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【最速レポート】安倍総理が電撃辞任!マーケットの反応とこれから起きること

    

2020年8月28日、安倍晋三総理大臣が記者会見において辞意を表明しました。今すぐ辞任というわけではありませんが、総裁選挙をしたうえで決まった次期総裁が次の日本の総理大臣になります。

この記事は最速レポートとして会見の翌日に作成しているので、まだ次の総理大臣は決まっていません。次の総理大臣がどうなるかという関心をお持ちの方は多いと思いますが、カチケンとしてはそれに加えて資産運用にどんな影響があるのかといった点にも関心を持つべきであると考えています。

そこで今回は、安倍総理の辞任によってマーケットに何が起きるのか、今後の資産運用にはどんな影響が及ぶのかといった点について考察していきたいと思います。すでに資産運用をしている方はもちろん、これから資産運用や投資をお考えの方にも知っておいていただきたい内容を網羅しました。

1.安倍総理が突然の辞意、その時マーケットは?

2020年8月28日までは「安倍総理が会見をする」とだけ発表されていたので、まさか辞任会見になるとは思われていませんでした。それだけに衝撃的に情報が駆け巡り、マーケットにも大きな影響が見られました。8月28日に何が起きたのか、この先どうなるのか、まずは初動からその動きを追ってみたいと思います。

1-1.8月28日、事件は起こった

2020年8月28日の17時から、安倍総理の会見があると発表されていました。当初は「健康問題に言及か」という予測はあったため、最近体調が良くないと見られていることに対する何らかのコメントがあると見られていました。そして、会見の主な内容は新型コロナウイルスに関する政府の対応や経済ダメージへの対策など、「コロナ問題」になると思われていたのです。

しかし、実際には違いました。もちろん「コロナ問題」への具体的な指針が示されたのですが、それよりも安倍総理自身の口から語られた辞任の言葉が日本だけでなく世界を駆け巡り、主要都市では新聞の号外まで発行されました。

7年8ヶ月に及ぶ在職年数は、歴代トップの長さです。その記録を更新した直後の辞意表明なので、最後はこの記録を塗り替えることだけを目的に在職していたのかもしれません。アベノミクスによって株価を回復させ、経済以外にも功績の大きかった安倍内閣だけに、マーケットが起こした反応はこの先を心配するものだったのは間違いありません。

1-2.辞意表明会見で起きたこと

政治的な功績や、その逆に批判もあることでしょう。そういった議論は他に譲るとして、カチケンではマーケットへの影響、そして今後の資産運用への影響に絞って解説をしていきます。

まず、辞意表明会見を受けて主要なマーケットがどう動いたのでしょうか。

1-2-1.東証株価が急落

東証株価の主要な指数である日経平均株価は、辞意表明会見を受けて急落しました。こちらのチャートを見ていただくと、その急落ぶりがひしひしと伝わると思います。

これは8月28日の5分チャートですが、これを見て「どこで辞意表明会見があったか」は言うまでもないと思います。下落幅は一時600円にもなり、この急落はコロナショック時に数回見られたレベルの暴落です。

1-2-2.急激な円高の進行

次に、為替相場への影響も見てみましょう。こちらはドル円(米ドルと日本円の交換レート)の8月28日チャートです。

こちらについても、どこで急落が始まったのかを説明するまでもないと思います。ちなみにこちらは株価と違って1時間チャートです。株価と違って為替はゆっくりと値動きに反応する傾向があるので、1時間チャートのほうが急落ぶりをお伝えしやすいと思いました。

日本の総理大臣が突然辞意を表明したのですから、日本の株が急落するのは不思議なことではありません。ではなぜ、為替でドル円が急落(つまりドル安円高)が起きたのか?これについては不思議に思われるかもおられると思いますので、詳しくは次項で解説します。

1-3.マーケットの反応を分析してみた

先ほど株価の急落と為替の円高についてご紹介しました。株価の動きについては、日本の総理大臣が突然辞任するというのはネガティブなニュースだととらえられるので、急落するのが当然だと思います。その事実を補完するように、その晩にオープンとなった欧米の株価にはほとんど影響がありませんでした。あくまでも日本の国内問題ということなんだと思いますが、これは会見直後の反応なので、今後は分かりません。

それに対して、為替の反応はドル安円高でした。もちろんこれはドル安が勝手に進行したのではなく、円高になったことによってドルが相対的に安くなったことによるものです。その証拠に、米ドル以外の通貨も対円で軒並み急落しています。つまり、日本円は主要国通貨に対して総じて買われたということです。

なぜ、日本にとってネガティブなニュースなのに円が買われるの?と疑問を持った方は多いと思います。これが為替におけるひとつの特徴で、「リスクオフの円買い」が発動したものと思われます。重大事件や戦争、紛争などのリスクが高まると安全な資産として知られている日本円が買われる傾向が起きやすいため、「日本の総理大臣が辞任」⇒「世界経済への悪影響懸念」⇒「リスクオフ相場になるかも」⇒「日本円を買う」という流れです。これまでにもリーマンショックで強烈な円買いが起きたことがありますし、東日本大震災でも強烈な円買いが起きました。東日本大震災は日本の災害であるにもかかわらず、日本円が強く買われました

今回のマーケットの反応も、こうした相場のセオリーにのっとったものであると考えられます。

1-4.コロナショック相場に与える安倍総理辞任の影響

安倍総理の辞任によるマーケットへの影響について述べてきましたが、ご存じの通り今は新型コロナウイルスによる影響が残る「コロナショック相場」が継続中です。これまでの相場にあったセオリーやアノマリーなどが通用せず、異例づくしの相場展開が続いています。

そんな傷んだ相場に対して、さらに「安倍ショック」が加わったのですから、いつもとは異なる反応になっていると考えたほうが良さそうです。

辞任会見の直後は日本株と円相場だけに影響がみられる状況ですが、それが今後別のマーケットに波及したり、全く逆の反応を示すようなことがあるかもしれませんが、そんなイレギュラーな事態も想定しておくべきでしょう。

2.ポスト安倍で予想される主要相場の展開

世の中で飛び交っている「ポスト安倍」とは、誰が次の総理大臣になるかの話だと思いますが、カチケンは「安倍内閣後のマーケット」を意味する言葉として考察してみたいと思います。

2-1.日本株

日本株への影響は、8月28日の辞任会見から顕著に表れました。安倍内閣はアベノミクスを推進してきた内閣であり、それまで円高や株安の状態が放置されていたのを是正した実績を持ちます。つまり、安倍内閣でなくなるということはこうした経済重視の政策からの転換があるのではないかと先行き不安が生じるため、株は売られやすくなります。

ただでさえ日銀によるETFの大量買入れがあるおかげで日本株は堅調さを維持してきましたが、安倍内閣から次の内閣に代わるとこの政策が転換され、日銀による買い支えや、GPIFによる買い入れなどがなくなるかもしれません。そうなると大きな株安要因になるので、現在は2万円台を維持している日経平均株価が一気に2万円割れという事態もあるかもしれません。

2-2.海外の株

海外の株については、判断の別れるところです。8月28日の辞任会見は金曜日でしたが、週末に向けて欧米の株にはあまり影響がみられませんでした。やはり日本の国内問題であるという認識が強いからだと思いますが、これが週明けからも継続するかは不透明です。

特にアメリカにとって、すでに市場の関心は米中関係や大統領選挙に移っているので、日本の政局で株価が乱高下することはなかなかないでしょう。これは後述しますが、むしろトランプ大統領の当選が危うくなるほど株価は下がりやすくなるので、トランプ優勢=リスクオン、バイデン優勢=リスクオフの流れになっていくと思われます。

2-3.為替相場

FX投資や外貨預金をしている方々にとって非常に重要なのが、為替相場への影響です。ひとまず安倍総理の辞意表明を受けてドル円は急落したので、リスクオフの流れになっているのは明らかです。他のクロス円ペアについても軒並み円高になったので、日本の今後が不透明化することが嫌気されたのだと思います。

それまでリスクオンの流れが続いていたところに冷や水を浴びせるかのように「安倍ショック」ともいえる円高が来たので、これが本格的な円高の流れになるとは考えにくいでしょう。そもそもコロナウイルスのリスク後退や経済活動の再開期待などでリスクオンになっていたこともあるので、その流れが優勢になるとみるのが妥当です。つまり、一時的には円高の流れが起きるものの、その後はもみ合いになり、最終的にはリスクオンの流れに帰趨していくのではないでしょうか。

2-4.不動産市場

コロナショックによって、不動産市場には変化が起きていました。特に都心のオフィス物件などがテレワークの普及によって需要が減少し、賃料相場が下落を始めていました。これは東京都心などで特に顕著で、それまでバカ高い賃料を支払っていた企業や店舗などが、それをオンライン化することによってコストを抑えようとし始めたわけです。

この流れと安倍総理の辞任に直接の関係はありませんが、安倍総理の辞任によって景気に冷や水が浴びせられるのは濃厚なので、そうなると不動産市場のさらなる冷え込みが考えられます。

しかし、これは不動産市場全体に起きている現象ではありません。事実、不動産市場の先行指標といわれているJ-REITの指標を見ると、オフィス系や店舗系(商業系)などは軒並み下落しているのに対し、物流施設型や住居型には伸びている銘柄があります。これはつまり、コロナショックによる巣ごもり需要が掘り起こされたことにより、通販に関わりがある物流施設や底堅い住居物件などに資金が流入したからです。

今後もこの流れは継続すると見られているので、安倍総理の次が誰になるかにかかわらず、不動産市場の二極化は進むと見られます。

2-5.金、原油など商品市場

安倍総理の辞任はマーケットからリスクオフと解釈されているので、金など商品市場の上昇は大いに考えられます。かねてから安全資産である金が史上最高値を付けるなど、コロナショックを象徴するような値動きになっています。金相場については詳しいレポートを掲載しているので、興味がある方はぜひそちらもご覧ください。

史上最高値!爆騰を続ける金(ゴールド)投資の実際とおすすめの投資方法

金の他にも原油や食料などさまざまな商品が市場で取引されていますが、原油については安倍総理の辞任とは関係なく横ばいからの緩やかな上昇が見込まれています。新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中でロックダウンが実施され、移動が大きく制限されたことによって原油需要が低迷したことによって原油先物が大きく値を下げたことは記憶に新しいところです。原油市場の詳細についてもレポートを掲載していますので、そちらもぜひ併せてお読みください。

マイナス価格など歴史的安値が続く原油投資ってアリ?その判断と投資法4選

リスク資産である株などに対して、商品は実需による影響を受ける安全資産の色合いが強く、相場全体がリスクオフに傾けば商品市場も高くなりやすくなります。

中国で起きている大規模な洪水では食料不足が発生するとの観測もあるため、そういった要因も絡んで食料などの商品市場は上昇圧力が強くなるでしょう。

3.安倍総理辞任以外の2020年マーケットイベント

2020年はマーケットにとって大きなイベントが多く、安倍総理の辞任以外にもマーケットに大きな影響を与えそうなイベントがあります。最後に、そういった「安倍総理の辞任以外」のマーケットイベントについても押さえておきましょう。

3-1.アメリカ大統領選挙(11月)

アメリカの大統領選挙は、4年に1度のビッグイベントです。しかも当事国であるアメリカだけでなく、世界に影響力を持つアメリカのトップを決める選挙だけに、アメリカ以外にも多大な影響を及ぼします。

先ほども少し触れましたが、トランプ現大統領が再選するようであれば現在の減税など経済重視の政策が継続されるということで、株高、ドル高の流れが起きやすくなります。アメリカの大統領制は2選までしか認められておらず、ほとんどの大統領が2期を務めて引退しています。これは逆に、1期目があるとよほどのことがない限りは2選もするので、そのまま合計8年間の任期を全うするものと思われています。

しかし、今回はトランプがまだ1期しか大統領を務めておらず、その状況で対抗馬であるバイデンが優勢とも囁かれています。筆者は僅差でトランプ勝利と見ていますが、この状況だとトランプが勝利すると必要以上にリスクオンの流れが起きるのではないかと見ています。

その逆に、バイデンが勝利するようなことがあったら、それはもう強烈なリスクオフです。民主党のお家芸である社会保障政策重視の大統領になってしまえば企業の経営環境が悪化する懸念が生じるため、株安、ドル安、そして円高の流れは必至でしょう。

3-2.新型コロナウイルスの新薬、ワクチン開発(時期不明)

コロナショック相場と言われる昨今の株や為替の状況は、新型コロナウイルスの感染が広がるたびにリスクオフとなり、強烈な株安や円高が何度も起きました。株が売られ、円が買われる理由は、先行きへの不安です。株はリスク資産なので先行きに対する不安が広がるとたちまち売られますし、為替の世界ではリスクオフになると安全通貨である円が買われやすくなるので、円高が起きます。

この影響は8月現在も続いているのでやはりコロナショック相場はまだまだ終わっていないと見るべきです。そんな中、時折面白い動きがあります。それは、新型コロナウイルスの新薬開発や、ワクチン開発が進んでいるというニュースが流れた時に一気に株高になる現象です。まだ正式発表するような状況ではないのに、新型コロナウイルスに関してポジティヴなニュースが流れると過剰なまでに反応するのがコロナショック相場です。

これはつまり、時期はいつになるか分かりませんが、新薬の開発や実用化が発表されたり、ワクチンが開発・実用化されたという発表があると、考えられないようなリスクオンの流れが起きるということです。カチケンの予想ではアメリカ発の大幅な株高とドル高が起き、それが全世界の株と為替の世界に波及すると思います。間違いなく大相場になるので、今から安値を拾っておくのは有効かもしれません。

3-3.イギリスのEU離脱以降期間終了(12月)

「まだやっていたのか」と思われる方も多いと思いますが、イギリスのEU離脱はまだ完了していません。国民投票でそれを決めたものの、それを実際にやるとなるとさまざまな手続きや環境整備が必要なので、そのための協議をイギリスとEUが長らく続けています。それがなかなか難航しているため、最悪の場合は「合意なき離脱」があるのではないかと囁かれています。

特に現在は新型コロナウイルスの影響で国際会議を開きにくくなっており、交渉も停滞気味です。このまま12月の期限切れとなり、合意なき離脱となると、かつてBREXIT(ブレグジット)と呼ばれた強烈なリスクオフに近い相場展開があるかもしれません。しかも期限切れは年末なので、年明けのフラッシュクラッシュが起きやすい時期に重なるため、特にレバレッジの高いFX投資をしている方は要注意です。

3-4.OPEC総会(12月)

12月には、OPECの総会があります。OPECは産油国の国際機関で、これまで協調して産出量を調整してきたため、原油は高値を維持してきました。そこにOPEC非加盟国であるアメリカなどが産油国として名乗りを上げたため影響力が低下し、価格決定に対してあまり機能しなくなっていた傾向がありました。

そんな時に起きたのが、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の停滞、そして原油需要の激減です。原油需要が激減しているのに産出量が同じでは原油価格の下落が起きるのは自明の理で、それが実際に史上初のマイナス価格という「事件」まで起こしました。その後、協調減産はある程度機能していることと需要が徐々に回復していることから原油価格は安定しつつありますが、来年に向けてそれを継続できるかのカギを握るのがOPEC総会です。

ここでも協調減産などが協議される見込みですが、この会議が物別れに終わるようなことだと原油のだぶつきが再び起きる可能性があるため、原油安を震源地とする株安やドル安を引き起こす可能性があります。

4.まとめ

私たち日本人にとって、8年近くも総理大臣を務めてきたトップの辞任はとても大きなニュースです。しかも歴代最長記録を更新し、数々の結果も残してきた内閣だけに、経済やマーケットへの影響も大きくなるのは当然です。そんな時代においても資金をしっかり守り、今後に向けて勝ち組を目指していくための知識を網羅しましたので、ぜひ今後の参考にしてください。