今すぐ始められる脱炭素投資、自家消費型太陽光発電のPPAモデルとは?
光熱費の削減や、よりエコな生活を実現するなどといった理由から、太陽光発電による自家消費を希望する方や企業は多くいらっしゃいます。しかし、高額な初期費用がネックで導入に踏み切れないケースは珍しくありません。
この問題を解消する画期的な方法として、PPAモデルが注目を集めています。
今回解説するPPAモデルの概要や導入によって得られるメリットは、太陽光発電を導入しようか迷っている方は知っておかないと、目先の光熱費だけでなく資産形成の面でも損をするので、しっかりと読み込んでいただきたいと思います。
この記事の目次
1.自家消費型太陽光発電「PPAモデル」とは
PPAモデルはFIT制度がないアメリカで普及したモデルであり、エネルギー消費量の削減や地球環境の改善が期待されています。
具体的にどういったモデルなのか、具体例を交えて解説します。
1-1.PPAモデルの概要
自家消費といえば太陽光発電設備を自費で設置して管理することが一般的でした。そのため、自家消費は初期投資やメンテナンス費用など何かとお金がかかるというイメージがありますが、PPAモデルはこれらの費用は一切不要です。
なぜこのようなことが可能かというと、太陽光発電設備の設置と運用は新電力や銀行などといった別企業に請け負ってもらい、契約期間内はその別企業に電気料金を支払うかたちになっているからです。

【参考】イオン公式「脱炭素の取組みを加速、再生可能エネルギー活用を拡大」
この形態のおかげで自身が所有する土地に太陽光発電設備を導入するスペースがなくても、太陽光発電による自家発電が可能になります。
契約期間後は発電設備が自分の元に譲渡されるため、継続して光熱費の削減などに利用できます。
1-2.PPAモデル導入の具体例
ドコモショップはPPAモデルを導入しており、2011年に設立された再生可能エネルギー発電事業のNTTスマイルエナジーが、太陽光発電設備の無償提供と保守を行っています。
太陽光発電設備で発電した電力はドコモショップに供給と販売がされており、これによってドコモショップは自家消費による電気代の削減、CO2削減による環境改善への取組み、災害時の充電サービス提供による顧客満足度の向上に取り組んでいます。
【参考】NTTスマイルエナジー公式「ドコモショップでのPPAモデルの採択について」
1-3.他の太陽光発電導入方法との比較
太陽光発電の導入方法には自己負担(自社購入)とリース、PPAモデルの3種類があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
できる限り経済的にお得に自家発電をするために、各種導入方法のメリットとデメリットを比較してみましょう。
| 導入方法 | メリット | デメリット |
| 自己負担(自社購入) | ①長期的にみると資金回収率が最も良い。
②部品交換や処分などが個人(自社)で判断し、実行できる。 |
①初期投資額が高額になる。
②総資産利益率などに影響が出る。
③設備の維持とメンテナンスに手間とコストがかかる。 |
| リース | ①自己負担と比べて費用が少なくて済む。
②分割支払いができる。 |
①自由に設備の交換や処分ができない。
②発電がない時もリース料を支払う必要がある。
③リース資産として管理と計上が必要になる。 |
| PPAモデル | ①契約締結諸費用以外は基本的に初期費用が無料
②発電した分だけ電力購入すれば良い。
③太陽光発電設備が資産計上されない。 |
①自由に設備交換や処分のコントロールができない。
②契約は長期間になる。 |
資金に余裕があるならば、資産運用の1つとして太陽光発電設備を自己負担で導入するのも良いでしょう。しかし資産に余裕がない場合、太陽光発電は天候に発電量が左右されてリース料がかさむ可能性があることを考慮すると、PPAモデルは有効な導入手段だといえます。
2.PPAモデルの導入で得られる5つのメリット
PPAモデルがどういったものがご理解いただけたところで、このモデルを使用することで得られる5つのメリットについて、詳細に解説していきます。
2-1.初期費用がかからない
太陽光発電導入の一番のネックといえば、高額になりがちな初期費用でしょう。導入するためにコストの負担がかかることに加えて、元をとるためには長期間の使用が必要になります。
長期的に考えれば初期費用は決して無駄な費用ではありませんが、安く済むならばそれに越したことはありません。しかも初期費用が掛からないのであれば、理想的です。
2-2.メンテナンス費用がかからない
太陽光発電設備を自己負担で導入した場合は運用やメンテナンスも自己負担で行う必要があります。しかし、PPAモデルでは設備の導入と運用は他企業が代わりに行ってくれるため、コストや管理の負担が一切ない状態で自家発電が可能になります。
金銭的なリスクがほぼゼロの状態で太陽光発電を利用できるのが、PPAモデルの強みです。
しかも、運用企業との契約も電気料金を支払う延長線のようなものなので、資産計上や減価償却などの計上も必要ありません。
2-3.月々の電気料金が安くなる
電気料金には再エネ賦課金が含まれており、これは電力会社から電力を買っている限り支払わなければなりません。しかも、2012年に始まった再エネ還付金は年々価格が上昇しており、最初は年間744円程度の負担だったのが2017年には年間9,504円と10倍以上になっています。そしてこの支払価格は2030年には年間15,600円にまで上昇するといわれています。
それに対してPPAモデルで太陽光発電を利用すれば再エネ賦課金を払う必要がなくなるので、必然的に月々の電気料金が安くなります。つまり、PPAモデルを利用して太陽光発電を導入するかどうかで、将来的に経済格差は大きく開くといえます。
2-4.契約期間が満了すると太陽光発電設備が譲渡される
PPAモデルは契約期間が満了すると、太陽光発電設備をそのまま譲渡してもらえます。
しかもソーラーパネルなどの設備は20年の出力保証がついているものが多く、メーカー保証付きで譲渡してもらえるのは継続的に自家発電するうえでメリットが大きいといえます。
2-5.SDGs達成に貢献できることで企業のイメージアップになる
世界的な流れとして、使用電力を全て再生可能エネルギーでまかなう企業の集まりであるRE100加盟や、持続可能な開発目標であるSDGsの達成を目指すことは、企業として当たり前となってきています。
PPAモデルを利用すれば、自社で太陽光発電設備を所有しなくても自家発電によって再生可能エネルギーを利用していることになるため、RE100の加盟条件を一部満たすことができますし、SDGs達成にも貢献できます。
これによって、地球環境の改善やよりエコな社会の実現を目指す企業であるとアピールでき、イメージアップの材料にもなります。
3.PPAモデル導入の際に気を付けるべきポイント
PPAモデルは基本的に利用する側のメリットが大きいシステムですが、契約して自家発電を行うため自分で設備を導入するケースとは異なります。そこで、PPAモデルを導入するうえで気を付けるべきポイントをご紹介するので、利用する前にしっかり理解しておくようにしてください。
3-1.長期契約がPPAモデル導入の条件となる
PPAモデルを導入する際は、太陽光発電設備の所有者から電力を継続的に購入する契約をします。ただしこの場合は、10年という長期契約になることを承知する必要があります。
途中で契約解除というのは基本的にはできないので、契約前に電力の購入費用や設備の譲渡条件などをしっかり確認しておきましょう。
3-2.勝手に交換や処分をすることは不可能
自社の敷地内にある太陽光発電設備で自家消費をしていたとしても、PPAモデルの契約期間内は設備の所有権は別の場所にあり、ソーラーパネルなどの設備の交換や処分は勝手に行うことはできません。
このため、設備の運営や管理のコントロールをどこまで自分でやりたいかを考えてから、PPAモデルの導入を検討した方が良いでしょう。
3-3.太陽光発電設備の譲渡後のメンテナンスは自己負担
PPAモデルの契約満了後は全ての太陽光発電設備が譲渡されるため、自家消費を続けることが可能です。しかし、譲渡後のメンテナンスやトラブルが発生した時の修理費用は自己負担となります。
自己負担といっても太陽光発電設備は頻繁に修理するものではありませんし、10年で修理費用が大きく上昇するといったこともあまりないため、利益の方が多いことが見込めることに変わりはありません。
ただ、定期的なメンテナンスを自分で行うのは難しいでしょう。そこで有効利用したいのがO&Mサービスです。O&Mサービスとは運用管理や保守点検をするサービスのことで、太陽光発電設備の性能を維持するために欠かせないモニタリングと定期的なメンテナンスを行ってくれます。
O&Mサービスを依頼する場合は知識と経験がある業者が安心できるので、業界内でもしっかりとした実績を積んでいることをチェックして選んでください。
4.まとめ
自家消費型太陽光発電の必要性は年々高まっており、世界的に当たり前となりつつあるRE100やSDGs達成に企業が貢献するのはもちろん、個人レベルでも経済的に優位に立つために必要なものとなってきています。
太陽光発電設備が導入された当初は導入から管理まで全て自己負担であり、長期的にみれば経済的に得をすると分かっていても、なかなか手が出せないケースが多々ありました。
しかし太陽光発電業界は年々進歩しており、PPAモデルを使用すれば経済的なコストの問題を解決しつつ、自家発電による経済的メリットを得ることが可能です。PPAモデルの経済的優位性に気付いている人はすでに導入を始めているので、まだ迷っている方はこれを機に前向きに検討し、迅速に行動しましょう!

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