しているのは、人の欲望や不安に巧につけ込む話術や手口です。
ロボアドバイザーがそこまで悪質なものであるとは思いませんが、誰でも簡単に選べて買えるものを「AIが選定して自動的に投資」というのは、さすがに言い過ぎではないかとは思います。
あくまでも投資は自分で考え、自分でやるものです。そこでよく分からないと思う部分があるのであれば、それに投資をするべきではないのです。
5.まとめ
ロボアドバイザーのサービスがますます増え、利用者が増えている昨今ですが、カチケンとしてはコストパフォーマンスが悪すぎると感じていました。それを今回は記事にまとめて情報提供しましたが、これが投資で結果を出し、勝ち組になるためのお役に立てれば幸いです。

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