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日本人のマネーリテラシーがヤバい!年収が低くても今すぐできる対策 後編

    

金融広報中央委員会の調査結果から明るみになった、日本人のマネーリテラシー問題。それがどれだけやばいものかは、前篇で紹介していますのでそちらもぜひお読みください。

前編では日本人のマネーリテラシーの低さに警鐘を鳴らし、「今のままでは老後破産する」と警告をしました。それではどうすればいいのか?後編ではその答えを金融コンサルタントをするかたわら自身も投資家である筆者が解説します。

1.投資を始めるなら知っておきたい鉄則

今のままではダメなのであれば、投資や資産運用を検討する必要があります。しかし、だからといって何に投資をすればいいのか、何から手を付ければいいのか全く分からないという人も少なくないでしょう。そこでまず、投資の基本、鉄則をしっかりとマスターしておきましょう。

1-1.投資の基本は「長期・積立・分散」

成功している投資家が、必ず実践している鉄則があることをご存じでしょうか。その鉄則とは「長期・積立・分散」の三要素です。

長期とは投資期間のことです。投資には短期目線と長期目線がありますが、短期目線の投資は勝ったり負けたりがあるので、お金を減らしてしまう可能性もあります。しかし投資期間が長くなればなるほど価格変動のリスクによる影響を受けにくくなるため、有利になります。5年、10年、20年というスパンで取り組む投資はほとんどの人が勝っている(つまりお金が増えている)ので、十分な期間を持つことを前提にしてください。

そして2つめは、積立です。積立で貯金をしている人はいると思いますが、それの投資版だとお考え下さい。一度に全資金を投資するのではなく、今あるお金を少しずつ積み立てていくほうがリスクを抑えやすくなりますし、無理にお金を捻出しなくても投資に取り組むことができます。

そして3つめの分散は、リスク分散のことです。投資には必ずリスクがあるので、そのリスクをいかに抑えるかが成否のポイントです。「卵を1つのかごに盛るな」という格言があるように、1つの投資先に資金を集中させてしまうと、その投資先と心中することになります。心中したからといって誰もその責任を取ってくれるわけではないので、投資先を分散し、投資するタイミングも分散するのが基本です。

1-2.投資とギャンブルは別物

投資というと株やFX、暗号資産などを連想する人が多いのではないでしょうか。これらの投資はいずれも一獲千金のチャンスがあることから注目度が高く「ごく普通の主婦が10万円を1億円にした!」なんていう宣伝文句を見ると、どうしても気になってしまうものです。

しかし、こうした大儲けの話はごく一部では事実かもしれませんが、ほとんどはおとぎ話だと思って問題ありません。大儲けのチャンスがあると煽っているだけです。仮にそんなチャンスがあるとしたら、逆に大損をして一発退場になってしまうリスクと隣り合わせです。

投資はギャンブルではありません。もちろんギャンブルに限りなく近いような投資も存在しますが、カチケンではそんな危ないものを推奨はしません。目的は将来や老後の安心を手に入れることなので、投資とギャンブルは別物としっかり認識してください。

1-3.「増やす」ことよりも「減らさない」ことを重視する

投資がギャンブルではないと言い切っているのは、お金を増やすことだけが目的ではなく、守る目的もあるからです。日本は今後、インフレになっていく可能性があります。インフレになると現金の価値が目減りしてしまうので、頑張って貯めた貯金の実質的な価値が少なくなってしまうかもしれません。

投資では現金以外の金融商品を購入するため、購入するものによってはインフレ対策にもなります。しかもリスクを管理しながら可能な限り「負けない」ことを目的にしているのですから、カチケンが推奨する投資には資産防衛の意味合いも含まれていることを認識しておいてください。

1-4.広い視野で投資先を検討する

世界には日本以外にもたくさんの国があります。そして世界には数えきれないほどの通貨や債券、株式などがあります。投資先は実に多様で、そこから有利なもの、今後の資産形成に役立つものを選んでいくことになります。そんな環境で投資を成功させるには、広い視野を持つことがとても大切です。

株を買うとしても日本だけではなく米国などの先進国、さらには新興国など多様な選択肢から選んで、うまく組み合わせていくことがリスクの分散になります。FXをするとしても世界中にあるたくさんの通貨から投資先を選ぶのですから、世界規模の多様な視点が必要になることはイメージしやすいと思います。

1-5.自分で判断して、自分で行動する

しっかりと認識していただきたい5つ目の鉄則は、自分で判断して自分で行動するという自己責任論です。前編では銀行などで勧められた金融商品を買ってはいけないと述べましたが、それも自分で判断していないからです。

投資のことを学び、そこから自分で結論を出して、自分のお金を投じる。これが投資家としての基本スタンスです。他人任せの投資は失敗してしまったときに何の教訓も得られず、同じ失敗を繰り返してしまうリスクがあります。それだけではありません。他人にわざわざお金儲けの方法を教えてくれる人はいないので、他人任せの投資には必ず何か裏があると思って丁度良いでしょう。

勉強すれば誰でも知り得る情報だけで、真っ当な投資先を見つけるができます。それができない人は勉強をしていないだけです。勉強をせずにお金を増やしたい、将来に向けて安心したいというのは土台無理な話だと認識しましょう。

2.有名な投資商品について「あり」か「なし」かを判定

「投資といえば〇〇」といえる商品はたくさんあります。その中でもなじみの深いものを集めて、カチケン的に「あり」なのか「なし」なのかを理由も含めて1つずつ紹介します。

2-1.投資信託

投資の方針や運用資産を設定して投資家からお金を集め、プロのファンドマネージャーが運用するのが投資信託です。投資初心者にとってはお金を預けておくだけでプロの運用が手に入るので、その意味では「あり」です。

ただし、投資信託は90%以上の銘柄が収支がマイナスになっており、銘柄選びを間違えるとお金を増やすどころか損をする可能性のほうが高いので、結局は銘柄選びという目利きが必要になる皮肉な状況です。

投資信託にはアクティブ型とインデックス型がありますが、安定的な利益を出しているのは後者のインデックス型です。インデックス型とは株価指数など市場全体の動向を示す指標に連動するように運用されているので、長期的には成長している株式市場の成長力を資産増につなげることができます。

インデックス型については投資信託よりもETFのほうが有利なので、次項ではETFについて解説します。

2-2.ETF

ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことです。基本的にETFはインデックス型のみで、株価指数などさまざまな指数と連動するように運用されています。上場するためには厳しい基準をクリアする必要があり、運用の透明性も高く、投資信託にありがちな「たこ足ファンド」もありません。

<たこ足ファンドとは?>
運用で得られた利益だけでなく運用元本からも分配金を出している投資信託のことです。タコは空腹になると自分の足を食べる習性があることになぞらえたものです。当然ながら運用原資が減るので投資信託の価値も下がり、運用の選択肢も狭くなるため成績にも悪影響を及ぼします。

たこ足ファンドではなく、純粋に運用で得られた利益が分配されるので、ETFは長期的に安心して持っていられるのがメリットです。また、上場しているので株式と全く同じ感覚で売買ができることも手軽です。

日経平均株価やTOPIX、米国の株価指数であるNYダウ、S&P500、ナスダック100指数などと連動するETFなど、実に多彩な銘柄があります。投資信託よりもETFの「あり」であると、筆者は考えます。

2-3.J-REIT

REITとは不動産投資信託のことです。不動産を運用することで得られた利益を投資家に分配します。REITの中には前項のETFのように上場している銘柄群があり、東証に上場しているREITはJ-REITと呼ばれています。

個人では買えないような高額物件をファンドが購入し、そこで得られる賃料や売却益を投資家に分配するので、間接的な不動産投資が実現します。2022年6月現在のJ-REIT運用利回り平均は3%台なので、リスクを抑えながら長期的に取り組める投資として「あり」です。

個別のJ-REIT銘柄を選ぶのが難しいと感じるのであれば、J-REIT全体の平均値を指数化した東証REIT指数と連動するETFがあるので、これを持っておくのも良いでしょう。ちなみに筆者は東証REIT指数連動型のETFを長期的に積立保有しています。

2-4.現物株

現物株とは、トヨタ自動車やファーストリテイリング(ユニクロの運営会社)といった企業の株式に対する投資です。個人的に有望であると感じる業種や企業、または応援したい企業があるのであれば、その思いを実践できます。

しかしながら現物株はリスクが高く、あまり集中的に投資をしてしまうと特定の企業と運命共同体になってしまいます。投資中級者以上であれば魅力的な個別株を見極められるかもしれませんが、そうではない人にとっては「なし」と判断します。

2-5.FX

個人投資家が少ない資金から短期間で大きな利益を上げられる手段として、おそらく最強なのがFXでしょう。株と違ってインサイダー取引のようなものがなく、どの投資家も公開情報でトレードをしているので公平性は高いといえます。

チャート分析をかなり深く学ぶ必要がありますが、その努力を惜しまない人にとっては「あり」だと思います。しかし初心者が当てずっぽうで取り組むのはリスクが高すぎるので、全額を失っても構わない資金だけで参入するようにしましょう。10万円でも十分本格的なトレードができるので、まずは「10万円を失っても授業料」と割り切ってそれをどこまで増やせるかやってみるのも良いでしょう。

2-6.暗号資産

暗号資産(仮想通貨)は値動きの荒い投資というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。それは正解で、暗号資産の盟主ともいえるビットコインは限りなくゼロに近いレートから始まって600万円以上を付けたかと思えば2022年6月時点では200万円台です。株やFXでこれだけ乱高下する銘柄を見つけるのは難しいので、暗号資産はこのギャンブル的な値動きが投資家にとって魅力となっています。

FXをさらにハイリスクにしたような投資なので、初心者には基本的に「なし」です。しかしFXと同様に全額を失っても構わないお金を使うのであれば、宝くじを買うような感覚で新しく登場したコインを買ってみるのは面白いかもしれません。

2-7.アパート、マンション投資

アパートやマンションといった収益物件を購入して大家さんになるのが、不動産投資です。土地や不動産を所有するビジネスなのでお金持ちでないと無理だと思われるかもしれませんが、今では個人投資家も銀行融資を利用できるので、長期目線で取り組むのであれば「あり」です。

ただし、収益物件を購入するには少なくとも数百万円規模の自己資金が必要です。これを用意できないと審査に通りにくいですし、仮にフルローンで始めたとしても手持ち資金がないのはリスクが高すぎます。この自己資金を用意できるかどうかが、ひとつの関門になると思います。

これを用意できる人にとっては「あり」、それが無理な人にとっては「なし」です。

2-8.個人向け国債

日本は借金大国だといわれていますが、その借金の証文が国債です。日本はほとんどの国債を国内の日本人が保有しているので、それを個人向けに発行しているのが個人向け国債です。事実上の元本保証で、これまでデフォルトを起こしたことは一度もない安全資産です。

その一方で利回りはとても低く、0.05%です。投資と呼べるかどうか微妙な利回りではありますが、子どもの教育資金など必要になる時期が決まっているお金などの保管場所として考えるのであれば「あり」です。それでもわずかながらの利息がつきます。

3.日々の生活で今すぐできるマネーリテラシー向上方法5選

投資を始めるには、「タネ銭」となる資金が必要です。その資金をいかに確保するかは、日々の生活でマネーリテラシーを向上できるかどうかにかかっています。今の生活を維持しながらしっかりお金を残して、増やす。それを実践するための方法5選を紹介します。

3-1.キャッシュレス決済を利用する

スマホのQRコードを使う方法やクレジットカードなど、キャッシュレス決済が急速に普及しています。これらの方法は単に現金の代わりをしているだけでなく、支払い金額に応じてポイントが付くメリットが見逃せません。

業界大手のPayPayはポイント還元に加えて一定の確率で決済金額が無料になるというキャンペーンを開催することがあります。抽選なのでこれをアテにするわけにはいきませんが、日々の買い物をキャッシュレスに置き換えるだけで一定数のポイントが還元され、その分現金を残すことができます。これはauPayやd払いでも同様で、現金で支払うのと比べるとやがて大きな差になります。

筆者はPontaポイントをメインに使用しているので、それと親和性の高いauPayを日常的に使用しています。クレジットカードのポイントと合わせて毎月数千円分のポイントが貯まっているので、年間だと数万円規模になります。

3-2.クレジットカードを利用する

前項のキャッシュレス決済と同様に、クレジットカードでの支払いを活用するとポイントを貯めることができます。クレジットカードの中にはポイント還元率を重視しているカードがあるので、こうしたカードを選んで日々の支払いに使用すると仮に毎月5万円使う人でポイント還元率1%のカードであれば、毎月500円分が貯まる計算になります。

1か月単位だとそれほど大きな金額ではありませんが、これが数年、数十年となると決して無視できない差になります。

3-3.今すぐ積立投資を始める

投資は金額だけでなく期間も重要です。福利効果を活用すると資金が加速度的に増えていくので、早く取り組むほど福利効果も大きくなります。しかし、今は投資するだけのお金がないという人は、積立投資を今すぐ始めてください。

ETFの中には1株単位で買えるものがありますし、投資信託でも同様です。あまり推奨はしませんがFXだと数百円から投資ができます。まずは始めてみて、分配金や利息、スワップなどでお金が増えることを実感してください。それを実感できるようになると、次第にモチベーションも上がって投資に回すお金も増えていくでしょう。

3-4.投資に抵抗がある人も始められる安全な方法

これまで投資をやってこなかった人の中には、投資に抵抗があるという人も少なくないと思います。大切なお金をリスクにさらすことには抵抗を感じるという人であっても比較的安全に取り組める投資を3つ紹介します。

3-4-1.インデックス投資

株価指数など市場のさまざまな指数に連動するように運用されている投資信託やETFへの投資です。カチケン的にはETFを推奨しているので、ETFを少しずつ買ってみてはいかがでしょうか。もちろん株価指数なので価格の上下はありますが、毎月一定額以上買い続けると価格変動のリスクが平均化されていくので、長く続けるほどリスクは低くなっていきます。

3-4-2.外貨投資

2022年4月頃から進行している歴史的な円安。これを目の当たりにして、日本円だけで資産を持つことに不安を感じた人は多いのではないでしょうか。それなら世界に目を向けて、日本円以外の外貨に投資をするのが有効です。世界には日本をはるかに上回る高金利の国もあるので、そういった国の通貨に投資すると高い金利を得ることができます。

相次ぐ利上げで米ドルも高金利通貨と呼べるほどの利回りが期待できるようになりましたし、その他にもオーストラリアドル、ニュージーランドドルなども魅力的です。少々リスクは高いですが新興国通貨のうちメキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラなども軒並み高金利なので、少しずつ長期投資をするのであれば「あり」です。

3-4-3.REIT投資

REITは間接的な不動産投資なので、とても手堅いのが魅力です。カチケンでは個別のREITではなくJ-REIT全体に投資をするインデックス投資を推奨しているので、東証REIT指数に連動するETFを長期積立投資で取り組んでみるのが良いでしょう。

REITを通じて、個人では到底買えないような物件の疑似的なオーナーになることができます。

3-5.家計簿アプリで支出をコントロールする

お金の流れを見える化することも、投資家として必須のスキルです。日々のちょっとした衝動買いなどは見える化しにくいので、スマホ向けに提供されている家計簿アプリなどを使ってみるのも有効です。そこから見えてきた無駄をカットして、それを投資に回せるようになれば、投資の規模をどんどん拡大して高い効果が得られるようになります。

4.まとめ

日本人のマネーリテラシーがあまりにもヤバすぎるとして、前篇と後編で今知っておくべきことを解説しました。これらの情報はいずれも、投資をするのにあたって入口にしかすぎないような情報です。あくまでも現状の危うさを知ってもらい、「何か始めなければ」と感じていただけることを優先しました。今が何歳であっても遅すぎることはないので、まずは何か具体的な行動を始めてみましょう。