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これからも続く物価高、インフレ時代に投資が必要な理由

    

物価高が続いています。毎月のように「来月から〇〇品目が値上げとなり…」といったニュースが流れ、自動販売機の飲み物が200円を超える時代になりました。
イラン情勢の緊迫によって原油高も加わり、これからも物価高は収まりそうにありません。
それまではデフレといって物価が安くなる一方で給料も安くなる現象が30年近く続いていたのですが、これからはインフレの時代です。
なぜ急にデフレが終了し、インフレになったのか?なぜこんなに物価が高くなり続けているのか?これからも物価高は続くのだろうか?といった疑問を持っている人は多いと思いますが、この物価高の構造について明確に説明している論調があまりないように感じるので、今回は物価高がこれからも続く理由とその構造、そしてこの物価高を乗り切る方法をカチケン流に解説したいと思います。

そもそもなぜ物価高が起きているのか

そもそもなぜこんなに物価が上がり続けているのか、これって意外に素朴な疑問ではないでしょうか。
2024年から2025年にはコメ不足が起きてコメの価格が高騰しました。これはコメの不作とインバウンド需要の高まりと説明されていましたが、2026年は逆に価格が下落しています。コメの作況が良かったことが最大の理由ですが、インバウンド需要がなくなったわけではありません。
このカラクリを解くと、中間卸売業者が溜め込んでいたことが分かりました。コメの量は足りていたのに、出し渋ることで値上がりさせて大儲けを企んでいたわけです。そして今度はその在庫に苦しんで投げ売りをした結果、2026年のコメ価格下落が起きています。つまり、物はあっても流通しなければ価格は上がります。昨今の物価高には、こうした供給不足も一因です。
しかし原因はこれだけではありません。最大の原因は、物の価格が高くなっているのではなく、貨幣つまりお金の価値が相対的に下がっているからです。現在進行しているインフレは、コロナ禍が引き金となっています。世界各国が経済を下支えするために貨幣を大量に発行して国民にばらまいた結果、貨幣の供給過多になって価値が下がったわけです。日本でも10万円給付などがありましたが、これは単純に12兆円の日本円が市場にばらまかれた計算になります。物の供給力は変わっていないのにお金だけ増えると、インフレが起きます。コロナ禍では世界各国が日本と同じように現金をばらまいたため、世界で一斉にインフレが起きたわけです。
アメリカやヨーロッパは特にひどくて、年率8%程度のインフレが続いていました。そのインフレを抑え込むためには利上げをする必要があるわけで、アメリカは4%を超える政策金利を維持し、日本との金利差が広がりました。日本円で持っているよりも米ドルで持っていたほうが金利が高いので、円売りドル買いが起き、昨今の円安となったわけです。
円安になると輸入品の価格が高くなるため、これも日本の物価高につながっています。
こうして見ると、昨今の物価高が一時的なものではなく構造的なものであることが分かると思います。「イラン情勢のせいで~」とか言っているワイドショー的な解釈は表層的で、物価高の説明にはなっていません。つまり、イラン情勢が落ち着いてもこの物価高は終わらないということです。

これからも物価高が続く3つの理由

残念ながら、この物価高は当分終わりそうにありません。一時的なものではなく構造的に始まったインフレだからです。
しかも今後、この物価高はさらに加速する恐れすらあります。その理由は、主に3つあります。

理由① 高市内閣が推進する積極財政

2026年の総選挙で圧勝した高市政権は、支持率の高さもあって長期政権になる可能性が高いでしょう。もちろん外交や安全保障、経済政策など政策面での完成度が高く、優秀な政権であることは間違いないのですが、高市政権が推進している積極財政はインフレを加速させる要因になりそうです。
これまでにも積極財政は何度もありました。最も有名なのは、アベノミクスでしょう。アベノミクスではそれまで進んでいた超円高が是正され、80円前後だったドル円が120円台にまで戻りました。実に40円の円安です。
これと似たようなことが、高市政権でも起きています。しかも今後も積極財政を推進すると宣言しているのですから、円安+インフレの流れは続くでしょう。「責任ある積極財政」という言葉を使って市場での動きを注視する姿勢は見せてしますが、円を大量に発行して市場に投入することに変わりはないので、物価が高止まりする、もしくはさらに高くなる可能性のほうが高いでしょう。

理由② コストプッシュ型インフレの進行

インフレには、大きく分けて2つの種類があります。1つはコストプッシュ型、もう1つはデマンドプル型です。コストプッシュ型インフレは、原油などの資源価格が高くなることで、経済全体の物価が上昇していく現象のことです。昨今の原油高はまさにコストプッシュ型インフレの原因となるもので、長期化すると他の品物の価格にも転嫁されていきます。また、人的資源についても人件費の高騰が続いており、特に建設業界や引越し業界などで人件費の高騰による価格上昇が起きているのは広く知られている通りです。
原油などの資源価格は高いまま、人口が減っているなかで人件費の高騰は続く。この流れでコストプッシュ型インフレが終わるとは考えにくく、今後も物価を押し上げる要因となります。

理由③ 供給力不足

モノの価格は、需要と供給のバランスによって決まります。これはアダム・スミスが「神の見えざる手」と表現した経済学の基本です。人手不足によって人件費が高騰し、物価を押し上げているのは、供給力不足によってコストプッシュ型インフレが進行している典型的パターンです。供給力が不足しているのは、これだけではありません。
例えば、電気代。原油高や需給の逼迫によって電気代が高騰していくことへの対策として、日本全国の原子力発電所を再稼働させる動きが進んでいます。電力の供給力を増強すれば、電気代を下げる効果が期待できるからです。事実、管区内で原子力発電所が最も稼働している関西電力は、東京電力など他の地域の電力会社と比べると電気代が安く、この効果を日本全国に広げることは有意義でしょう。
今後もさまざまなものが供給力不足になっていくことは必至なので、「モノが足りない」「人が足りない」ことによる構造的な物価高はなかなか終わりそうにありません。

物価高を乗り切る最大の防衛策は「投資」

物価高は終わらないと嘆いてばかりいても、問題は解決しません。そこで勝ち組を目指すカチケンでは、最大の防衛策として投資をおすすめします。
元より資産形成や老後資金の確保などさまざまな理由で投資をおすすめしていますが、昨今の物価高に対抗する意味でも投資はとても有益です。
ここで、単純な比較をしてみましょう。日本では現在、毎年2%前後でインフレが進行しています。これは消費者物価指数(CPI)の推移を見ると分かります。
そしてもう一方で、一般的な投資の利回りである4%で運用した場合を同じグラフに入れ込んでみました。

青い線がインフレ曲線で、オレンジ色が投資による資産増加曲線です。
現金だけで資産を保有していると毎年2%ずつ価値が目減りしていきます。しかし、投資によって毎年4%の利回りを続けることができれば、インフレに負けず資産を増やしていけることが分かります。しかもこのグラフを見ると、その差は年々大きくなっていきます。つまり、投資をしている人としていない人の格差がどんどん広がるということです。インフレ経済では「何もしない」ことが負け組のリスクを高めてしまうのです。

物価高に対抗できる投資術5選

投資をすると言っても、知識や経験がないので何をすればいいのか分からない・・・という人は多いと思います。
事実、投資であれば何でもいいわけではありません。一定のリスク管理ができて資産を守る防衛力がなければなりません。
そこでカチケンでは、物価高に対抗するという意味で5つの投資術を厳選しました。それぞれ何の対策になるのかを含めて紹介します。

投資術① 外貨投資(円安対策)

円安によって円の価値が下がってそれが物価高につながるのであれば、資産の一部を外貨つまり外国の通貨で保有することは円安対策になります。例えば米ドルで資産を保有すれば、円安ドル高によって保有資産は増えていきます。
しかも外貨によっては日本よりも金利が高く、高利回りで運用できる商品がたくさんあります。
米ドルや豪ドルなど比較的金利が高い主要国通貨での外貨預金や、FXの買いポジション保有などによって外貨投資ができます。

投資術② インデックス投資(インフレ対策)

先ほど、年利4%で投資をすればインフレに負けないと述べました。この4%というのは、インデックス投資を想定しています。インデックス投資とは株価指数など市場の全体的な動向を示す指数と連動する商品で運用する投資方法のことで、インデックス投資をすることで「市場全体に投資」をしているのと同じ効果が得られます。
例えば、日経平均株価と連動する投資信託に投資するのは、「日経平均株価を構成する225銘柄」に分散投資しているのと同じです。それと同様に、アメリカのS&P500であれば「アメリカの主要500銘柄」に投資をしていることになります。
これだけ多くの銘柄に分散投資をすれば、その中の数社が経営危機になったり株価が暴落しても全体への影響は軽微でしょう。リスク分散効果をいかしながら市場全体の成長力によってインフレ率を上回る運用をすれば、インフレに負けることはありません。

投資術③ コモディティ投資(原油高対策)

コモディティとは、資源や商品のことです。主要なコモディティとして知られているのは、原油や天然ガス、金(ゴールド)、銀などです。これらの資源はいずれも経済を支える極めて重要なものばかりで、コモディティ価格が経済に多大な影響を及ぼします。2026年3月に起きたイラン危機による原油高だけを見ても、コモディティが経済に及ぼす影響の大きさはよく分かると思います。
それならいっそのこと、自らコモディティに投資すれば価格が高騰してもその値上がり分で物価高に対抗できるわけです。
コモディティ投資には、いくつかの方法があります。原油と金でそれぞれ投資方法を解説しているので、そちらも併せてお読みください。

金の投資方法

原油の投資方法

投資術④ 暗号資産投資(リスク分散)

4つ目に紹介するのは、暗号資産です。ビットコインやイーサリアムといった通貨には一定の資産性があるため、日本円だけで資産を保有するよりもリスクの分散効果があります。しかも外貨や株、コモディティなどとも別物の資産であるため、資産の一部を保有するのは一考の価値があります。
ただし、暗号資産の中にはほとんど価値のないものが圧倒的に多く、少なくとも一定の資産性と流動性があるものに限ります。また、USDT(テザー)のように法定通貨と連動する通貨については分散性があまり高くないので、やはりビットコインやイーサリアム、ライトコイン、リップルといった代表的な暗号資産特有の銘柄を選ぶのが良いでしょう。
ただし、暗号資産は持っているだけではお金を生みません。ステーキングなどのサービスを利用すれば増やせる方法はありますが、他の資産と比べると制度が未整備である部分が多く、あまりおすすめはできません。あくまでも資産のごく一部を分散させる感覚で、「値上がりすればラッキー」という程度の投資にしておくのが良いでしょう。

投資術⑤ 高配当ETF(年金対策)

ETFとは、上場している投資信託のことです。厳しい上場審査を通過していることもあって運用の透明性が高く、安心して保有することができます。株式やREITなどで配当利回りの高いものを「詰め合わせパック」にしたものが多く、こうしたETFを保有しているとインフレ対策になるのと同時に配当収入が得られるため、老後の年金に上乗せできる収入源にもなります。
おおむね4~5%程度の配当利回りのものが多いですが、ナスダック100指数のカバードコール系ETFでは配当利回りが10%になるものもあります。

まとめ

物価高を嘆くニュース報道やネット上の書き込みは実に多いですが、嘆いたところで物価は下がりません。状況によってはさらに深刻化する可能性もあるので、ここは自衛するしかありません。その考え方のもと、カチケンではインフレに負けない投資をおすすめしています。
ここでは5つの対策にふさわしい投資を5つ紹介しましたが、もちろん投資は自己責任です。ご自身でもしっかりと投資の仕組みを理解した上でお金を投じるようにしてください。