続々と大手銀行や地銀、ネット銀行の金利引き上げ。生活への影響は?【後編】
こんにちは、編集者Mです。引き続き、金利の引き上げから起こり得る私たちの生活への影響についてお話して参ります。
この記事の目次
4.普通預金の金利が変わったことで、具体的に預金はどうなった?
日銀がマイナス金利を解除したことによって、私たちの預金金利にどのような変化があったのかを見てみましょう。まず、1年前の状況を振り返ってみます。2023年7月の時点では、メガバンクの普通預金の金利は0.001%、そして10年ものの定期預金は0.002%でした。この数字は非常に低く、微々たるものでした。それに対して、現在の金利はどうなっているのでしょうか。
今では、普通預金の金利は0.02%、定期預金の金利は0.3%に上昇しました。まだ低い水準ではありますが、確実に上がってきたことがわかります。具体的な数字を見てみましょう。もし100万円を普通預金に預けた場合、2023年には1年間の利息が普通預金で10円、定期預金で20円でした。それが、現在では普通預金で200円、定期預金で3,000円に増えました。これにより、「金利のある世界」が少しずつ戻ってきていると言えるでしょう。このように、金利の上昇は私たちの預金にとってポジティブな影響をもたらしていることが明らかです。
5.政策金利がどのように動くか、今後の見通し
政策金利がいつ、どのくらいまで上がるのかについては、多くの人が関心を持っています。特に、今後の日銀の利上げのタイミングやその影響については注目されています。まず、日銀が次に利上げを行うタイミングについてですが、専門家の予測によると、日本経済がこれまでのように緩やかな回復を続けた場合、2024年の9月と2025年の3月にそれぞれ0.25%ずつ政策金利が引き上げられる可能性があります。この予測が実現すると、来年の終わりには政策金利が0.5%に達する見込みです。一方で、日本経済の状況をもう少し長期的に見てみると、物価や賃金の上昇が続くことや、企業の設備投資が増加することで、経済成長がより力強く進む可能性もあります。このような場合、最終的には政策金利が2.75%まで上昇することも考えられています。
このように、政策金利の動向は日本経済に大きな影響を与えるため、今後の動きには注目が必要です。特に、利上げのタイミングやその幅がどのように変化するかによって、私たちの生活や企業の投資判断にも影響が及ぶことでしょう。
6.心配な家計への影響はどのようになるのか。
今後の金利が予測通りに上昇した場合、家計にはどのような変化があるのかを試算してみます。専門家らの見解によると、もし政策金利が2.75%に達すると、日本全体の家計の金融資産が増加する可能性があります。具体的には、預金から得られる利息や利子が合計で約8.9兆円増えると試算されています。
これは「金利のプラス効果」と呼ばれるもので、家計にとっては嬉しいニュースです。しかし、金利が上昇することには、もう一つの側面があります。それは、住宅ローンを抱えている家庭にとっての利払いの増加です。この影響により、住宅ローンの支払いが増える分が約5兆円になるとされています。このため、家計全体のプラス効果から住宅ローンの影響を差し引くと、最終的には3.9兆円のプラスが見込まれます。
これを日本全体の世帯数で割り算すると、一世帯当たり年間で約7.7万円のプラスになる計算です。このように、国全体で見ると、金利が上昇することで家計にはプラスの影響があると考えられています。したがって、金利上昇がもたらす影響は一概にはネガティブなものだけではなく、家計全体としてはポジティブな要素も含まれているのです。これからの金利の動向を注視することが、家計にとって重要なポイントになるでしょう。
7.金利があがることでの住宅ローンを抱える方々への影響は?
住宅ローンを利用している人たちにとって、金利の上昇はどのように影響するのでしょうか。例えば、30代の方が住宅ローンを抱えている場合を考えてみます。この世代の方々は、家族を持ち、住宅を購入するために多くの方がローンを利用しています。金利が上昇すると、預金から得られる利息の増加よりも、住宅ローンの返済負担が大きくなる傾向があります。
具体的には、月々の住宅ローンの利払いが増えることで、1か月あたり約4万6千円のマイナスの影響を受けることになります。このような負担は、家計にとって大きな圧迫要因となるため、注意が必要です。たとえば、住宅ローンの返済が毎月の生活費を圧迫し、他の支出に影響を及ぼす可能性があります。特に、子どもがいる家庭では教育費や日常の生活費とのバランスを考えなければならず、さらなる負担がかかることも考えられます。
したがって、住宅ローンの契約内容や返済計画を見直し、将来的な金利変動に備えておくこと、また、返済の負担を軽減するための対策を講じることも大切です。例えば、固定金利の住宅ローンへの切り替えや、繰り上げ返済を考慮することで、将来的な負担を軽減できるかもしれません。
8.いつかは自分もたどり着く、高齢世帯について考える
高齢世帯はどのように金利の影響を受けるのでしょうか。たとえ住宅ローンを抱えていない高齢者にとっても、金利の上昇は生活に直接的な影響がついてきます。まず、高齢世帯の特徴として単身世帯が多いことが挙げられます。このため、金融資産が600万円を下回っている人の割合が全体の42%に達しているというデータがあります。このような状況では、預金から得られる利息の恩恵を受ける機会が限られてしまい、特にインフレーションが進行すると、日常生活に必要な物資やサービスの価格が上昇する中で、家計がさらに厳しくなる恐れがあります。
物価が上昇する一方で、収入が固定されている高齢者にとっては、より深刻な影響が考えられます。生活費の負担が増えることで、医療費や食費、その他の基本的な生活費に対して圧迫感が増すことが懸念されます。対策として、高齢者の雇用を促進し、収入を増やす必要があるという指摘がなされています。具体的には、高齢者が働く機会を増やすことで、収入を増加させ、生活の安定を図ることが求められます。また、高齢者が自分の能力や経験を活かせる職場環境を整えることも重要です。こうした取り組みは、金利上昇や物価高に対抗する手段となり得ます。
金利の上昇は、高齢者自身にとってのこれまでの働き方やお金に対する考え方について、変化の必要があるかもしれません。例えば、資産運用や投資の重要性が高まり、より効果的にお金を活用するための教育や支援が必要とされるでしょう。高齢者自身が金融リテラシーを向上させ、賢い資金管理を行うことが求められます。高齢世帯は金利の変動に対して特に敏感であり、さまざまな対策を講じることで、生活の質を維持・向上させることが重要です。社会全体がこの問題に関心を持ち、安心して生活できる環境を整えることが求められます。
9.金利が上昇しているときこそ、早めの対策『資産運用』を!
金利が上昇している状況では、資産運用として特におすすめなのが定期預金と変動10年国債です。
定期預金は、まず預け入れる期間を決めて、その期間に応じたお金を金融機関に預ける形式の預金です。預ける期間は1年、2年、3年、5年、10年など様々で、具体的な選択肢は商品や金融機関によって異なります。この期間中は原則として中途解約ができないものの、金利は普通預金よりも高めに設定されているため、一定の収益が期待できます。
金利が上昇している局面では、長期の定期預金(3年から5年)よりも、1年などの短期間のものを選ぶ方が良いとされています。短期間の定期預金では、程よく高い金利を得ることができ、次回の更新時に金利が上昇していると、より有利な条件で新しい預金を組むことが可能です。
次におすすめするのが、変動10年国債です。これは、個人向け国債の一つで、金利が半年ごとに見直されるため、今後金利が上昇する場合、変動10年国債の金利も同様に上昇していきます。一方で、金利が下がると国債の金利も下がりますが、最低でも年0.05%の金利が保証されています。また、1年経過後には中途換金が可能で、その際に直近2回分の利息が差し引かれますが、元本が減ることはありません。
とはいえ、金利が上昇しているものの、普通預金の利息は依然としてそれほど高くはありません。そのため、定期預金を利用する際には元本保証があるため、投資と異なり預けた残高が減少する心配はありません。もし、1年から2年後に使う予定の資金がある場合には、短期間の定期預金に預けておくことをおすすめします。また、5年以上先に使う資金については、変動10年国債を活用することで増やす方法も考えられます。金利の上昇傾向を利用して、安全に資産を増やしていくことを目指しましょう。
まとめ
金利が上昇すると、私たちの暮らしにはさまざまな影響が及ぶことになります。政策金利は日本銀行(日銀)が決定し、これは全ての金利に波及する重要な指標です。政策金利が上がると、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの金利など、私たちが日常的に利用する金融商品にも影響が及びます。
住宅ローンの金利が上昇すると、月々の返済額が増えるため、家計に大きな負担がかかります。このように金利の変動は私たちの生活費や将来の資産形成に影響を与えるのです。また、高齢世帯においても影響があります。多くの高齢者が年金生活を送っている中で、金利が上がると、預金の利息も増える可能性があります。
しかし、一方で、金利上昇によって借入れを行っている高齢者には返済負担が増えるというリスクも伴います。このため、高齢者の生活にとっては金利の上昇が一概に良いこととは言えません。今後、金利がどのように変動していくのかを注意深く見守ること、私たちの生活にどのような変化が生じるのか、しっかりと理解しておくことが大切です。

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