クルマを買いたいのにローン審査に通らない人に朗報、自社ローンとは?
クルマが必要なのにローンの審査に通らないせいで買えないと困っている人は、意外に多くいます。
皮肉なことに、キャッシュでクルマを買えない人ほど、審査に通りにくい現実があります。
それでは、ローン審査に通らない人はキャッシュで買えるまでお金を貯めるか、現在の手持ち資金で買えるクルマに妥協するしかないのでしょうか。
そんな人に知っていただきたいのが、自社ローンです。今回は、お金のピンチを解決する方法のひとつとして、自社ローンによるクルマの購入について紹介したいと思います。
この記事の目次
最初に、自社ローンとは何か
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自社ローンとは、中古車を販売している業者が自社で提供しているローンのことです。
一般的なマイカーローンは金融機関や信販会社などが提供しているもので、クルマを販売する業者(新車も含む)とは別の会社にローンの申し込みをして、審査に通ったらローン会社からクルマ販売業者に代金が支払われ、その代金と引き換えに購入者にクルマが引き渡される仕組みになっています。
これに対して、自社ローンはクルマ販売業者が自らローンを提供するため、外部のローン会社が介在することはありません。そのため、外部のローン会社の審査に通らない人であっても、クルマ販売業者による独自の審査に通ればクルマを購入できます。
ネットで「自社ローン」と検索すると、多くの業者がヒットします。そのほとんどは中古車を販売している業者で、販売業者が自らローンを提供して顧客にクルマを販売しています。
自社ローンのメリット

自社ローンのメリットは、主に4つあります。
それぞれ1つずつ紐解いていきましょう。
自社ローンのメリットその1 マイカーローンとは異なる審査基準
おそらく自社ローンの最大のメリットであり、自社ローンの利用を検討している人の大半が意識しているメリットでしょう。
銀行や信販会社のローンに通らなかった人であっても、自社ローンなら審査に通る可能性があります。
金融機関によるマイカーローンは信用情報機関に照会をかけて信用状態を審査するのですが、自社ローンはそういった照会をしない業者が多く、独自の審査基準を設けています。極端に言えば、過去に自己破産をしている人であってもクルマ販売業者が融資OKだと判断すれば審査に通る可能性があります。
金融機関の審査基準はかなり厳格で、その傾向はますます強まっています。そのため、以前は審査に通っていた人であっても今年は通らないといったことも起きています。クルマ販売業者による自社ローンであれば法体系や金融業界全体の傾向とは関係なく審査が行われるため、審査に通りやすい安心感があります。
自社ローンのメリットその2 金利がない
意外に思われるかもしれませんが、「ローン」という名称になっているのに、自社ローンには金利がありません。それだと自社ローンを提供しているクルマ販売業者にはメリットがありません。そこで、金利とは別に手数料の形でクルマの価格に上乗せされるのが一般的です。
「それなら金利と同じじゃないか」と思われるかもしれませんが、金利は経済情勢によって変動します。特に近年ではインフレの進行によって政策金利が徐々に引き上げられているため、今後はマイカーローンの金利が上昇していく可能性が高くなっています。
これに対して自社ローンはクルマ販売業者の取り分である手数料が上乗せされる形になるため、金利が上昇するご時世になってもその影響を受けることはあまりありません。
自社ローンのメリットその3 納車が早い
先ほど解説したように、マイカーローンの場合は金融機関の審査に通る必要がああり、審査に通ったら代金がクルマ販売業者に支払われて納車、という流れになります。一般的に金融機関のマイカーローン審査は数日から数週間かかるため、それが通るまでは納車されません。今すぐ乗りたい事情がある人にとっては、このタイムラグが意外に長く感じられるかもしれません。
自社ローンはクルマ販売業者自身が審査と融資をしているため、申し込みから納車までのスピードが速くなります。最短だと申し込んだその日のうちに納車されるケースもありますが、これはマイカーローンではあり得ないスピード感です。
自社ローンのメリットその4 支払方法が柔軟
マイカーローンの場合は金融機関が用意している支払い(返済)方法が適用されます。そのため、毎月の返済額などを調整できる余地は少ないのが一般的です。
自社ローンは最初に車体価格と手数料を足した金額が決まり、それを分割払いする仕組みです。そのためクルマ販売業者との話し合いで支払回数や毎月の支払額などを調整可能です。
クルマを購入してからの返済に無理が出ないように調整することは意外に重要で、返済に無理がかかることでクルマを手放すことになってしまっては本末転倒です。そういった事態を防ぐ意味でも支払方法に柔軟性があることは重要なのです。
注意するべき自社ローンのデメリット、リスク

次に、自社ローンのデメリットやリスクについても解説していきましょう。
デメリットやリスクとして注意していきたい点は、5つあります。これらの点をしっかり理解してから利用を検討するようにしましょう。
自社ローンのデメリット、リスクその1 総支払額が割高になる
車両代金に上乗せされる手数料は、一般的にマイカーローンの利息分よりも高い金額になります。クルマ販売業者もそれだけのリスクを取るのですから当然なのですが、この上乗せ分を含めた金額を毎月支払うことになるため、クルマを購入した後の毎月の支払金額がいくらになるのかをしっかりチェックしておきましょう。
また、自社ローンを利用する人の大半は金融機関のマイカーローンの審査に通らない可能性が高い人であるため、クルマ販売業者にとってはリスクの高い顧客です。そのため支払期間を短く設定するケースが多く、その分毎月の支払額が高くなりやすいことも要チェックです。
自社ローンのデメリット、リスクその2 欲しいクルマを買えるとは限らない
基本的に、自社ローンで購入できるのは中古車です。中古車販売業者の中に自社ローンを提供している業者があるといいう位置づけなので、すべての中古車販売業者が取り扱っているわけではありません。
そのため、「この業者から買いたい」「このクルマを買いたい」という希望通りになるとは限りません。
自社ローンを提供している車種の中から選ぶことになるため、その中に希望車種がなければ他の業者を探すか、車種を妥協するかの選択になります。
自社ローンのデメリット、リスクその3 分割払いの期間は勝手に処分や乗り換えができない
クルマの名義人は、2つあります。1つは所有者で、もう1つは使用者です。
ローンで購入したクルマの場合、所有者はローンを提供している業者、そして使用者が購入した人となるのが一般的です。これは自社ローンだけでなく、金融機関のマイカーローンで購入した場合も同じです。
つまり、自社ローンで購入したクルマの所有者はクルマ販売業者になります。分割払いが終われば晴れて所有者と使用者が同じになるわけですが、それまでは「クルマ販売業者が所有しているクルマを使用者が乗っている」という状況が続きます。
この期間は使用者に所有権がないため、勝手に売ることができません。つまり、支払期間中は乗り換えができないということです。
どうしても乗り換えをしたい場合は、繰り上げで残債を支払う必要があります。
自社ローンのデメリット、リスクその4 保証人や保証会社を求められることがある
購入希望者の信用状態によっては、クルマ販売業者から保証人や保証会社の利用を求められることがあります。これは業者の立場で考えると当然のことで、金融機関の審査に通らない人に実質的にお金を貸す(実際には先にクルマを引き渡す)のですから、何らかの信用を担保したいと思うものです。
保証人を頼むとなると人間関係に影響が出ることも考えられますし、保証会社を利用する場合は別途保証料が発生します。それ以前に、保証会社も金融機関と同様の審査をしているため、保証会社の審査に落ちる可能性もあります。
自社ローンのデメリット、リスクその5 滞納時にクルマを引き上げられる可能性がある
クルマの代金を分割で支払っていく期間中に支払いの滞納があると、クルマを引き上げられてしまうことがあります。これも金融機関のマイカーローンと同様のリスクであり、自社ローン特有のものではありません。
ただし、GPS機能がついているクルマの場合は遠隔操作でエンジンが掛からないようにするといった対応を取ることもあるため、どのような形であってもローンの返済を滞りなくすることは極めて重要です。
自社ローンと「残クレ」との違い
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自社ローンを検討している人の中には「残クレ」を検討している人がいるかもしれません。
どちらもクルマを購入するのに必要な資金を全額持っていなくてもクルマを購入できる仕組みとしては同じですが、そこには大きな違いがあります。
筆者の意見としては、自社ローンよりも残クレのほうがリスクは高く、破綻しているケースが多いように思います。
そもそも「残クレ」とは?
「残クレ」とは、「残価設定型クレジット」の略です。これだけだとよく分かりませんね、簡単に概要を解説しましょう。
200万円をクルマを購入するとします。そのクルマの3年後の価値が100万円だとすると、3年後に返却することを前提に「3年間乗る権利」を100万円で購入し、その100万円を分割払いするのが「残クレ」です。
新車を購入する際にも利用できるため、常に新車を3年間乗り回せるという触れ込みで利用する人も多くいます。特に「残クレアルファード」なんて言葉もあるほど、トヨタのアルファードを「残クレ」で購入する人が多くいます。高級車ですし、「残クレ」で購入したかどうかなんて見た人には分からないので、見栄を張るにも最適ですね。
自社ローンと「残クレ」との違いとおすすめしない理由
自社ローンと「残クレ」、どちらも車両代金の全額を持っていなくてもクルマを購入できる仕組みではあるのですが、決定的な違いがあります。
その違いをまとめると、以下のようになります。
- 返却時に原状回復する必要がある(カスタムができない)
- 走行距離制限が設定され、オーバーすると追加で費用が発生する
- 事故や故障などのトラブルによって追加の費用が発生する
- 返却時に設定残価よりも市場価格が高くても残価でしか返却できない
- 設定された残価の通り評価されないリスクがある
- 途中解約すると高額な違約金が発生する
自社ローンと共通するデメリットについては挙げませんでしたが、それでもこんなにあります。
自社ローンの場合は所有者こそクルマ販売業者のままですが、支払いが終われば自分のクルマになることが前提になっているため、カスタムをしたりといった自由度があります。また、走行距離に特段の制約はありませんし、事故や故障によって資産価値が下がったとしても売らずに乗り続ければそのリスクは顕在化しません。
「残クレ」は設定された期日にクルマを返却することが前提になっているため、原状回復や走行距離制限があります。これだと「自分のクルマ」と思うのが難しく、まるで年単位でレンタカーを借りているような感覚だという利用者もいます。
また、上記に挙げているように残価設定の定義があいまいで、利用者は要件を満たしていると思っていても業者側が「車体のヤレ」などを理由に残価の評価額を一方的に引き下げることもあります。この場合は、追加で費用を負担することになるため、どの視点で見ても自社ローンと比べるとデメリットがとても多いと言わざるを得ません。
自社ローンの審査に通りやすくする4つのコツ
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自社ローンといえども、審査はあります。その審査に落ちてしまうとクルマを購入できないので、ここでは自社ローンの審査に通りやすくなるコツを紹介します。
自社ローンの審査に通りやすくするコツその1 自己資金をできるだけ多く用意する
マイカーローンにも同じことが言えますが、自己資金(頭金)を多く用意するほど審査には通りやすくなります。
自己資金を多く入れることでローン借入額が少なくなることも理由のひとつですが、それに加えて返済に対する「本気度」が伝わることも重要な理由です。
1円もない状態でクルマを買いたい、全額をローンにしたいと言ってきた人と、半分はお金を用意しているので残りの半分をローンにしたいと言っている人、どちらを信用しますか?答えは言うまでもありませんね。
しかも、筆者の経験上、マイカーローンの審査に通らないことから自社ローンを利用したいと言っている人ほど、自己資金が少なかったり、無かったりします。
皮肉なことですが、これが現実です。さすがに半分は難しくても、購入代金のうち1~2割くらいを用意できるだけで、審査の行方は大きく変わります。
自社ローンの審査に通りやすくするコツその2 虚偽の申告は絶対NG
自社ローンを申し込む際には、購入希望者自身のことを細かく申告する必要があります。特に返済能力に直結する勤務先や勤続年数、年収、他社借入といった情報は審査の結果を左右する重要な項目です。
審査に通りやすくしたい一心で年収を盛ったり、他社借入を申告しない、もしくは少なめに申告するといった虚偽申請は絶対NGです。もしそれが審査段階で発覚したら信頼できない人と判断されて審査に落ちることは言うまでもありません。
仮に審査時にバレなかったとしても、虚偽の申告でローンを利用しても返済に困るのは明白です。返済に困った段階で、実は虚偽申告だったと発覚すると、少なくとも全額一括返済を求められるか、クルマを引き上げられます。そればかりか、悪質な場合は詐欺や有印私文書偽造などの犯罪に問われる恐れもあります。
ウソをついてローンに通ったとしても得をすることは何もないので、くれぐれも虚偽の申告はしないようにしましょう。
自社ローンの審査に通りやすくするコツその3 身の丈に合ったクルマを選ぶ
年収や生活水準と比較して、身の丈に合わないような高価なクルマを購入しようとすると審査に落ちやすくなります。理由は言うまでもないと思いますが、返済能力に疑義が生じるからです。高価なクルマを買えば、毎月の支払額も高額になります。年収と照らし合わせて、本当に支払えるのかと判断されると審査に落ちます。
年収だけでなく、他社借入がある人はその借入に対する返済と合わせた金額を毎月ねん出できるのかが審査のポイントになるため、他社借入がある人はそれも踏まえて車種選びをしましょう。
自社ローンの審査に通りやすくするコツその4 信頼関係を大切にする
ローンなどでお金を借りる場合に、何よりも大切なのが信頼です。過去に同じ金融機関でお金を借りて完済したことがある人は、借りたことがない人よりも審査に通りやすくなります。
もし同じクルマ販売業者で過去に自社ローンでクルマを購入し、完済したことがあるのであれば、それは信頼となって次の審査にもプラス材料となります。
クルマ販売業者は金融機関ではありません。クレヒスと呼ばれる信用スコアで判断するのではなく、「この人にクルマを売って大丈夫か」「この人に先にクルマを引き渡して大丈夫か」という信用を第一に審査します。そこには販売業者と利用者との信頼関係も重要なポイントです。
高圧的な態度で販売業者に接する人が審査に通るとは思えませんし、アポイントに平気で遅れる、期日までにすることをしないといった横着な態度を取っていると、信頼関係を醸成できないと判断されて審査通過を難しくします。
まとめ
今回は、お金のピンチ解決法のひとつとして自社ローンを取り扱いました。クルマが必要なのにローンに通らないというのは、ある意味ではかなりのピンチです。必要な時にクルマを購入できないことは機会損失やそれ以外の損失につながる恐れもあるため、ひとつの選択肢として自社ローンを検討してみてはいかがでしょうか。
同様に今お金がなくてもクルマを購入できる仕組みとして「残クレ」も紹介しましたが、走行距離制限や原状回復など、到底マイカーとはいえない状況でクルマに乗らなければならないため、それなら自社ローンのほうに優位性があると思います。

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