2023年、株&FXはどうなる?現役投資家がポジショントークを交えて展望をお届け
2023年(令和5年)が幕を開けました。明けましておめでとうございます。
投資家(特にFX投資家)にとっての年末年始はフラッシュクラッシュのトラウマがあるので気が休まりませんが、ひとまず今年の年始は比較的平和なスタートだったように思います。一部ではミニフラッシュクラッシュが起きたともいわれていますが、ドル円が130円を少し割ったくらいだったので大したことではありません。
2023年も相場にはさまざまな波乱要因がありますし、それゆえのチャンスも多いでしょう。そこでカチケン編集部の現役投資家が自身のポジショントークも交えつつ株とFXに起きそうなことを展望してみたいと思います。
この記事の目次
1.全体を通じた2023年の展望
最初に、2023年がどんな年になるのか?という点について投資家目線で展望してみたいと思います。2022年から続く懸念材料や、新たに考えられる材料などを、自身の投資スタンスを交えて解説します。
1-1.2023年の全体トレンド
2023年の全体トレンドでいえる大きな流れは、ドル安、株安、資源安でしょうか。どれもぼんやりとしたイメージなので明確な根拠があるわけではないのですが、去年からの流れを受けて高くなり過ぎたものは調整されますし、コロナ禍からの経済再開によって起きる流れを考えるとこれが大きなトレンドになると考えています。
逆に考えると、2022年が異常な年だったということです。異常なドル高や円安が進行し、ロシアによるウクライナ侵攻によって起きた資源高なども異常な水準です。まずはこれらが調整されることから始まると考えるのが自然でしょう。
1-2.米国景気の影響
今もなお世界最大の経済大国であり、金融市場に多大な影響を及ぼしているのが米国経済です。米国経済の浮沈が世界経済の浮沈に直結すると言っても過言ではないので、2023年も米国経済から目を離すことはできません。
米国は2022年から始まったインフレの抑制に必死の状況です。FRB(連邦準備制度理事会=米国の中央銀行)は相次いで異次元レベルの利上げを実施し、今や米国の政策金利は4%にまで上昇しています。これだけ金利が高くなると株などのリスク資産よりも米国の債券を買ったほうが安全でオトクだということで株が売られ、株価の急落が何度か起きました。2023年には一旦落ち着くものの、引き続き米国の金利高は続くでしょう。そうなると株など米国債券以外の資産が売られる地合いとなります。
1-3.国際情勢の影響
2022年の国際情勢を語る上で絶対に外せないのが、ロシアによるウクライナへの侵攻です。まさかこの時代にこんな明らかに侵略戦争が起きるとは誰もが思っておらず、とんでもないネガティブサプライズとなりました。株は急落し、ヨーロッパにその影響が及ぶとの思惑からユーロなど欧州通貨も暴落する局面がありました。そしてロシアが資源国であることから世界的に資源の逼迫が懸念され、原油や天然ガスなどが急騰したのも記憶に新しいところです。
2023年も残念ながら、この戦争による影響を無視はできないでしょう。筆者はウクライナ戦争は広義で長期化すると見ています。表面上の戦闘は休戦や停戦という形で終わるかもしれませんが、争いの火種は残り続けますし、その影響は金融市場にも残り続けるでしょう。
2023年もウクライナで何が起きるのか、その影響で他の地域で何が起きるのか、これらの動向を見守る必要があります。
1-4.日本の金融政策の影響
日本の金融政策は、アベノミクスによる金融緩和路線が続いてきました。それが超円安の原因にもなっていると指摘されてきましたが、筆者個人はこの路線を支持しています。いわゆるリフレ派と呼ばれる経済政策信者なので金融緩和は継続するべきだと考えますが、金融市場はそうは思っていないようです。
そこでついに圧力に屈して(?)、日銀の黒田総裁はイールドカーブコントロールの上限金利を0.5%に修正。これを「金融緩和の終了」と解釈した投資家による円買いとなり、それまでの極端な円安から一転、新年には130円を割り込むほどの円高基調となりました。
このことから分かるのは、日本の金融緩和がいつ終わるのかが市場の関心事になっているということです。2023年は日銀総裁の交代もあるので、この人事や新総裁の金融政策スタンスによっては大きく円高に振れる可能性があります。
1-5.暗号資産業界の動向
2022年は、それまで「イケイケ状態」だった暗号資産に大きな暗雲が垂れ込めてきた年でした。大手取引所だったFTXの破綻は巨大な詐欺事件にも発展し、多くの投資家に暗号資産の悪いイメージが植え付けられることとなりました。世界各国が暗号資産に対して否定的な政策をとっていることを考えると、暗号資産にとって冬の時代は2023年も続くと考えられます。
ビットコインやイーサリアムといった「大手」であっても安泰ではなく、今年は実需がどれだけあるのかによって暗号資産が淘汰され、ミームコインのようなものは無価値になっていると考えられます。
2.2023年の株式市場はどうなる?
世界情勢や景気に対して敏感な株式市場は、2023年どう動くのでしょうか。筆者の見解と自身の戦略を交えて展望します。
2-1.利上げが一服、株価の下落も一服?
米国をはじめ欧米諸国の利上げは、株価に強い下落圧力をもたらしました。株はリスク資産なのでハイリターンが見込まれるからこそ資金が集まります。しかし米国の政策金利が4%を超えるような状況になると株でなくても債券で十分高い利回りが得られるので、安全かつ高利回りな債券に資金が流れます。
2022年はそれが原因と思われる株の急落が何度かありましたが、ようやく米国のインフレも一服する見通しで、利上げのペースも鈍化するでしょう。そうなると一旦大きく下げた株が再び上昇することになるでしょう。
特に米国ナスダックのように景気にとても敏感な銘柄群の回復が顕著になると思われるので、2023年はベンチャー株、IT株をはじめとするグロース株への投資妙味が高まると思われます。
2-2.日本株の成長に期待
日本株は、2023年に大きく成長すると見るアナリストが多くいます。長らく日経平均株価は3万円を超えることがあまりなく、超えてもすぐに2万円台に戻るといったレンジ相場を続けているので、米国株のように右肩上がりの成長とはいきませんでした。
しかし、2023年は日本経済の独り勝ちになるのではないかと見るアナリストも多く、そうなると他の主要市場を尻目に日本株が3万円を超えて大きく成長するシナリオも考えられます。
これはあまりにも楽観的なので筆者がこれに沿った戦略でトレードをするつもりはありませんが、日本株に対してはポジティブなイメージを持っています。現在はJ-REIT中心の投資スタンスですが、現物株や株式型のETFなどにもポジション比率を高めてみようと思います。
2-3.中国など新興国株は厳しい立場に
先進国市場と対照的なのが、新興国の株式市場です。特にネガティブなイメージが強いのが、中国市場や香港市場でしょう。中国は不動産バブルの崩壊やゼロコロナ政策の突然終了などによって経済の混乱が深刻化するでしょうし、それ以上に中国経済に対して過度の期待をしてきた投資家の撤退が顕著になることは確実で、株だけでなく不動産など幅広い資産のバブル崩壊が起きるでしょう。
そうなると中国に依存してきた経済構造の国にも悪影響が及ぶため、韓国などの株式市場にも下落圧力がかかると思われます。新興国株を保有している方、関連のETFや投資信託を保有している方は、早めの「脱出」が良いのではないでしょうか。筆者はそもそも新興国投資をほとんどしないので、今年も見送りスタンスです。
3.2023年のFXはどうなる?
株に続いて、FXについても2023年の展望をしてみましょう。FXには回帰性といって長いスパンで見ると同じレートに回帰する特徴があるため、2023年はその調整がメインになりそうです。
3-1.行き過ぎたドル高と円安の調整
2022年のFX(外為市場)は、超円安と超ドル高が主役を演じました。筆者もそうですがドル高が一時的なものだと感じた投資家の多くはドル売りのポジションで参戦し、ドル円が150円を超えたあたりから損切りを余儀なくされた方が多かったのではないでしょうか。さすがにドル円が150円を超え、他のクロス円が軒並み最高記録に近いようなレートになるとは夢にも思いませんでした。
その主原因は米国の利上げと日本の金融緩和による金利差だと説明されていますが、果たしてそれだけでしょうか。そこにはやはり、金利差を材料とみたFX投資家が一方向に動いたことが原因ではないかと見ています。事実、FX会社のポジション比率は圧倒的にドル買いでした。
しかし、その流れが2022年の後半には変わりました。日銀の黒田総裁が金融緩和路線の修正を示唆するような発言をしたことから一気に円高が進行し、150円を超えていたドル円は130円を割り込むまでに。これだけ流動性の高い通貨ペアで20円もレートが動くというのは、やはり異常です。
2023年はこの流れが継続し、行き過ぎたドル高は修正されるでしょう。ここでもやはり米国のインフレが一段落して利上げも終了するのではという思惑が中心になります。ドル円だけでなく他のドルストレートペアではドル売りのポジションに投資妙味がありそうです。
3-2.インフレ抑制の利上げがスワップ勢力図を激変させる
インフレは米国だけの話ではなく、世界各国で深刻な影を落としています。特に英国やEU圏などヨーロッパでのインフレ進行は強烈なので、今後英ポンドやユーロの利上げが考えられます。あくまでも米国次第の部分はありますが、特に英ポンドの利上げは注視する必要があるでしょう。
また、これまでマイナス金利を継続してきたスイスフランもそれを転換し、利上げを実行しました。その時にはフラン高が起きましたが、今後フランの利上げが起きるとユーロとの金利差がなくなる、もしくは逆転してフラン相場が不安定になる可能性があります。
これまでスワップ受け取りだったポジションが、気づけばスワップ支払いになっている可能性があるので、長期目線のポジショントレードをしている方はスワップの増減に注意してください。
筆者は特に、豪ドルNZドルやユーロフラン、ユーロ英ポンドなどの通貨ペアでのスワップ変動に注意を喚起しています。
3-3.日銀次第では超円高の到来?
先ほどから述べているように、日銀の政策スタンスは今後のFXに大きな影響を及ぼします。日銀の人事よって金融緩和路線ではない人が総裁になると日本も利上げを行う可能性が高く、これまでの金利差を材料としてきた超円安が調整されるでしょう。ドル円が110円台、さらに110円割れといったレートになることも十分考えられます。しかしこれは適正レートともいえるので、ここからはドル円の買いも視野に入るでしょう。
日銀の人事が発表された時に相場が大きく動けば、そこからは円売りポジションのエントリーチャンスです。
5.まとめ
2023年はどうなる?というテーマで株とFXの見通しや戦略について解説しました。これらはすべて筆者の主観によるものなので、あくまでも参考程度にとどめておいてください。ただし筆者は現役の投資家としてこれらの戦略に基づいて実際の売買をする予定なので、その結果についてはカチケン編集部を通じてまた報告したいと思います。

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